脂肪性肝炎に対する新薬開発に貢献する新たな3D細胞製品を開発

株式会社サイフューズ

 株式会社サイフューズ(本社:東京都港区、代表取締役:秋枝 静香)は、このたび、当社独自の基盤技術の拡張により、新たな3D細胞製品を開発し、市場へ投入することをお知らせいたします。

【開発背景と社会的課題】

 現代社会における生活習慣病の一つである脂肪性肝炎は、過食、肥満、慢性的な運動不足、糖尿病や脂質異常症などが原因で引き起こされ、国内の罹患者数は200 万~300 万人(脂肪肝は約2,000 万人)と推計されており、進行すると肝硬変や肝細胞がん等の重篤な疾患に至る危険性を有しています。さらに、全世界では成人人口の30%以上が罹患しているとも言われており、その有病率は肥満人口の増加とともに世界的に上昇の一途をたどっています。

 このような現状において、唯一の治療薬として2024 年3 月に米国で承認された「Rezdiffra(一般名:resmetirom)」があるものの、脂肪性肝炎に対する新薬開発は喫緊の課題となっています。新薬開発が難航する要因の一つとして、非臨床試験段階での適切な動物モデルの作製の困難さやヒトと動物の薬物応答性の相違等があり、ヒト細胞で構成された新しい評価ツールの開発の需要が高まっております。

【新製品と技術概要】

 このような社会的背景から、当社では、ヒト肝臓の機能の一部を体外で再現した「ヒト3D ミニ肝臓®」をアップデートし、脂肪肝(肝臓に脂肪が蓄積した状態)から病態が進行した脂肪性肝炎(脂肪肝が悪化し、炎症や線維化を引き起こした状態)に至るまでの様々な疾患状態を新たな3D 細胞製品として個別的に再現することに成功いたしました。

 本製品は、当社の基盤技術に加え、組織・臓器の機能を再現するための特殊な細胞培養技術、そして、均質な製品製造のための品質評価技術を重畳的に応用することで誕生した、新たな機能性細胞デバイス(Functional Cellular Device;FCD®)製品(※1)です。なお、2025 年3 月に開催されたAPPW2025(第130 回日本解剖学会・第102 回日本生理学会・第98 回日本薬理学会 合同大会)において、新技術の詳細について学術発表を行いました。

【今後の展開】

 今後は、本製品を脂肪性肝炎に対する治療薬開発に取り組む製薬企業等に提供するため、2025 年下期の販売開始に向けた準備として、バイオ3D プリンタやヒト3D ミニ肝臓®等の当社製品で実績のあるシスメックス株式会社をはじめとする販売提携パートナーとともに、第52 回日本毒性学会学術年会

(https://www.jsot2025.jp/)の企業展示等のマーケティング活動や製造・販売体制の整備を加速し、将来的には、本製品をはじめとするFCD 製品の早期の市場浸透と収益貢献を目指してまいります。

※1:機能性細胞デバイス(Functional Cellular Device;FCD®)

機能性細胞デバイス(FCD®)とは、当社の独自の基盤技術である「バイオ3D プリンティング」を用いて作製される3次元の細胞構造体であり、ヒト臓器の機能の一部を体外で再現する特性を有しています。従来の2 次元細胞培養では再現が難しかった生体内の複雑な環境や機能を三次元において再現することで、新薬開発における薬物応答性の評価や疾患メカニズムの解明等に貢献することが期待される新たな3D 細胞製品です。また、FCD®製品は、安定した品質と高いユーザビリティーを特徴としており、医薬品開発の時間・コスト削減、将来的には、現代の社会的課題である動物実験に対する代替法としての可能性を有する次世代の評価ツールとして期待されています。当社では、今後もFCD®の製品ラインナップを拡充し、社会的課題解決への貢献を目指してまいります。

イメージ図:脂肪性肝炎に対するFCD 製品
図:FCD 製品の今後の展開

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ビジネスカテゴリ
医薬・製薬
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会社概要

株式会社サイフューズ

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URL
https://www.cyfusebio.com/
業種
製造業
本社所在地
東京都港区三田3-5-27 住友不動産三田ツインビル西館1階
電話番号
03-6435-1885
代表者名
秋枝静香
上場
東証グロース
資本金
1億円
設立
2010年08月