金属資源業界の貿易完全電子化に向け、トレードワルツ、マインハブが協業を発表
~住友商事の銅鉱石輸入貿易で、デジタル化連携実証試験を実施~
協業第一弾として、住友商事の銅鉱石輸入取引を想定し、3月23日にデジタル化連携実証試験を実施し、60%の業務効率化の可能性が示唆されました。本結果は4月7日 国際商業会議所 英国委員会が主催するデジタル貿易カンファレンスでも報告されました。
■日常生活を支える金属資源
金属資源、というとあまり身近な印象はありませんが、私たちの生活の多くは金属資源によって支えられています。毎日使う携帯電話や電灯に電気を供給する電線は「銅」から出来ており、私たちが住む家や運転する車は「鉄」によって、生活用品の多くは「アルミ」などでつくられています。
非資源国の日本ではこれらの原材料「金属資源」はほとんど採掘できず、その多くを海外の資源国からの輸入に頼っており、今後輸入貿易の手続きや物流が滞ってしまうと、日常生活へ徐々に影響が出てしまいます。
■貿易が抱えるアナログ課題
これまで多くのメディアで私たちがお話してきた通り、現在、会社間や政府向けの貿易手続きはその多くが紙書類やPDF付のメールなどアナログな手段で行われています。 そのため、紙書類と自社システムでのデータの打ち代えが何度も発生して非効率だったり、リモートワークが難しいためコロナ下でも出社を余儀なくされたり、物流・在庫の情報が不明瞭なので、紛争やパンデミックで物流が混乱すると、立て直しが難しいなど多くの問題が発生しています。今後、少子高齢化が進み実務者の確保が難しくなる日本では、貿易手続きの電子化・効率化を早急に進めていく必要があります。
■私たちの生活がこれからも続くために、世界中で進められる貿易デジタル化
この課題を解決するため、非資源国の日本においては、貿易実務者の代表者が集まる貿易コンソーシアムが、政府と連携しながら、業界横断型の貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz」を構築してきました。ブロックチェーン技術を活用し、高いセキュリティ水準のもと、日本における貿易手続きを完全電子化し、44-60%の業務効率化を実証しています。
逆に資源国では金属資源貿易に関する情報連携プラットフォーム「MineHub」の普及が進んでおり、全体の手続きの中で30%程を占める書類処理の時間を削減していくことが示されています。
これら両者の取組は単独でも効果的ですが、両プラットフォーム間をつなぎ、データ連携できるようになると、更なる業務効率化が見込めます。そこで私たちトレードワルツとマインハブはプラットフォーム間連携し、お客様に使って頂く場合、どの程度、業務が効率化できるか確認する「連携PoC」を企画し、3月23日に実施しました。PoCの対象としては、私たちが毎日使い、身近な電気をつなぐ「銅」の輸入取引を取り上げました。
■「銅」貿易に長い歴史を持つ住友商事が実証に協力
住友商事は、チリを始めとした銅産出国から、銅鉱石の輸入に従事しています。私たちトレードワルツとマインハブは2者の連携により、伝統的な住友商事の銅輸入取引をどの程度効率化できるか検証を行いました。
結果として、資源国側で作成された貿易データをマインハブからトレードワルツに連携し、住友商事側で確認し、物流手配をする場合、これまでの手配時間に比べ60%業務効率化できることが示唆されました。
■貿易デジタル化をさらに進めるPF関連携事例としてICCの国際会議で発表
貿易は1カ国では成り立たないことから、各国・各産業が構築を進める貿易プラットフォーム間を連携する(interoperability)重要性が益々高まっていますが、本実証は好事例と評価され、4月7日に国際商業会議所(ICC) 英国委員会が主催したデジタル貿易カンファレンスでも、事例発表の機会を頂きました
<カンファレンスWEBサイト> ※WEBINER4が登壇したセッションとなります。
https://iccwbo.uk/collections/events/products/icc-digital-trade-conference-17-28-04-2022
【関係者のコメント】
株式会社トレードワルツ 取締役CEO室長 兼 グローバル&アライアンス事業本部長 染谷 悟
「本実証試験にご協力いただいた、住友商事様、マインハブ様に感謝申し上げます。今回は実証試験という形でしたが、今後 資源取引を進める企業の皆様と議論を深め、2社のプラットフォーム間で連携するデータを詰めていき、実貿易で利用頂けるよう、マインハブと密に連携を図って参ります。」
MineHub Technologies Inc. 日本事業開発 Michael Long
「これはMineHubにとってエキサイティングな瞬間であり、日本内外の貿易のデジタル化にとって重要な一歩でした。MineHubは中立性と他社との相互接続性を重要な基本機能として定義しておりますが、本コラボレーションは、相互運用性と中立性がMineHubプラットフォームの重要な基本機能である理由の完璧な例です。これを実現するのを手伝ってくれた住友商事とTradeWaltzに感謝します。」
■株式会社トレードワルツについて(https://www.tradewaltz.com)
トレードワルツは、紙をベースとした、日本やアジアのアナログな貿易を、ブロックチェーンベースの完全電子化貿易に変えていくDXスタートアップです。NTTデータと主要な貿易実務者18社からなるオールジャパンの貿易コンソーシアムで約4年間のシステム開発・技術実証、法改正提案、事業構想を経て、サービス化。株式会社NTTデータ、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社、三菱商事株式会社、豊田通商株式会社、株式会社TW Link(兼松JV)、東京海上日動火災保険株式会社、三井倉庫ホールディングス株式会社、株式会社日新、株式会社三菱UFJ銀行および損害保険ジャパン株式会社の大手10社の共同出資により、事業を運営しています。現在新規メンバーも公募中です。(https://www.bizreach.jp/job-feed/public-advertising/s4hsamh/)
■MineHub Technologies Inc.について(https://minehub.com/ja/)
MineHubは、鉱業・金属サプライチェーンにおいて、業務効率を改善し、またサプライチェーンにおける透明性やレジリエンスの明確化を実現することを目指す、プラットフォームを開発する会社です。MineHubは、鉱業・金属取引に関わる多数の当事者同士をつなぎ合わせる形で、作業フローを統一するデジタルプラットフォームを通して、共有情報を基に作業を進めることができるようにします。
(注)「TradeWaltz」は日本国内における株式会社トレードワルツの登録商標です。その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先 株式会社トレードワルツ CEO室 担当:染谷、岡村、中尾、本部 Email:info@tradewaltz.com |
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