織田コレクション『建築から生まれた椅子展』滋賀県初展示|4月19日まで開催
世界的に評価の高い椅子のコレクションを滋賀で初展示。名作と名高い椅子をご覧いただけます
「建築から生まれた椅子展全国キャラバン実行委員会」は、2025年1月20日(月)より、滋賀県高島市のモデルハウス「THE ART HOUSE」(SAWAMURA-株式会社澤村-|滋賀県高島市勝野)にて、世界的に評価の高い「織田コレクション」を滋賀県で初めて展示する『建築から生まれた椅子展』を開催します。本展では、建築家やインダストリアルデザイナーによる名作椅子を展示し、デザインと暮らしの関係をひも解きます。入場無料で、4月19日(土)まで開催。

本展の特徴のひとつは、実際の暮らしを想定したモデルハウスで展示を行うことです。建築と家具が一体となった空間に足を踏み入れることで、椅子そのものが持つデザイン性や機能美だけでなく、日常生活に溶け込む魅力を体感していただけます。
美しく機能的なデザインが、どのように日常の一部となりうるのか。日常にデザインの美を取り入れるヒントを、この空間で見つけてみませんか?
開催期間|2025年1月20日(月)~2025年4月19日(土)
開催場所|THE ART HOUSE(SAWAMURA モデルハウス)滋賀県高島市勝野1108番地3
入場料金|無料
H P |https://sawamura-architect.jp/event/10136/
主催|建築から生まれた椅子展全国キャラバン実行委員会
協力|写真文化首都「写真の町」東川町、織田コレクション協力会、旭川家具工業協同組合
|人々の暮らしそのものを形作る挑戦
"名作"と呼ばれる椅子の中には、建築家によってデザインされたものが多くあります。
かつて家具デザイナーが存在しなかった時代、インテリアは建築の一部という考え方が一般的でした。建築家は、建築デザインの一環として、家具や照明、壁紙やカーテンなどのテキスタイル、さらには時計やカトラリーといったプロダクトに至るまでをトータルにデザインし、生活空間を丸ごとプロデュースしました。
中でも、彼らが手がけた椅子は、建築の延長線上に位置し、建物に込められた美意識や機能性、そして時代の特徴を見事に表現しています。これらの作品は、革新的で独自性に富み、彫刻作品に匹敵する存在感を持ちながら、空間全体と調和する協調性も備えています。そのため、特定の建築物を離れた後でもその魅力が色あせることなく、現代のライフスタイルにおいても空間の質を高める重要な要素として愛され続けています。
本展では、織田コレクションより、建築家とインダストリアルデザイナーがデザインした椅子をご紹介します。空間や生活の細部にまで心を配りながら、単なる物のデザインを超えて、人々の暮らしそのものを形作る挑戦をした軌跡をご覧いただけます。

|織田コレクションとは?
椅子研究家の織田憲嗣氏が長年かけて収集、研究してきた20世紀のすぐれたデザインの家具と日用品のコレクション。北欧を中心とした椅子やテーブル、照明、食器など多様なデザインアイテムを収集。
さらに写真や図面、文献などの資料を含め系統立てて集積されており、近代デザイン史の変遷を俯瞰できる学術的にも貴重なコレクションで、世界的に評価されています。北海道の東川町複合交流施設「せんとぴゅあ」にて常設展示されています。
本展では、この貴重なコレクションが滋賀県で初めて展示されます。
注目の展示
ココナッツチェア_ジョージ・ネルソン George Nelson
モダンデザインの傑作とも言われる“ココナッツチェア”。特徴的な椅子の形状はココナッツの塊からヒントを得たようで、ココナッツを8当分したうちの1つのかけらのようなデザインになっています。背もたれの部分だけ両サイドよりも少し長くなっており、背をしっかりと支えることで快適性を生み出しています。

アームチェア_オーレ・ヴァンシャー Ole Wanscher
このアームチェアは、ウィーン郵便貯金局の会議室のためにデザインされたものです。この貯金局では役職ごとに椅子のデザインを変えていました。椅子を見ればその役職が分かるという、椅子の持つ精神的な意味「地位を表す」を具現化した世界初の例です。椅子の背から肘へ、さらに前脚へと続くラインは1本の曲木で生み出されたものであり、世界で初めてのデザインとなっています。

ラウンジチェア JH_ハンス・ヨルゲンセン・ウェグナー Hans Jørgensen Wegner / ヨハネス・ハンセン Johannes Hansen
デンマークの家具デザイナー、エリック・クローが1981年に書いた『The chair in the space,The space in the chair』という本があります。この本では、空間における椅子の存在と、椅子のもつ空間的広がりについて述べられています。この考え方は、これまでにないユニークなものでした。椅子の下部から上部、後方から前方へとそれぞれ広い角度を持っており、パースペクティヴを感じさせ、この椅子を実際の大きさ以上に大きく見せているのです。

アームチェア_ フィン・ユール Finn Juhl
家具の彫刻家と称されたフィン・ユール。彼のデザインする椅子は、流れるような曲線が特徴的でまるで彫刻作品のようにも思えます。この作品は、デンマークのビング&グリュンダール社製陶所のショールームでも使用され、後にニューヨーク近代美術館にも収蔵されました。どの角度から見ても隙のない上品な作品です。

ワシリーチェア (茶)_マルセル・ブロイヤー Marcel Breuer
ワシリーチェアは、スチールパイプを使用した世界最初の椅子で、モダニズムデザインの先駆けとなった名作椅子です。革新的なアイデアのヒントは、ブロイヤーが手に入れた、アドラー社の自転車用ハンドルでした。しかし当時はパイプを曲げる技術が確立されていなかったため、苦労の末に誕生しました。曲げ加工したスチールパイプをフレームとし、背、座、肘かけに革を張るだけのシンプルかつ無駄のないデザインは、座ると体が浮いているような心地よさが感じられます。ブロイヤーはこの時期に鋼管を使用した家具を数多くデザインしており、家具の素材として鋼管を使用したパイオニアです。

|展示作品一覧
『建築から生まれた椅子展』in滋賀県高島市 展示作品紹介















トークイベント
『織田憲嗣氏が語る、美しい椅子と空間の物語』
「美しい日用品は民度の高い国民を生み、民度の高い国民は美しい日用品を生み出します。
いいものは私たちの振る舞いを決定付けます。つまり、ものは生き方を決定付けるものです。」
椅子研究家・織田氏が提唱するこの理念を出発点に、「日常を美しく生きる」をテーマとしたトークイベントを2025年1月30日に開催いたしました。

イベントでは、織田先生をはじめ、SAWAMURA代表取締役の澤村氏、そしてSAWAMURAトップコーディネーターの岡田氏が登壇。
本イベントでは、単なる家具の選定ではなく、「良いものを長く使い、愛着を持って暮らす」ことの大切さが語られました。
織田先生は自身のコレクションを例に、本質的な価値を見極める重要性を強調。また、美しいデザインの椅子には「座る人の振る舞いを整える力がある」と述べ、使い手がそのデザインを尊重し、丁寧に暮らすことで、より豊かな生活につながると語りました。
さらに、住宅におけるインテリアの役割についても議論が交わされ、良質なデザインは単に機能性だけではなく、文化的な価値を持ち、長い年月にわたって愛されるべきものであるとの見解が示されました。

最後に織田先生は「手間を惜しまず、日々の暮らしを丁寧に営むことこそが、真の豊かさにつながる」と締めくくり、本イベントを通じて、デザインと暮らしの在り方を改めて考える貴重な機会となりました。
スペシャルトークセッションの様子は、下記YouTubeからご覧いただけます。
|展示モデルハウス 「THE ART HOUSE」

SAWAMURA(株式会社澤村)(代表取締役:澤村 幸一郎、本社:滋賀県高島市)が手掛けるフラッグシップモデルハウス「THE ART HOUSE」。このモデルハウスのコンセプトは、『淡々と過ぎていく「生活」を、ゆたかな「暮らし」に昇華する。』その名の通り、アートと暮らしを融合させた新しいライフスタイルを提案しています。
美術館で距離を置いて鑑賞されるアートとは異なり、「THE ART HOUSE」では『日常の中にアートがある』という点が大きな特徴です。ここでは、単調に感じがちな日常生活にアートを取り入れることで、暮らしをより豊かに彩るアイデアを体感できます。日本テレビの番組『THE ART HOUSE』に出演した注目のアーティストによる作品が展示されており、アートはもちろんのこと、インテリアや照明に至るまで暮らしを豊かにするヒントが随所にあふれています。

本展では、織田コレクションの椅子が展示され、空間の魅力をさらに引き立てています。
みなさまのご来場をお待ちしております。
株式会社澤村 会社概要
代表:代表取締役 澤村 幸一郎
本社:〒520-1121 滋賀県高島市勝野1108番地3
創業:1950年12月
資本金:50,000,000円(グループ全体)
従業員:178名(グループ全体)2025年2月時点
滋賀・京都・福井エリアを中心に、新築注文住宅・リノベーションからオフィス・工場・店舗・公共施設の建築、土木にいたるまで、ワンストップで課題を解決する1950年創業の総合建設会社。観光名所「びわ湖テラス」の施工も手がける。地域マルシェやブランディングセミナーの開催など地方が活性化するきっかけづくりにも取り組む。
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