2020年工作機械産業の動向と分析<ワイズ機械業界ジャーナル2021年2月第4週号発行>

〜台湾機械業界の動向が分かる〜

ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の2月第4週号を発行しました。今週号では、工作機械業界、機械設備業界、半導体産業機械設備メーカー
のオールリング・テック、電力設備業界について紹介します。

<210225号内容>
1 2020年工作機械産業の動向と分析
2 半導体産業における台湾機械設備製造業の商機
3 半導体産業機械設備メーカー、万潤科技(オールリング・テック)
4 台湾電力設備製造業の主要メーカーの動向

 

●今週号の記事を一部紹介します。
<​2020年工作機械産業の動向と分析>
 2020年は新型コロナウイルス感染症の流行が拡大した影響で、各国で都市封鎖措置が実施され、世界経済は低迷して経済活動が縮小した。このため、20年第1~2四半期の工作機械産業の生産額も減少したが、第3四半期からは感染状況が落ち着き、検査設備や防護装備の生産も安定し、ワクチンが開発された。さらに、各国の財政策が経済成長を支えたことから、世界経済は回復の兆しをみせ、工作機械産業の生産額も成長し始めた。全体的に見ると、20年の台湾工作機械産業の生産額は前年比3割減と大きく減少したが、減少幅は縮小している。

新型コロナウイルス感染症と米中貿易摩擦が世界経済の不確定要素
 この10年、世界経済を牽引してきた中国は、同時に台湾工作機械産業にとって主要輸出相手先でもあり、輸出割合は全体の3割を占めている。しかし、米中貿易摩擦の発生後、中国の経済と消費動向は大きな不確定要素となっている。中国湖北省武漢市は新型コロナウイルスが初めて確認され、2020年2月には感染拡大が最も深刻であった。
 武漢市が都市封鎖を実施後、湖北省以外の産業チェーンの川下企業も材料の生産停止に直面し、中国経済に打撃を与えた。しかし感染対策が功を奏して20年下半期から流行状況は落ち着き、中国の統計によると20年第3四半期の国内総生産(GDP)成長率は前期比1.7ポイント上昇の4.9%となった。しかし、国際情勢は依然として厳しく、中国の購買担当者景気指数(PMI)は景況感の分岐点である50を下回る49.5となった。
 米国は台湾工作機械産業にとって第2の輸出相手先であり、輸出割合は全体の12%を占めている。2019年、米国のGDP成長率は3%以上を維持したが、20年は新型コロナウイルス感染症の流行によって失業率が大幅上昇し、連邦準備制度(FED)は9月に利率の維持と量的金融緩和政策(QE)の継続を発表した。製造業については、20年の平均PMIは51.2で前年比0.7ポイント下落したものの、景況感の分岐点である50を上回っており、景気拡大傾向にあることがうかがえる。 イギリスの欧州連合(EU)離脱、新型コロナウイルス感染症の流行など、欧州は経済と一体化において重要な時期を迎えている。国際通貨基金(IMF)は2020年10月の最新「世界景気展望」で、20年のユーロ圏経済は10.2%衰退し、サービス業及び消費者信頼感指数はいずれも下落すると予測した。またPMIは47.4前後となり、景気は勢いのない状態が続くことを示している。さらに、新型コロナウイルス感染症の流行が再び広がっており、イギリスで変異種が確認されたことなどから、今後の景気も不確定性が高い。

新型コロナウイルス感染症流行の打撃を受け、輸出受注額は前年同期比3割減
 台湾工作機械産業は輸出が中心で、中国が台湾当産業にとって最大輸出先であり、当産業製品の最大消費国である。このため、中国からの受注状況は台湾当産業の景気を判断する指標となる。現在、自動車部品製造に使用される工作機械は世界市場全体の5割を占める。市場調査機関のマーケットリサーチの結果によると、2020年の世界自動車販売台数は前年比19.2%減となる見通しだ。自動車需要が縮小し、多くが自動車部品製造に使用される工作機械の需要も低迷して、輸出額は大きく減少するとみられる。
 2020年1~11月の台湾工作機械産業の輸出額は前年同期比30.8%減となった。このうち、中国(香港を含む)への輸出額は同18.1%減少、欧州と新南向国家への輸出額はそれぞれ48.2%、42.2%減少した。


台湾工作機械の販売額は前年同期比3割減だが、一部のメーカーの減少幅は縮小
 2020年1~10月の工作機械の販売額は、前年同期比で3割減少した。なかでも減少幅が大きかったのは▽水圧プレス機(41.6%減)▽その他NC工作機械(40.7%減)▽グラインダー(40.6%減)で、プレス機、マシニングセンター、その他切削工作機械なども3割以上減少し、20年は景気が悪化したことがうかがえる。また、新型コロナウイルス感染症の流行によって加工需要が世界的に縮小したことから、20年1~10月の大型工作機メーカーの売上高は3割近く減少した。しかし、直近2カ月の売上高を見ると、一部メーカーの減少幅は緩やかになってきており、感染状況が落ち着いて工作機械メーカーの売上高減少は底を打ったことを示している。工業技術研究院(工研院、ITRI)産業科技国際策略発展所の統計によると、20年の台湾工作機械産業の生産額は1,015億台湾元で、前年比31.2%減となる見通しだ。
 新型コロナウイルス感染症流行後のニューノーマルに対し、製造業の経営モデルは徐々に変わりつつある。従来の大規模、低コスト、ジャストインタイムを重視した生産から、「途切れない生産」と「供給のローカル化」がトレンドとなり、いかに強いサプライチェーンを構築するために産業に協力していくかが、次なる変革の課題となるだろう。

<ワイズ機械業界ジャーナルとは>

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所在地:中華民国台北市襄陽路9號8F 
代表者:吉本康志
設立:1996年11月
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URL
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業種
サービス業
本社所在地
中華民国台北市襄陽路9號8F 富邦銀行襄陽分行大樓
電話番号
-
代表者名
吉本康志
上場
未上場
資本金
7000万円
設立
1996年11月