【アムネスティニュース】武器貿易条約(ATT) 国連交渉会議目前 日本政府は妥協せず、抜け穴を塞ぐ役割を
2013年3月18日から28日まで、ニューヨークの国連本部にて、武器貿易条約(ATT)の交渉会議が開催されます。ATTについては、2006年から国連でのプロセスが進展し、昨年7月の交渉会議で条約の「コンセンサス」採択が目指されたものの、交渉は決裂しました。
この条約に関して、NGOは2003年から「コントロール・アームズ」キャンペーンを展開するなどして、武器の国際移転を厳しく規制するための、厳格な内容のATTの成立を訴え続けてきました。
ATTに関しては、アメリカ等を含めた多くの国々が条約の成立を支持しています。しかし、昨年7月の交渉会議の終盤には、アメリカ、中国、ロシア、インド等に妥協した結果として、抜け穴の多い条約草案が作成されました。条約推進国のなかでも、ノルウェー、メキシコ、ニュージーランドなどの国々は、アメリカや中国等に妥協しない厳格な内容のATTを強く推進しています。これにたいして、イギリス、オーストラリア、日本、フランスなどは、条約推進国ではありますが、昨年7月会議ではアメリカや中国等に妥協する姿勢を見せました。
ATTが「コンセンサス」で採択されたとしても、それが各国の現在の兵器移転を正当化するような抜け道だらけのATTであれば、意味がありません。3月交渉会議は、昨年7月の条約草案の抜け道を塞ぐ最大の機会です。
私たちは、日本政府にたいして、最後まで妥協することなく、既存の国際法・規範と合致する、厳格な条約を実現するよう求めます。
【日本政府に求めていること】
3月の交渉会議では、昨年7月の条約草案の抜け穴を塞ぎ、以下のようなATTの採択を実現してください。
(1)兵器を移転すれば国際人権法や国際人道法の重大な侵害に使用されることが分かっている、あるいはそうした行為に使用される大きな危険がある場合には、その兵器を移転しないことを、ATTに明記するべきです。
(2)弾薬、部品、構成部分を含めた全ての通常兵器、そしてそれら通常兵器に関する全ての移転行為を、ATTの規制リスト(第2条)に明確に含めるべきです。
(3)ATTは、通常兵器の移転先で、ジェンダーに基づく暴力や子どもに対する暴力を遂行するあるいは容易にするために使用される重大なリスクがある場合は、その兵器の移転を許可しないことを明確にすべきです。
(4)ATTには、強力な実施メカニズムと、全ての締約国が定期的に包括的な報告書を提出・公開する制度が盛り込まれるべきです。
(5)ATTは、各締約国の移転規制制度において厳格なリスク評価を実施するよう、義務付けるものでなければなりません。
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http://www.amnesty.or.jp/news/2013/0314_3861.html
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公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
※このプレスリリースは、以下の団体による共同プレスリリースです
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特定非営利活動法人インターバンド
特定非営利活動法人オックスファム・ジャパン
特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス
特定非営利活動法人ネットワーク『地球村』
アムネスティ・インターナショナルは、規制力のある武器貿易条約(ATT)の成立を求めて、国際的なキャンペーンを展開しています。
オンライン署名にぜひ参加してください。
★武器の規制のために、アメリカを動かそう!★
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