ICT教材eboard、デジタルドリルの「読み上げ機能」が無償で利用可能に:読むことに困難を抱える子の学習をサポート

NPO法人eboard(イーボード)は、文字を読むことに困難や苦手意識がある子をはじめ、さまざまな学び方をサポートするために、ICT教材eboardのデジタルドリルに「読み上げ機能」を新たに追加しました。この機能は、公立学校・非営利活動、ご家庭での利用(個人)には無料で提供するICT教材eboardのアカウントでログインすることで利用可能です。本機能の実装は、TIS株式会社からのご寄付による「TIS×日本NPOセンター・TechSoup協働事業 助成プログラム&デジタル基盤強化プログラム」の助成を受けて実現しました。
多くの子どもたちが直面する「読みの困難」
「文字を読むこと」に困難を抱えている子どもたちは、少なくありません。読み書きの困難、視覚障害を抱える子、日本語の指導が必要な「外国につながる子」など、様々な背景や特性から「読むこと」に困難を抱える子どもたちにとって、文字情報に依存した学習は、学習機会を妨げる大きなバリアとなっています。
文部科学省の調査によると、以下のような子どもたちが、文字情報による学習に大きな困難を抱えています。
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「読み」「書き」に著しい困難を示す児童・生徒:通常の学級に3.5%程度在籍(通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査・令和4年)
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弱視や視覚障害のある児童・生徒:約5,000人(特別支援教育資料・令和5年度)
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日本語指導が必要な児童生徒:69,123人(日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査・令和5年度)

このような子どもたちにとって、文字情報のみに依存した学習は「読むこと」自体でエネルギーを消耗し、内容理解に至る前に学習意欲を失ってしまうことが少なくありません。
誰一人取り残さない教育環境を実現するため、NPO法人eboardは、この「読みの困難」を解消するため、デジタルドリルに「読み上げ機能」を追加しました。本機能は、公立学校・非営利活動、ご家庭での利用(個人)には無料で提供するICT教材eboardのアカウントでログインすることで利用可能です。これにより、「読むこと」に困難や苦手意識がある子に、耳から学ぶという選択肢を提供し、安心して学びを進められるようサポートします。
今回の読み上げ機能の実装は、TIS株式会社からのご寄付を受けて特定非営利活動法人日本NPOセンターが実施する「TIS×TechSoup協働事業 助成プログラム」(助成期間:2024 年 11 月1日~2025年 10月 31日)を活用し、実現しました。本プログラムは、NPOが社会提供するデジタルツールの改良等への資金援助を通じて、NPOと市民社会の広がりと強化を支援することを趣旨としています。
社会貢献活動の基本方針として「すべての人々がデジタル技術の恩恵を享受できるような社会の実現に貢献すること」を掲げるTIS株式会社からのご支援により、様々な背景から「読むこと」に困難を抱える子どもたちへ、デジタルの恩恵を公平に届けることができます。
「読み上げ機能」の概要と利用方法
今回追加された機能は、ICT教材eboardのデジタルドリルの問題文やヒント、答え、解説などを音声で読み上げるものです。
<設定方法>
ログイン後、ぴったり設定画面より設定可能です。「音声よみあげををつける」をONにしてください。

<ご利用方法>
●PCの場合
読み上げたい文章にマウスカーソルが乗ると、一文が黄色くハイライトされます。「よみあげる」をクリックすると、音声が再生されます。
●スマートフォン/タブレットの場合
文章をタップすることで、一文が黄色くハイライトされます。「よみあげる」をクリックすると、音声が再生されます。

【あらかじめご了承ください】
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小学生漢字、中学生国語は、読み上げ機能の対象外です。
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数学や理科などで使われる数式、その他一部は、読み上げ機能の対象外です。
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読み上げ音声は、読み間違いや不自然な箇所がある場合がございます。
今後の展望と、eboardの取り組み
NPO法人eboardは、「学びをあきらめない社会」をミッションに、インターネットを通じて、経済的理由、不登校、障害などの事情を抱える子どもたちの学習機会の保障を目指して活動しています。団体が開発・運営するICT教材eboardは、約2,000本の映像授業と約10,000問のデジタルドリルで構成され、公立学校・非営利活動、ご家庭での利用(個人)には無料で提供。全国の公立学校や学習支援団体、フリースクール、地方の公営塾など12,000カ所以上の教育現場で導入され、毎月20〜30万人に利用されています。eboardは、今後も多様な学習ニーズに対応するための取り組みを継続していきます。
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