子どもたちの生きる地域に「信頼できる他者」を増やしたい。
「市民性の醸成」という切り口から、子どもが孤立しない社会を目指すNPO法人PIECESがクラウドファンディングでプロジェクトを開始
PIECESは、医療や福祉の現場で心に深い傷を負った子どもたちと出会ってきたメンバーによって、「子どもが心に深い傷を負うことなく生きるには、社会にどのような日常を広げていけばいいのか?」という問いと共に立ち上がりました。
活動を進める中で、実感としても、様々な調査研究等からも「孤立」がもたらす影響の大きさに気づきました。そして、多くの取組みが「孤立する子ども本人」に向く中、より中長期的なエネルギーが必要となる「孤立しない環境づくり」にチャレンジしています。このチャレンジの柱となるのが「市民性」です。
「市民性」を育むことで、子どもの周りに信頼できる他者を増やすこと。この時間とエネルギーを要する取組みを広げるためにクラウドファンディングを開始しました。ぜひ応援の程、よろしくお願いします!
■クラウドファンディング概要
・実施期間:2024年7月10日(水)~8月31日(土)
・URL:https://for-good.net/project/1000963
・目標金額:5,000,000円
子どもを取り巻く「孤立」の現状
「困ったな、どうしよう…」「しんどいな、ちょっと助けて…」
学校で、家庭で、まちの中で、困りごとを抱えたり、痛みを感じたりするのは、誰しもの周りに起きうること。
ですが、今、私たちの暮らす社会では、その小さな声が周囲に届きにくくなっています。
知らず知らずのうちに孤立や分断が広がってきたことで、特に子ども・若者の周りには深刻な影響が広がっています。
孤立といっても、多くの場合本当に物理的に孤立しているわけではない。近くに誰かしら人はいるし、なんなら支援者と言われる人もいる。
けれど、抑圧的な環境にいるうちに「自分の痛みは出しちゃいけない」と感じたり、過度に期待をかけられる中で、大人の「こうあってほしい」という姿でいなきゃいけないと思っていたり。あるいは、そこに自分はいるはずなのに、周りからは透明な存在のように思われているような気がする、と話してくれた子もいました。これらはどこか特定の地域で生じているわけではありません。
直近の国のデータでは、約5人に1人が「どこにも相談できる人がいない」と答え、「どこにも助けてくれる人がいない」子ども・若者が10人に1人いることが示されています。
「ねぇ、きいて…」「実はさ…」
子どもが日常の中で小さなしんどさや痛みを感じたとき、そんな一言を自然と受けとれる環境をいかにして築いていくか。それがいま、私たちの社会に問われています。
「市民性の醸成」から生まれる環境づくり
自分自身の小さなSOSを、安心して発せられる環境。
他者のSOSに気づき、受けとれる環境。
誰もが、自分がここにいて大丈夫だと思える環境。
そのような環境を築いていくうえで、私たちPIECESが大切にしているのが「市民性」です。
私たちはこの市民性を、役割や立場を越えて、その人なりの在り方を大事にしながら他者や社会と関わり合おうとする姿勢だと捉えています。
子どもにとっては、学校の先生や専門性を持った支援者などの、その役割や立場があることで支えられている側面ももちろんあります。 それと同時に、あるいはそういった存在でないからこそ、気づけることやできること、届けられることがあるはずだと思っています。
特定の人や団体が持つ力やアクション、専門性などによって支えられていることもあるけれど、日常は一人ひとりの小さな振る舞いやまなざしによって紡がれています。
その一人のあり様・あり方に小さな変化が生まれることによって、少しずつ誰かの日常や、まちの風景が変わっていく。市民性を育むことで、そんな未来を描いています。
市民性を育むためのPIECESの活動
そのような市民性を育むために、PIECESでは「Citizenship for Children(CforC)」と「Cultivate Citizenship」という2つの事業を柱に据えて活動しています。
<Citizenship for Children(CforC)>
CforCは、子どもと自分にとっての心地よいあり方を共に学び、実践するプログラムです。およそ6か月間のプログラムを通して大切にしているのは、対話と内省です。仲間や講師の方々と対話したり、子どもや他者との関わりを振り返ることにより内省を深めたりしていきます。
近年は、10代から60代まで幅広い年齢層で、所属・属性も多様な方が参加するようになり、累計では全国各地から627名の方々に参加いただいています。
<Cultivate Citizenship>
この事業では、より広く市民性の価値を届け、子どもも大人も尊厳が大切にされた社会の土壌をつくるために、WEBでの情報発信や講演、イベントなどを行っています。
2023年のこども家庭庁設立以降は、こども家庭庁の子ども向けホームページにおける記事の監修、あるいは子どもや若者が国の制度や政策づくりに参画するための事業において、意見表明のサポートをするファシリテーターも担ってきました。
「協力」から生まれる新たなチャレンジ
昨年からは、市民性の醸成を、「PIECESによる取組」から「各地の団体や機関、自治体等との協力・共創による取組」へと変容させることで、持続可能かつ効果的な取組に進化(深化)させるチャレンジ「子どもの孤立を防ぐための協力・共創プロジェクト」に取り組んでいます。
想いを同じくする全国各地の団体や機関、自治体、企業の方々とコンソーシアムを形成し、各地域で市民性を育む活動を面で広げることに挑戦しています。
支援金の使い道
本クラウドファンディングで集まったご支援額は、2024年度に取組む「子どもの孤立を防ぐための協力・共創プロジェクト」のさらなる拡充と、「CforCプログラム」の運営の一部に充てさせていただきます。
▼ 子どもの孤立を防ぐための協力・共創プロジェクト
各地の協働パートナーと共に行う、市民性を育むための学習プログラムやワークショップの開催 <拡充、目標:5か所>
コンソーシアム参画団体が、地域を越えて市民による学び合いや実践を育むための知見を共有し合う、学びの場の運営 <拡充、隔月開催>
市民性を育むためのエッセンスをオープンソース化するための教材・パッケージづくり <新規>
新たな協働パートナーを増やしていくために行う認知拡大のためのイベントの開催 <新規>
メッセージ
私たちの活動によって、今この瞬間にある大きな痛みや苦しさから誰かを救うことはできないかもしれません。
それでも、一人ひとりのまなざしやあり方が変わっていけば、社会にやさしいつながりが生まれ、大きな痛みそのものが生まれにくい社会になると信じています。
子どもの周りに信頼できる他者を増やしていきたい。そのためには、「市民性」を育むことの価値を一人でも多くの人に届け、市民性を軸とした協力・共創の輪を広げていく必要があります。
一人でも多くの方と、このチャレンジを共に実現していけたら嬉しいです。
NPO法人PIECESについて
2016年に設立。子どもの周りに信頼できる他者を増やすことで、子どもが孤立しない地域をつくることを目指しています。
子どもの孤立が深まる前に、地域の中で子どもを見守り、子どもに寄り添う市民を増やすための市民性醸成プログラムや啓発活動を展開。一人ひとりが自分らしい市民性を醸成し、行動できるようになることで、子どもと自分、地域のwell-being をつくることができると考えています。
設立:2016年6月22日
所在地:東京都文京区本郷3-30-10本郷K&Kビル5F・6F 小野田総合法律事務所内 social hive HONGO
URL:https://www.pieces.tokyo
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