【スマートフォン メディア&コマース定点調査2024】
可処分時間の奪い合いが続き「コト消費」が活発化
データマーケティング支援のGlossom株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:足立 和久、グリー株式会社100%子会社、以下「Glossom」、読み:グロッサム)は「スマートフォンでのメディアとコマースの利用に関する調査」を全国の10代から70代の男女1,442名を対象に実施しました。本調査は、2019年より実施しており、現状の動向やユーザーの意識変化を捉えることを目的としています。
■総括
昨年実施した、定点調査2023においては、情報収集における利用時間の頭打ちとそれによるサービス間での可処分時間の奪い合いが起きている可能性について考察しました(※1)が、定点調査2024の傾向を見ると、「SNS」、「サーチエンジン」、「メディア」、「動画サブスク」、「ライブ配信」の5サービスとも利用率を上げています。一方、「SNS」以外は利用時間が短くなり、サービス間での可処分時間の奪い合いの傾向は続いていると考えられます。
5サービスの中で唯一利用時間を伸ばした「SNS」では、「TikTok」の伸びが大きく、ほぼすべての性別・年代で利用率・利用時間を伸ばしています。また、「SNS」で強いメディアがライブ配信も伸ばしており、ライブ配信の裾野が広がっているのは「SNS」の影響が大きいと思われます。
「動画サブスク」では、「TVer」が大幅に利用率を伸ばし「Amazonプライム・ビデオ」と並んで2強となりました。提供を終了したサービスもあり、サービス間の明暗が分かれています。
コマースの状況は、旅行や飲食の「コト消費」が活発になっています。
■調査結果詳細
1.スマートフォンでのメディア利用動向
情報収集におけるスマートフォンの利用時間は、スマートフォンでの情報収集を「SNS」、「サーチエンジン」、「メディア」の3サービスに、「動画サブスク」、「ライブ配信」を加えた5サービスに分け経年で利用状況を調査していますが、3サービスの場合も5サービスの場合も2023年と比較し、伸びています。牽引しているのは「SNS」となっており、「SNS」以外の「サーチエンジン」、「メディア」、「動画サブスク」、「ライブ配信」はいずれも平均利用時間が短くなりました。
▼スマートフォンの1日の平均利用時間の推移_「SNS」、「サーチエンジン」、「メディア」の合計
▼スマートフォンの1日の平均利用時間の推移_「SNS」、「サーチエンジン」、「メディア」、「動画サブスク」、「ライブ配信」の合計
一方で、利用率は5サービスとも伸びており、特に「ライブ配信」は利用率を伸ばし裾野が広がっています。「サーチエンジン」も利用率を伸ばしており、能動的に情報収集するユーザーが増えていると言えそうです。
▼利用時間と利用率の推移_「SNS」、「サーチエンジン」、「メディア」、「動画サブスク」、「ライブ配信」
2.「SNS」の利用状況
「SNS」の利用時間の増加を牽引したのは、男性も女性も50代以下の層となり、男性は30〜39歳を除く50代以下、女性は20〜29歳を除く50代以下で利用時間が大幅に増えました。
▼「SNS」利用時間の推移_(性別・年代別)
「SNS」の種類別では、「Instagram」、「TikTok」、「X」が利用率を伸ばし、特に「TikTok」は2023年から10ポイント上昇(2023年 18.8% → 2024年 29.7%)。利用率が約30%となり、約3人に1人が情報収集に活用するSNSへと成長しています。
▼SNS別利用率の推移
「Instagram」、「TikTok」、「X」は利用率だけでなく利用時間も増加しています。
▼「SNS」別利用時間の推移
「TikTok」の利用率を見ると、2022年から2023年にかけて大幅に利用率を伸ばした男性50代以外の全ての性別・年代で利用率が大幅に伸びました。特に女性 15〜19歳では利用率が66%と三分の二のユーザーが「TikTok」を利用していることがわかりました。女性20代・男性15〜19歳も50%に迫っています。
▼「TikTok」の利用率の推移_(性別・年代別)
3.「動画サブスク」と「ライブ配信」の利用状況
「動画サブスク」は、「TVer」が大幅に利用率を伸ばし、「Amazonプライム・ビデオ」の2強となりました。他には、「NETFLIX」、「U-NEXT」、「Hulu」、「DAZN」も利用率を伸ばし、「NETFLIX」は調査開始以来、初めて「ABEMA」の利用率を超えました。提供を終了したサービスもあり、動画サブスクのサービスは明暗が分かれているように見えます。
▼動画サブスク別利用率の推移
「ライブ配信」は、「YouTube」、「Instagram」、「TikTok」、「X」が利用率が大幅増。「SNS」で強いサービスがライブ配信も伸ばしており、ライブ配信の裾野が広がっているのは「SNS」の影響が大きいと思われます。
▼「ライブ配信」別利用率の推移
4.スマートフォンでのコマース利用動向
商品やサービスを知るきっかけとなった情報源は、「TVCM」を抜き「検索エンジン」が最も高くなりました。スマートフォンにおける情報収集においても「検索エンジン」の利用率が上昇しており、目的を持った、能動的な情報収集やサービス利用において「検索エンジン」の活用が伺えます。
▼商品・サービスを購入する際に、知るきっかけとなる情報源
2022年から2024年にかけて「旅行」、「飲食店」、「美容」、「衣服・ファッション」、「化粧品」が伸びています。新型コロナウィルス感染症対策の緩和がより進みコミュニケーションの機会が戻ることで外向き志向に移ったこと、「モノの消費」から「コトの消費」へと消費の嗜好が傾いてきたことなどが要因と考えられます。これらの商品・サービスについては、「検索エンジン」を使い能動的に情報取得することが、その後の購買までつながりやすくなっていると思われます。
▼商品・サービスを購入する際に、「検索エンジン」が知るきっかけとなる商材
「検索エンジン」が知るきっかけとなる商材で伸びた、「旅行」、「飲食店」、「美容」、「衣服・ファッション」、「化粧品」のうち、「衣服・ファッション」以外は、「検索エンジン」から知った情報が後押しになって買う商材でも伸びており、これらの商品・サービスは、「検索エンジン」を使い能動的に情報取得することが、その後の購買までつながりやすくなっていると思われます。
▼商品・サービスを購入する際に、「検索エンジン」から知った情報が後押しになって買う商材
■調査概要
調査対象:日本全国に在住のスマートフォンを所有する10代~70代の男女
回答者数:2024年調査:1,442名
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査時期:2024年 3月 24日(金)~ 3 月 27日(月)
標本構成:男性:721名、女性:721名(10代から70代まで各103人)
※1:出典「スマートフォンでの情報収集に関する定点調査2023」(https://ddm.biz/report/report-1170)
※2:SNSの分類について
Facebook、Facebook Messenger、Instagram、LINE、TikTok、X(旧Twitter)、YouTube(無料)、その他のSNSアプリ
※3: メディアの分類について
グノシー、SmartNews、LINE NEWS、Yahoo!ニュース、Googleニュース、ニュースパス、dmenuニュース、その他のニュース系情報アプリ、美容、ファッション、健康(LIPS、@cosme、TRILL、WEARなど)、食・料理(cookpad、クラシルなど)、住まい・暮らし(LIMIA、キナリノなど)、旅行、おでかけ、レジャー(aumo、TABI LABOなど)音楽、映画、ドラマ、エンターテインメント(マイナタリー、映画.comなど)各種趣味(スポーツ、乗り物、カメラなど)、その他のジャンル・分野の情報・話題のまとめメディア
※4: 動画サービス(アプリ)の分類について
日テレTADA、ネットもテレ東、テレビ東京ビジネスオンデマンド、ニコニコ動画、ABEMA(アベマ)※旧AbemaTV、Amazon Prime Video、AppleTV、DAZN、dTV、FODフジテレビONE/TWO/NEXTsmart、Hulu、NETFLIX、NHKオンデマンド/NHKプラス、TBS FREE、TELASA、TVer、U-NEXT、YouTube有料、Disney+(ディズニープラス)、DMM TV、dアニメストア、WATCHA、その他の動画閲覧サービス
※5: 音声配信/ライブ配信サービスの分類について
YouTube(ライブ配信)、Instagram(ライブ配信)、X(旧Twitter)(ライブ配信)、Facebook(ライブ配信)、TikTok(ライブ配信)、ニコニコ生放送、LINE LVE、17LIVE、SHOWROOM、Pococha、ツイキャス、ふわっち、MixChannel、HAKUNA、Apple Podcasts、Google Podcasts、Clubhouse、Voicy、himalaya、stand.fm、Mirrativ、REALITY、その他の音声配信/ライブ配信サービス
■Data insight Lab.
過去の定点調査も掲載しております。(https://ddm.biz/report)
データドリブンな取り組みを推進するからこそ、市場の変化に対してアンテナが高いことは重要です。経験は、直感的な示唆をすばやく与えてくれる一方、些細な変化に対しては盲目になりがちです。デジタルシフトが進む現代において、新たなサービスは生まれ続け、ユーザーは世代ごとにそれらを使い分けています。消費者の行動変容に寄与する情報は一体何なのか?その在り方は刻々と変化を続けています。私たちは、そうした変化に向き合い続け、未来に仮説を持ち、挑戦的な取り組みを継続していきます。
■グリー株式会社 DX事業について
グリーのDX事業は、Glossomをはじめとする複数のグループ子会社により展開されています。データドリブンマーケティングを強みに、「DXで世の中を元気にする」というビジョンのもと、クライアント企業のDX支援に取り組んでいます。
■会社概要
会社名:Glossom株式会社
URL:https://www.glossom.co.jp/
代表者:代表取締役社長 足立 和久
設立:2007年3月15日
本社:東京都港区六本木6-11-1 六本木ヒルズゲートタワー
事業内容:DX支援事業、広告代理事業、マーケティングプロダクト事業
■本件に関するお問い合わせ先
Glossom広報担当:宮川(みやがわ)
TEL:03-5770-9547 E-mail : pr@glossom.co.jp
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