EAGLYSとセグエグループが資本業務提携を強化。
大学基礎研究をベースとした社会課題解決ソリューションの共同開発へ
産学連携オープンイノベーションによる社会課題解決を目指す
EAGLYSは、AI・秘密計算によるインダストリーデータの活用を促進するPrivate AI プラットフォームの提供をしています。EAGLYSの技術は製造・化学・金融・小売・医療・エネルギーといった幅広い業界領域で導入されており、AIの高い判定精度とビジネス実用性の高さが強みです。また、EAGLYSは、積極的に企業とのオープンイノベーションに取り組んでおり、新たな技術研究や新製品の開発にも取り組んでおります。
セグエグループとEAGLYSは2021年の資本提携以来、大学研究者と共同で、学術研究された基礎技術の社会実装に向け研究開発を進めてまいりました。この度の追加出資ではこれら研究技術をベースとしたソリューション開発、事業開発を目的とし両社の活動をより深化していきます。
■これまでの取り組み内容
①基礎技術の検証
深層距離学習(Deep Metric Learning、以下DML※1)の技術検証を、人物が映るカメラ映像を用い実施しました。非構造データ(画像データ)かつ取得環境のノイズが混じる状況にて、DMLによる個人識別が達成することを確認しました。
②基礎技術の実用化検証
DMLを活用し、従来のAIソリューションでは難しいとされる "複数台のカメラをまたいだ同一人物判定・トラッキング" の実現について検証しました。DMLを利用し、人物の特徴を精微に判定し、同一人物にIDを付与、複数台のカメラをまたいだ同一人物のトラッキングが実現可能であることを確認しました。
③デモアプリケーションの開発
DMLを活用した高度な万引き検知システムの試作機を開発しました。万引き検知を目的としたAIソリューションの多くは、単一のカメラ等で怪しい挙動(買い物カゴに入れず手持ちのバッグに入れる等)に対してアラートをあげるため、実際の万引き行為(商品を取ったのに支払いを実施していない等)を検知することが困難でした。今回、試作開発した万引き検知システムは、実際に持った事実の検出、特定場所に持ち運んだ事実(レジの未通過)の検出、それら一連の過程の同一人物トラッキングをDMLで実現する試作機を開発しました。
◾️今後の取り組み
今回開発した万引検知システムの試作機は、閉じられた単一の店舗での実装を想定していますが、今後、他の店舗、他社、地域といった範囲で万引き犯の特徴シェアを行う仕組みを検討しおり、ここに秘密計算を利用し特徴量を暗号化したまま計算処理する機能を具備していくことを目指します。また、DMLの活用用途として、製造品の検品や異常検知などより多くの活用用途について引続き研究開発を進めていく方針です。
※1:深層距離(Deep Metric Learning)とは?
従来のディープラーニング(深層学習)等の一般的な学習方法と異なり、特徴量抽出プロセス自体を学習させる技術です。データサンプルから特徴量を抽出する際に、データサンプル同士のデータの距離や類似度に基づいた抽出を学習することで、以下の図のように、データをクラスに仕分ける際、単に分離可能にするだけではなく、識別可能なレベルまで、距離的に近いデータをより同一クラスに分類しやすくなる特性があります。顔認識や製造検査・異常検知のための画像分類・識別、画像検索など様々な分野に利用可能です。
■各社コメント
セグエグループ株式会社 代表取締役社長 愛須康之
EAGLYSとは、セグエグループの重点分野であるセキュリティにおいての協業を、2021年から開始いたしました。EAGLYSが進める、各社や各部門でのデータを秘匿したまま計算し活用できる「秘密計算」の取り組みに賛同し、現在に至っております。
これまで、産学連携に基づき、基礎技術として期待されるDMLを用いることで、AIを駆使しての更なる解析効果を出していくことに取り組んでまいりました。この内容に秘密計算を付け加えることで、AI技術とセキュリティ技術を網羅した付加価値も機密性も高いソリューションを生み出せることを確信し、今回の追加出資を決定いたしました。直近では異常検知や不正防止の分野でのベネフィットに期待しております。また、DXに欠かすことのできない様々なビッグデータを秘匿したまま分析結果が出せる技術は、例えばプラットフォームサービスを提供することにより、各社保有のビッグデータの利活用が推進され、サービスの幅が広がり、ニーズもさらに高まってくるものと考えております。
セグエグループは、EAGLYSとの協業を今後も推進し、DXに資するセキュリティソリューションの創出に挑戦してまいります。
EAGLYS株式会社 代表取締役社長 今林広樹
セグエグループには、前回のファイナンスを機に、データセキュリティ・秘密計算の提案協業だけでなく、AIの研究開発でも連携サポートをいただいております。特に、今回のような産学連携オープンイノベーションの取り組みは、企業や大学・研究機関のもつ基礎技術のスピーディーな社会実装の実現とさらなる競争力の向上を狙える組織間連携の形として、今後より重要視されると考えております。セグエグループ様には、その産学連携オープンイノベーションの機会をいただき、また技術テーマ研究・事業化に向けた挑戦の機会をいただけたことに感謝申し上げるとともに、取り組みが加速することを幸いに感じております。EAGLYSとしてもAI・秘密計算を活用した業界変革につながる技術研究の挑戦も含め、データセキュリティのあり方、機密・個人データの管理・活用のあるべき姿を様々な形で社会に表現していきたいと思います。
■セグエグループ株式会社について
創 業: 1995年4月
設 立: 2014年12月
本 社: 東京都中央区新川1-16-3 住友不動産茅場町ビル
代 表 者 : 代表取締役社長 愛須康之
事業内容: セグエグループは、セキュリティ・ITインフラのトータルソリューションを提供する企業グループです。先進的な海外商材を取扱い、培った技術力を活かしたコンサルティングから設計構築、運用、保守サポートまでのワンストップソリューションや、自社開発セキュリティソフトウェアを提供しています。セキュリティ&IT技術者の確保、育成及び輩出に注力し、社会課題である高度IT人材不足解消への貢献と企業価値向上の加速を進めています。
https://segue-g.jp/
■EAGLYS株式会社について
設 立: 2016年12月
本 社: 東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目27-3 やまとビル7F
代 表 者 : 代表取締役社長 今林広樹
事業内容: EAGLYSは、AI・秘密計算によるインダストリーデータの活用を促進するPrivate AI プラットフォームを提供する企業です。業界各社の秘匿データ収集からAI・データ活用を支える基盤の提供と、それを実現する要素技術の応用研究が強みです。『世の中に眠るデータをつなぐハブとなり、集合知で社会をアップデートする』というビジョンの下、様々なお客様のAIならびにデータのコラボレーション促進を支援しております。
https://www.eaglys.co.jp
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