近年増加する“道路陥没”の一因となる下水道の異常 ソニー損保が都道府県ごとにまとめた下水道の異常マップを公開 管きょ異常km1位・マンホール異常数3位と新潟県が異常数上位に
〜下水道の異常や液状化による被害は保険の対象?〜
ソニー損害保険株式会社(代表取締役社長:坪田 博行、本社:東京都大田区、以下「ソニー損保」)では、火災保険や地震保険についてより多くの方に知ってもらうために、さまざまな情報発信を行っております。
今年1月28日に埼玉県で発生したトラック転落事故をはじめ、道路陥没が全国で多発しており、その一因として、マンホール内部や管きょ(水を運搬・供給するための管や水路)のひび割れといった下水道の老朽化や地震による液状化が指摘されています。この度ソニー損保では、「マンホール」と「管きょ」の異常数を都道府県別で集計した『都道府県別 マンホール・管きょ 異常数マップ』を公開いたします。また万が一の事態に備えるための火災保険・地震保険の補償内容について改めてご紹介します。

近年道路陥没が“増加傾向”に、2022年度は1万件以上発生
国土交通省が公開している、最新の道路の陥没発生件数(※1)によると、2020年度は9,124件、2021年度は9,967件、そして2022年度は1万548件と陥没発生件数が年々増加の一途を辿っていることが明らかになっています。私たちの生活基盤を支える下水道は、目に見えないところで老朽化が進んでおり、予期せぬ道路陥没のリスクの一因となっています。

※1 国土交通省「道路の陥没発生件数とその要因(令和4年度)」
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/ijikanri/pdf/r2-r4kanbotu.pdf
「下水道の破損」や「液状化」が道路陥没の一因に
道路陥没の原因の1つとして、「老朽化や異常のある下水道管」が挙げられます。国土交通省の調査(※1)によると、2022年度に発生した道路陥没1万548件のうち、約13%が下水道設備に起因することが明らかになっています。また、同省が公開する同年度のマンホールと管きょの点検結果からは、点検箇所の約1割に異常が確認されています(※2)。
また別の原因として「地震による液状化現象」も挙げられます。液状化により、地盤の支持力が低下し、道路が沈下したり、陥没したりするリスクが高まります。

液状化現象とは
地震の強い揺れにより、水分を多く含んだ砂地盤において、砂の粒子間の結合が失われ、地盤全体が液体状になる現象です。地盤の支持力が著しく低下し、埋設されたマンホールや下水道管などの構造物が浮き上がったり、傾いたりする力が働き、周辺の道路を陥没させる可能性があります。特に、過去の地震災害では、埋立地や旧河川跡などの軟弱な地盤で液状化による道路の被害が多数報告されています。(※3)

※1 国土交通省「道路の陥没発生件数とその要因(令和4年度)」
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/ijikanri/pdf/r2-r4kanbotu.pdf
※2 国土交通省「令和5年度下水道管路メンテナンス年報(概要)」
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/content/001769331.pdf
※3 東京都「液状化現象って何?」
https://kenchiku-ekijoka.metro.tokyo.lg.jp/about.html
都道府県別 マンホール・管きょ異常数 TOP10

2023年度のマンホールと管きょの点検結果(※4)の異常数をランキング化すると、「マンホール異常数 TOP10」では1位東京都(417件)、2位長野県(150件)、3位新潟県(147件)、4位茨城県(129件)、5位群馬県(109件)が上位にランクイン。特に東京都の異常数が際立っており、これは下水道網の規模が非常に大きいことや、地盤沈下の影響等が考えられます。
一方、「管きょ異常km TOP10」についてみると、1位新潟県(15.5km)、2位熊本県(7.2km)、3位鹿児島県(6.9km)、4位栃木県(6.0km)、5位茨城県(5.2km)が上位にランクインしました。特に1位の新潟県はマンホール異常数でも3位となっており、背景には地盤の特性やインフラの老朽化・耐震化の課題等があると考えられます。さらに、過去の地震時には液状化によりマンホールや管きょが大きな被害を受けたことも報告されており、加えて豪雨の影響等も考えられます。
※異常数は点検の実施件数に影響を受けるため、異常数が多い都道府県が必ずしも他の地域より高いリスクを抱えているとは限りません。

※4 国土交通省「下水道管路メンテナンス年報」
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/content/001769143.pdf
※5 新潟地方気象台「平成16年(2004年)新潟県中越地震」
https://www.data.jma.go.jp/niigata/menu/2024project/chuetsu_main.html
※6 新潟県「令和4年8月3日からの大雨による被害状況」
https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/338857.pdf
居住地の地震リスクを知る方法
市区町村の防災ページには、各種ハザードマップが公表されているので確認しましょう。国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」内の「わがまちハザードマップ」(※7)にも、市区町村が公開している地盤被害(液状化)マップが公表されています。地盤被害以外にも、震度被害や建物被害、火災被害などさまざまなマップが確認できます。
また、「地震被害想定調査結果等の一覧」(※8)には、各都道府県が実施した地震被害想定調査の結果がまとめられています。居住地の地震リスクを確認して、地震保険の補償内容の確認をはじめ、被災時に必要な準備を進めておきましょう。地震保険は液状化のみならず、地震の揺れによる損害や、地震が原因で起きた火災による損害、津波による損害もカバーできます。実際に地震が起きて自宅が被害を受けたときは、地震保険でさまざまな地震等による損害の補償を受けられることを知っておくと安心です。

※7 国土交通省「ハザードマップポータルサイト」
https://disaportal.gsi.go.jp/index.html
※8 国土交通省「地震被害想定調査結果等の一覧」
https://www.mlit.go.jp/toshi/content/001378041.pdf
液状化や下水道の異常による被害は保険の対象?
火災保険は、火災だけでなく、風災、水災、雪災などの自然災害による損害を補償しますが、地震による損害は一般的に火災保険の補償対象外のため、「地震保険」で備える必要があります。地震保険では、地震や噴火、またはこれらによる津波を原因とする火災、損壊、埋没、流失による建物の損害や、家財の損害が補償されます。
「地震による液状化」によって住宅が傾いたり、沈下した場合も、地震保険の補償対象となります。液状化による被害を受けたら、損保会社に連絡して損害調査を受けます。液状化による損害調査では、傾斜または最大沈下量の程度により、「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4区分に当てはめられて保険金が支払われます。損害の程度が「一部損」に至らない場合、保険金は支払われません。


一方で、下水道管の老朽化が原因の地盤沈下は原則として火災保険の補償対象外となります。
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