電流しか測っていないのに、なぜ力率が分かる?EnergyColoring、高圧回路の有効電力・力 率を「電圧測定なし」で推定
電圧測定を省き、高圧設備にCTクランプと電源100Vだけ接続。CEATEC 2026で展示
株式会社EnergyColoring(エナジーカラリング、本社:東京都府中市)は、高圧受電点において、対象回路の電圧波形を測定することなく、有効電力・力率を推定する技術を開発しました。既存・新規ユーザーへ順次提供します。推定方法は特許出願済みです。
力率を求めるには、電圧と電流の位相関係を知る必要があります。ところが、EnergyColoringが対象回路から取得する波形は電流だけです。
では、電圧を測っていないのに、なぜ力率が分かるのでしょうか。
EnergyColoringは、この技術を2026年10月13日(火)~16日(金)に幕張メッセで開催される「CEATEC 2026」ネクストジェネレーションパーク、Hall 4、ブース番号4H437で展示します。

「電流だけ」から、どうやって力率を求めるのか
電流実効値と設定した電圧実効値があれば、皮相電力は求められます。しかし、有効電力や力率を求めるには、それだけでは足りません。電圧と電流が時間的にどのような関係にあるか、つまり位相の情報が必要です。
一般的な電力計測では、そのために対象回路の電圧を取り込み、電流とあわせて測定します。高圧設備では、この電圧を取り出すための接続や配線が、計測機器を導入する際の負担になります。
EnergyColoringは、対象回路の電圧波形を新たに取り出すのではなく、電圧の位相を別の情報から推定する方法を採りました。
その手がかりにしたのが、センサ自身が動作するときに流れている「自己消費電流」です。
センサ自身の動作電流から、電圧のタイミングを読み取る
EnergyColoringのセンサは、自己消費電流の状態と位相関係が安定する性質を利用し、その周期波形からセンサに供給されている電圧の位相を推定します。
さらに、推定したセンサ供給電圧と主回路の測定電流を負荷特性などと照合し、センサ供給電圧と主回路電圧との固定的な位相差を推定します。
固定差は初回に推定し、その関係が安定している間は同じ差を利用します。一方、負荷によって変化する電圧と電流の位相差は継続して追跡します。
これにより、センサ供給電圧と主回路電圧の双方の位相を推定し、設定した電圧実効値と測定電流から有効電力・力率を算出します。
つまり、これまでセンサを動かすために消費されていた電流を、「電圧のタイミングを知るための手がかり」としても使うのが今回の技術です。
高圧設備でも、クランプとプラグで設置
高圧受電設備では、キュービクル内の既設CTとCTT(電流試験端子)を結ぶ二次配線をクランプして電流を計測します。センサの電源は、下流の低圧配電から給電されるサービスコンセントに接続します。
CT比・極性と対象回路の電圧実効値を設定することで、対象となる高圧回路から電圧波形を取り出すための配線を省きます。
既設CTTとサービスコンセントを利用できる設備では、電気工事不要で短時間に設置できます。EnergyColoringのセンサはLTE回線を使いクラウドと即時に連携し、1分後には1分刻みの電力・力率などの情報を遠隔地でも確認できます。
計測されたデータはクラウド上で分析・整理・グラフ化され、即座に使える状態になります。
もう、CSVをダウンロードして、エクセルで作業する必要はありません。

推定した電圧位相を、ディスアグリゲーションにも活用
今回推定する電圧位相は、有効電力・力率の算出だけに使うものではありません。
EnergyColoringでは、計測した電流波形から設備ごとの電力使用を推定するディスアグリゲーション(用途分解)を行っています。
電流波形を比較する際、合計電流を基準に波形を切り出すだけでは、別の設備が起動して施設全体の力率が変化すると、運転状態が変わっていない設備まで波形の特徴がずれて見えることがあります。
そこでEnergyColoringは、推定した主回路電圧に同期して電流波形を切り出す「位相ロック」を利用します。
例えば、設備Aの運転状態が変わっていない状態で設備Bが起動し、全体の力率が変化した場合でも、設備Aの波形を電圧に対する同じ位置で比較できます。設備そのものに生じた位相や波形形状の変化も、同じ基準上で追跡できます。
電力・力率を求めるために推定した電圧位相が、そのままAIが電流波形を比較するための共通の物差しにもなる。
電圧取り出し配線を省くための技術が、波形比較の位相ずれを抑え、AI用途分解の高精度化にもつながる点が、本技術のもう一つの特徴です。
7台×15条件、105測定点で比較評価
有効電力・力率の推定については、図2右側で示す通り、三相正弦波電源と抵抗・誘導性負荷を使用し、センサ7台×15条件、合計105測定点で評価しました。
評価用電源の表示値と比較した全105測定点の最大絶対差は、有効電力で0.332 kW(4.43%FS)、皮相電力で0.085 kVA(1.14%FS)、力率で0.082 pt.(8.2%FS)でした。

「本当に電流だけで?」CEATEC 2026で展示
EnergyColoringは、CEATEC 2026のネクストジェネレーションパークに出展します。
会期: 2026年10月13日(火)~16日(金)10:00~17:00
会場: 幕張メッセ
出展エリア: ネクストジェネレーションパーク
ホール: Hall 4
ブース番号: 4H437

株式会社EnergyColoring(エナジーカラリング)
株式会社EnergyColoringは、電流波形の測定、ディスアグリゲーション(用途分解)、用途別電力データの生成・分析を通じて、企業の省エネルギー活動を支援しています。
EnergyColoringの情報は、HPよりご確認いただけます。
https://www.energy-coloring.com/
さらに詳しい情報は資料ダウンロードいただけます。
https://form.energy-coloring.com/
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