中小事業者におけるキャッシュレス決済導入実態調査・第二弾を実施(エキテン総研)
-QRコード決済導入店舗がクレジットカード決済導入店舗を上回る-
■調査結果の概要
全国の中小事業者におけるクレジットカード決済、QRコード決済、電子マネー決済などのキャッシュレス決済の導入実態は、「導入している」が62.3%、「導入していない」が37.7%で2019年7月の調査から約半年で1割ほど導入店舗が増えたということが分かる結果となりました。
キャッシュレス決済を導入した時期は、2018年以前に導入した店舗が41.5%、2019年以降に導入した店舗が56.5%と、2019年は中小事業者のキャッシュレス決済導入を加速させた1年となったことが分かりました。
キャッシュレス決済を導入している店舗について、前回調査ではクレジットカード決済の導入店舗が多数派でしたが、ついにQRコード決済を導入していると回答した店舗がクレジットカード決済導入店舗数を上回りました。
■調査概要
調査名:中小事業者におけるキャッシュレス決済導入の実態調査・第二弾
対象者:店舗の口コミ・ランキングサイト「エキテン」に掲載中の全国の店舗経営者および集客・販促担当者
回答数:1,906
調査時期:2019年12月10日~2019年12月15日
調査方法:インターネット調査
調査機関:エキテン総研(株式会社デザインワン・ジャパン)
参考:前回調査「中小事業者におけるキャッシュレス決済導入の実態調査」
https://www.designone.jp/news/detail?id=73
■調査結果
【キャッシュレス決済を導入した時期】
キャッシュレス決済を導入した時期については、2019年7月の前回調査までに導入した店舗が63.4%に対し、増税前の8月~増税後の10月以降に導入した店舗が34.6%となりました。2019年8月以降に導入した店舗は、その理由として、「消費税増税に伴うポイント還元による利用客増(売上増)」「キャッシュレス事業者によるキャンペーンでの集客増」をあげており、消費税増税の景気対策として実施されたキャッシュレス・ポイント還元事業などの国策が中小事業者のキャッシュレス決済導入の追い風となったことがわかります。
消費税増税時に話題となる「駆け込み需要」。今回の増税時は、キャッシュレス決済事業者各社のキャンペーンやキャッシュレス・ポイント還元事業利用の波に乗り遅れまいと、「駆け込みキャッシュレス決済導入」をした中小事業者も一定数いたようです。
【キャッシュレス決済を導入している店舗】
導入しているキャッシュレス決済の種類については、回答した1,168店舗中、QRコード決済については939店舗が、クレジットカード決済については886店舗が導入していると回答。QRコード決済を導入している店舗がクレジットカード決済の導入店舗数を上回りました。
①導入しているキャッシュレス決済の種類
QRコード決済ではPayPayを導入している店舗数が群を抜いており、その後にau PAYが続きます。
②キャッシュレス決済を導入した理由
キャッシュレス決済を導入した理由では、「キャッシュレス決済事業者によるキャンペーンでの集客増」という回答がもっとも多く、次いで「消費税増税に伴うポイント還元による利用客増」「消費税増税に伴う利用客の利便性向上」との回答が上位に。
③キャッシュレス決済を導入して良かった点 / 悪かった点
キャッシュレス決済を導入して良かった点としては、「1人あたりの顧客対応時間が削減された」という回答がもっとも多くなりました。前回調査と比較すると、キャッシュレス決済での会計対応に慣れてきている店舗が多くなっていることがうかがえます。
一方、悪かった点としては、「専用端末が増えレジまわりが煩雑になった」「運用コストが増加した」との意見が多く見られます。QRコード決済については"◯◯ペイ"が乱立し、顧客の要望に応えるためには複数の端末を導入せざるを得ず、レジ周りの煩雑さや各決済端末を運用するコストの増加に悩まされている店舗も多いようです。
【キャッシュレス決済を導入していない店舗】
①キャッシュレス決済を導入したいと考えているか
キャッシュレス決済を導入していない店舗に対して今後の導入意向を聞いたところ、「導入する気はない」が56.8%という結果に。一方、40.1%は導入について一定程度、前向きな意向を示しています。
②導入を検討しているキャッシュレス決済の種類
今後、導入を検討しているキャッシュレス決済の種類については、ここでもQRコード決済を選んだ店舗がクレジットカード決済を選んだ店舗を上回りました。
③キャッシュレス決済を導入しようと考える理由
キャッシュレス決済を導入しようと考える理由でもっとも多かったものは、「キャッシュレス事業者によるキャンペーンでの集客増(売上増)」「消費税増税に伴うポイント還元による利用客増(売上増)」「消費増税に伴う利用客の利便性向上」がほぼ同率で1位に。「100億円あげちゃう」「20%還元」などキャッシュレス決済事業者のキャンペーンは消費者の購買意欲を刺激し、実際、キャンペーン期間中の売上・客数が増えたとフリーコメントで記載した店鋪も多数いました。
④キャッシュレス決済導入の障壁 / 課題が解消されたら導入するか?
キャッシュレス決済導入の障壁としては、「加盟店手数料」「導入コスト」「運用コスト(端末)」が多数を占めました。
懸念されている導入コストや手数料などは現状、キャッシュレス・ポイント還元事業やキャッシュレス決済事業者各社の導入促進キャンペーンなどで、0円導入・期間中の手数料の据え置きなどの措置がとられ導入の障壁としては比較的低くなっています。しかし、そもそも施策自体に認知の差があったり、施策期間終了後の加盟店手数料アップなどを憂慮していたりする店舗が少なくないのかもしれません。
キャッシュレス決済導入にあたっての課題が解決された場合、31.8%が「導入する」と回答。一方で、28.1%がそれでも導入しない、と回答しており、現金文化が根強く残っている店舗も一定数いることがうかがえます。また、「わからない」という回答も40.1%を占めるなど、導入に対する慎重な姿勢がうかがえる結果となっています。
⑤キャッシュレス決済をやめた理由
キャッシュレス決済を導入していない店舗のうち、少数ですが約3%は「一度は導入したが、やめた」と回答していました。理由としては、「加盟店手数料の負担が大きかったから」「思ったより集客につながらなかったから」との回答が多数をしめました。
売上規模の小さい中小事業者において、利益を圧迫する加盟店手数料は、キャッシュレス決済導入の障壁とも、キャッシュレス決済をやめるきっかけともなるようです。
【フリーコメントの一部】
以下では、各設問のフリーコメントの一部を抜粋してご紹介します。前回調査のフリーコメントと比較すると、キャッシュレス決済の導入で良かったこととして、「両替に行く手間が減った」と回答した店舗が目立ちました。
- 現金取引が減り両替に行く回数が以前よりかなり減った。また両替の回数が減少したので両替手数料の支払いも減り経費節減できた(愛知県/美容院)
- 当店で導入していないカード決済をご希望のお客様に、QRコード決済をおすすめした事で、機会損失を回避でき、若年層の新規客が増加した(京都府/クリーニング店)
- 良かったことは特にありません。しいて言うならお客様の手持ちが足りないときなどカードでも決済可能な点ですが、決済手数料などを考えると結果的にマイナスです。(島根県/整体院)
- エステで「クレジットが利用できるのならやります」と言われる方が何名か増えた(福岡県/エステ)
- お子様が消費税増税分の足りない時に交通系の電子マネーで支払うことが出来るようになり、家に取りに戻ったりで事故にあう心配がなくなった。(埼玉県/文房具店)
- 現金のみ決済だった頃は「急な出費があり金欠だから」といった理由でのキャンセルや変更があったが、キャッシュレス決済を導入してからは無くなった。(静岡県/エステ)
- 給料日前でも関係なく集客出来る(兵庫県/飲食店)
- 多様な決済手段があるというだけで、お客様の信用度が上がった(愛媛県/花屋)
- 教室での現金の取り扱いがなくなり、事故や手間が一切なくなって本来の業務だけに専念できるようになった。(神奈川県/英会話教室)
- 不動産賃貸業にてキャッシュレス決済可能でお問合せが増えた。(宮城県/賃貸・不動産)
- 客数や売り上げの増はないものの、逆にキャッシュレスに対応しなければ、客数・売り上げの減少は避けられなかったと考える(静岡県/整体院)
- 現金が必要ないので、持ち合わせがなくてもカードが使えると伝えると一人当たりの来店サイクルが増えた気がする(兵庫県/ペットサロン)
- 外国人客は現金を持っていない場合があるので、カードが使えることで多く買ってくださる事が度々(東京都/インテリア・家具)
※グラフ内の構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない場合があります。
※本調査の内容ならびにグラフなどを紙面や映像、サイトなどに掲載する際は、「エキテン総研調べ」と明記してください。
【エキテン総研について】
株式会社デザインワン・ジャパンが運営する店舗の口コミ・ランキングサイト「エキテン」には、リラク・ボディケア、ヘアサロン、クリニック、グルメなど、オールジャンルの店舗・施設の情報が約477万店※分掲載されています。エキテン総研では、エキテン掲載店舗への調査を実施し、中小事業者の店舗運営や経営についてのトレンドや課題を抽出・研究しています。
※2019年11月末現在。
【本件に関する報道関係者様のお問い合わせ先】
株式会社デザインワン・ジャパン サービス広報担当
TEL:03-6908-7820 FAX:03-6421-7463 Mail: pr@designone.jp
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