がんに関する社会課題の解決を目指す「World Cancer Week 2025」の全日程が終了。現地・オンラインを合わせ、延べ1,079名(2月2日17時時点)が参加しました。
さまざまな領域の専門家やがん経験者、医療関係者が一堂に会し、1週間にわたりがんにまつわる最新知見の共有と社会課題の解決に向けた対話を展開。多様な視点から一人では届かない新たな可能性を探求しました。
がんと言われても動揺しない社会を目指す一般社団法人CancerX(共同代表理事:上野直人、板橋奈美、糟谷明範)は、2月4日(火)のWorld Cancer Dayに連動し、「あなたと動くと、変わり始める。Together, We Move Forward. Together, We Change.」をテーマに、2025年1月26日(日)から2月2日(日)までの1週間にわたり『World Cancer Week 2025』を開催しました。
本イベントは、現地開催とオンラインとを組み合わせた形式で実施し、2月2日(日)にエンディングを迎えました。期間中には合計18のセッションを展開し、がんに関する最新知見や課題解決に向けた対話を各分野の専門家らを迎えて行いました。
一部のセッション(無料セッションを含む)は、順次アーカイブ動画として公開いたします。アーカイブチケットの販売等、詳細につきましては『アーカイブ視聴について』をご確認ください。また、セッションの詳細な内容は、今後「CancerX note」などのオウンドメディアを通じて、随時ご案内いたします。
セッション報告
<現地セッション>
1月26日(日)、東京・コングレスクエア日本橋にて現地イベントを開催しました。
ワークショップやグループワークなど、参加者を交えたセッションでは、現地開催ならではの熱気と一体感が会場を包み込み、盛り上がりを見せました。
<CancerX キーノートセッション>
『梅宮 アンナ氏 ~がんと向き合う私。価値観の変化、伝えたいこと~』
がん治療中の梅宮 アンナ氏(株式会社anna's.com 代表取締役社長)を迎え、半澤 絵里奈氏(CancerX共同発起人・理事)が、事前に参加者から寄せられた質問を元にインタビュー形式で実施。梅宮氏は自身の治療選択や治療後の生活、仕事との向き合い方について語りました。標準治療を信じて進んだこと、治療後の身体の変化への対応、医療以外のサポートの必要性について言及。また、「がんのリアリティを発信し続けたい」とし、今後はアドバイザー活動やアピアランスの選択肢を広げる取り組みを進める意欲を示しました。
このセッションは無料で視聴いただけます。リンクは以下より。
無料ポータルリンク:https://link.cancerx.jp/wcw2025-opensession
<CancerX いのち/死生観>
『「私にとって大切なこととは?」を再考するワークショップ』
自分にとって大切なことを見つめ直す対面ワークショップを、梅田 恵氏(認定NPO法人マギーズ東京・理事)を迎え、実施しました。「生きがい、大事な人、健康、お金、仕事、スマホ」という6つの選択肢を、じゃんけんの結果によって一つずつ選択するという体験。参加者でグループを作り、なぜその順番で選択したのか話し合い、互いの価値観を知るきっかけとなりました。こうした対話を日常的にできる文化の重要性が再認識され、当事者グループやお寺のサロンの活用も一つの選択肢として挙がりました。
<オンラインセッション>
2月1日(土)、2日(日)の2日間は、オンラインにて開催しました。各セッションではチャット機能を活用した参加者と登壇者との活発な対話が行われ、多様な視点からの意見交換を通じて、充実した学びの場が創出されました。
<CancerX HPV/教育・啓発> アーカイブ配信予定
『 キャッチアップ接種の3年間で得たものとこれから~』
モデレーターの村井 孝子氏(純真学園大学保健医療学部看護学科)と行政から髙島 崚輔氏(芦屋市長)、アカデミアから堀 愛氏、井坂 ゆかり氏(筑波大学医学医療系)、メディアから藤松 翔太郎氏(NHKディレクター)、および当事者の学生である吉元 凜氏と手嶋 彩華氏(純真学園大学保健医療学部看護学科)が登壇。多様な立場の参加者による活発な意見交換を通じて、エビデンスに基づく適切な情報提供の在り方や、個々人の選択を尊重した意思決定支援の重要性が議論されました。さらに、キャッチアップ接種で得られた知見を今後の定期接種制度の普及にどのように活かしていくか、それぞれの視点から議論が展開されました。
<CancerX 医療経済> アーカイブ配信予定
『病院は値段の無い寿司屋みたいなもの?!』
小林 真氏(特定非営利活動法人患者スピーカーバンク・理事長)、野口 晴子氏(早稲田大学 政治経済学術院 教授)、モデレーターの冨田 百合子氏(NHKエデュケーショナル チーフ・プロデューサー)に登壇いただき、今話題の高額療養費制度の改正や日本の保険制度について議論しました。自己負担限度額の引き上げが患者の人生に与える影響への不安が共有される一方、保険制度を守る重要性についても意見が交わされました。増え続ける医療費について、何を守り、何を見直すべきか、本気で考える必要があるという議論が印象的でした。今後、医療経済への関心を高め、一人ひとりが声を上げることの大切さを改めて認識しました。
<CancerX Innovation> アーカイブ配信予定
『これまでになかった治療を届けるには』
モデレーターの三嶋 雄太氏(筑波大学 助教/附属病院再生医療推進室副室長)を中心に、金子 新氏(京都大学iPS細胞研究所 教授/筑波大学 医学医療系 教授)、鈴木 美穂氏(認定NPO法人マギーズ東京共同代表理事/Smart Opinion CCO/PMDA運営評議会委員)、後藤 太郎氏(ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社 執行役員・ヘマトロジー・オンコロジー事業部門長)が登壇。承認済みのがん免疫細胞療法の例としてCAR-T細胞療法の臨床成果や国内での開発状況、さらには海外とのドラッグロス/ラグの課題について、活発な議論が展開されました。「日本から新薬が出なくなるばかりか、新薬が使えなくなる国となる」という警鐘的な指摘がなされ、革新的治療への迅速なアクセス実現と効果的な情報提供体制の構築が喫緊の課題として浮き彫りとなりました。今後は社会全体での危機意識の共有と、継続的な対話の場の確保が不可欠であるとの展望が示されました。
<CancerX 災害時のがん医療> アーカイブ配信予定
『災害発生後、あなたの療養生活はどう変化するのか?時間経過で変化する生活や支援を可視化する』
近年の大規模災害の増加と防災意識の高まりを背景に、災害発生時におけるがん患者の治療継続や避難所生活への対応について、実践的な議論が展開されました。本セッションでは、モデレーターの縄田 修一氏(昭和大学横浜市北部病院 薬剤部部長(准教授))の進行のもと、天野 慎介氏(一般社団法人全国がん患者団体連合会 理事長)、内山 由紀氏(認定NPO法人オレンジティ 理事)、佐々木 治一郎氏(北里大学医学部新世紀医療開発センター・教授)が登壇。簡易トイレの試用や必要な医療物品の携行、緊急時の効果的な情報発信方法など、具体的な備えについて知見が共有され、がん患者とその家族が災害医療を自分事として準備を進めていくための継続的な啓発活動の重要性が確認されました。
アーカイブ視聴について
梅宮アンナ氏のキーノートセッションをはじめ、オンラインセッションの動画アーカイブを順次公開します。ご視聴をご希望の方は、アーカイブ配信チケットをご購入ください。
販売期間:2025年2月2日(日)~2月28日(金)
視聴可能期間:2025年2月28日(金)23時59分まで
アーカイブチケット:5,000円
「オンライン+現地参加」または「オンライン参加のみ」チケットをお持ちの方へ
アーカイブ配信は、Peatixの「マイチケット」から「イベントに参加」ボタンを選択することでご視聴いただけます。
※アーカイブ配信チケットの追加購入は不要です。
視聴可能期間:2025年2月28日(金)23時59分まで
お問い合わせ先
取材をご検討のプレスの方へ
現地取材パス及びオンライン用のプレス専用コードをご用意しております。チケット購入前に、広報担当(press@cancerx.jp)までご連絡ください。
一般社団法人 CancerX について
CancerXは産学官民医といった多様な立場の人が力をかけ合わせ、がんの社会課題の解決に取り組む組織で、2020年よりUICC(国際対がん連合)に加盟して活動をしています。
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