知育アプリ「シンクシンク」で学力、IQが大きく向上。カンボジア王国におけるJICA・慶應大学中室研究室との実証実験にて効果を確認。
ワンダーラボ株式会社(旧:花まるラボ、本社:東京都文京区、代表取締役:川島 慶 以下、ワンダーラボ)は、同社が開発・運営する子ども向け思考力育成アプリ「シンクシンク」を用いたカンボジア王国(以下、カンボジア)における実証実験にて、対象児童の算数の学力テストやIQテストで計測された認知能力が統計的に有意に上昇したことをお知らせ致します。
▼背景
本実証実験は、2017年に独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)の「2017年度第2回 中小企業海外展開支援事業~案件化調査~」に採択された「カンボジア王国におけるアプリ教材「Think!Think!」を用いた思考力教育の導入に関する案件化調査」の一環として実施されました。
カンボジアでは、主にポル・ポト政権時代に多大な打撃を受けた教育環境の整備、学力の向上が国家の最優先課題となっています。2014年の高校卒業試験の合格率は僅か26%、その後、ハン・チュオンナロン現教育大臣による政策により大幅な改善を見せているものの、未だに人材競争力の強化は喫緊の課題です。
本事業は、シンクシンクならびに同教材に用いられている教育的な知見が、カンボジアの抱える教育課題の解決を幼少期の教育からサポートできる可能性があると評価され、実施に至ったものです。
▼実証実験概要
実証実験は、カンボジア国内のモデル校5校・計1,636名の児童(小学1~4年生)を対象に、3ヶ月間に亘り実施されました。また、実験については、慶應義塾大学・中室牧子研究室に外部評価を受けております。実験方法は、対象児童をシンクシンク実施群(807名)と非実施群(829名)に分け、クラスターランダム化比較実験の手法を採用しています。
その結果、実験開始から3ヶ月後に行われたカンボジア国家学力テスト(算数)において、シンクシンク実施群が非実施群に比べ、偏差値にして平均約6.9ポイントの向上が認められました。加えて、国際的な学力調査として知られるTIMSS(国際数学・理科教育動向調査)では平均約6.0ポイント、IQテスト(田中B式)では平均約8.9ポイントもの向上が確認されております。
これは、他国で実施されたコンピュータ支援教育の実験結果と比較しても効果が著しく、また児童の性別や学年、保護者の学歴によらず、等しく効果が出ていることも特筆すべき点です。
【本実証実験についての中室研究室によるコメント】
私たちの研究室では、カンボジアの公立小学校で約1,600人を対象に、シンクシンクが学力に与える効果の検証を外部評価を担当しました。小学校1年生から4年生までの学年をランダムにシンクシンクを受けるクラスと受けないクラスにわけてみると、3か月後には算数の授業内でシンクシンクを利用した子供たちの算数の偏差値は5.6~6.7も上昇していました。近年インドで行われた同様の大規模実験では、同じく3か月の介入で中学生の数学の偏差値が3.7~6.0程度上昇する効果(Muralidharan et al , 2019)、インドで行われた別の実験では1年の介入で小学生の算数の偏差値が4.7程度上昇する効果があった(Banerjee et al, 2007)ことがわかっていますが、今回の実験ではこれらの研究よりも大きな効果が認められています。また、性別や親の学歴による効果の差は確認されておらず、特定のグループの子供たちを有利にしたり、不利にしたりすることもなく、全体の学力の底上げにつながっていることがわかります。
なお、この分析にかかわった当研究室のメンバーは、ワンダーラボから一切の金銭的報酬、研究助成金、株式等は得ておらず、申請中の特許もありませんので、開示すべき利益相反はありません。
中室牧子(なかむろ まきこ)|プロフィール
慶應義塾大学総合政策学部教授。
慶應義塾大学卒業後、日本銀行、世界銀行などでの実務経験を経て現職。コロンビア大学でPh.D.取得。専門は教育経済学。産業構造審議会委員、規制改革推進会議委員を兼任。著書はビジネス書大賞2016準大賞を受賞し発行部数30万部を突破した「『学力』の経済学」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、 週刊ダイヤモンド2017年ベスト経済学書第1位の『原因と結果』の経済学」 (共著、ダイヤモンド社)など。
今回の実証実験の論文はこちら
https://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/19e040.html
この結果を受けて、カンボジア政府はナショナルカリキュラムへのシンクシンクの導入を本格的に検討しており、2020年度にはパイロット校の規模を拡大し、より大規模な試験導入が実施されます。
ワンダーラボでは、この結果が得られた要因として、シンクシンクが子どもの意欲やモチベーションに与える影響が大きいと推測しており、引き続き、シンクシンクが非認知能力(自尊心やモチベーションなど)に及ぼす影響を調査する目的で、より長期的な介入を継続中です。
当社は、「世界中の子どもたちが本来持っている知的なわくわくを引き出す」ことをミッションとしていますが、今回の実験結果を通して、意欲や思考力に働きかける教材が、学力にも大きな効果を与えることが確認されました。今後も、子どもたちがわくわくしながら学べる、新たな教材や体験を作り出していきます。
▼シンクシンクについて
思考力を育てる1回3分のミニゲーム形式の教材を100種類15,000問収録。問題は、空間認識・平面認識・試行錯誤・論理・数的処理の5分野から構成されています。延べユーザーは世界150ヶ国100万人以上、これまでに、国内外で下記の受賞があります。
・Google Play Awards 2017 「Best App for Kids」部門ファイナリスト
・Google Play Awards 2019「Best Social Impact」部門ファイナリスト
・Google Best of 2017
・日本e-Learning大賞 EdTech特別賞
・第13回キッズデザイン賞
▼ワンダーラボについて
ワンダーラボは、2014年創業の教育テック(EdTech)分野のスタートアップです。子どもたちが本来持っている「知的なワクワク」を引き出すためのコンテンツを開発・運営しており、国際的な算数大会の問題などを多数製作・監修している、思考力教材製作のパイオニアです。
2017年にリリースした思考力育成アプリ「シンクシンク」は、日本e-Learning大賞 Edtech特別賞受賞、海外でGoogle Play Awards 2017/2019 TOP5選出(*1)など、国内外で高い評価を得ています。
同アプリは抽象思考の基礎となる思考センスを育てる問題を多数収録し、世界中に配信。また、三重県と「教育振興のための包括協定」を締結し、2018年度より、同県全土への教材提供やアドバイスを行っている(*2)他、カンボジアではJICA・政府との協働案件として同国への思考力教育の導入を推進するなど、国内外で官学と連携した取り組みを行っています。
2018年11月には、世界最大の教育ベンチャーのコンペ「Global EdTech Startup Awards (GESA)」の日本予選にて最優秀賞を受賞(*3)。また、SXSW EDUなど、世界的な教育フォーラムに日本代表として出展、登壇などを行なってきた実績があります。
2020年2月に花まるラボからワンダーラボへ社名変更(*4)、同時に、STEAM教育領域の新しい通信教育サービス「WonderBox(ワンダーボックス)」を発表しました。
(*1) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000012970.html
(*2) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000012970.html
(*3) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000012970.html
(*4) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000012970.html
▼参考情報
ワンダーラボHP https://wonderlabedu.com
BS朝日「アタラシイヒト~Fresh Faces」弊社代表川島出演(番組公式) https://www.youtube.com/watch?v=w6hoGCaBZds
東洋経済ONLINE「グーグルが認めた「花まる学習会」アプリの力」 http://toyokeizai.net/articles/-/180756
EdTechZine「子どもの学習意欲を引き出す思考センス育成教材「Think!Think!」~開発者・川島慶さんが語る「意欲格差と教材の可能性」 https://edtechzine.jp/article/detail/891
Hugkum「知りたい!Googleが認めた話題の知育アプリ「シンクシンク(Think!Think!)」で育まれる知的ワクワクとは?」 https://hugkum.sho.jp/45876
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ワンダーラボ株式会社 マーケティング部 徳丸・池田
Tel: 03-3868-0892
Mail: marketing@wonderlabedu.com
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