Smokey Mountain Baseball Project 2025家族を支えるために野球を続ける子どもたち

～小笠原道大氏らと共に体感した、スラムの子どもたちの底力～

一般社団法人NB.ACADEMY

2025年6月12日 10時30分

一般社団法人NB.ACADEMY（本社：東京都渋谷区、代表理事：柴田章吾、以下「当社」）は、2025年5月23日（金）～25日（日）、フィリピンのRizal Memorial Baseball Stadiumにて、野球を通じた進学支援プロジェクト「SMBP 2025（Smokey Mountain Baseball Project）」を開催しました。今年で14年目となるこの取り組みには、日本プロ野球名球会から元プロ野球選手の小笠原道大氏も参加し、スラムの子どもたちに熱心な指導を行いました。

フィリピン・マニラのスラム街「スモーキーマウンテン」で展開されている「Smokey Mountain Baseball Project（SMBP）」は、社会的に困難な環境にある子どもたちに野球を教え、高校・大学進学に向けた奨学金獲得を支援する活動です。本プロジェクトは2012年にスタートして以来、元プロ野球選手や日本人ボランティアによる現地訪問・野球教室・交流会を行っており、2025年で14年目を迎えます。

このプロジェクトの大きな特長は、“野球”というスポーツを通じてスラム街の子どもたちに自信や夢を与えるとともに、学びの機会へとつなげている点にあります。

日本からは約40名のボランティア、そして元プロ野球選手として小笠原道大氏や梶谷隆幸氏、さらには元野球少年であり、YouTube登録者数58万人、旅系YouTuberのマンペー（EXIT JACK）氏が現地参加。

ANA様、ミズノ様、三井住友銀行様をはじめ、10社の寄付協賛企業のご支援と、SNS総フォロワー約120万人、人力車で世界を巡りながら子どもたちを支援するガンプ鈴木氏からも、ランイベントで集まった費用をご寄付いただくなど、様々な交流が実現されました。（彼らのSNSでもイベントの様子がアップされます。）

発足当初はJCI東京とJCI Manilaの共催、名球会が協力という形で始まり、JCI会員のみで行われるクローズドなボランティア活動でした。コロナ渦をキッカケに継続開催が困難な状況となったこと、10年という節目の年に、活動自体の成長と変化を求め、当時フィリピンで野球振興活動をしていた代表・柴田へ相談があり、本プロジェクトをJCI東京から正式に弊社へ移譲することが決まりました。

2023年から、JCIマニラと協力した新体制となり、誰でも参加できるオープンなボランティア企画として継続実施しております。

これまでに111人（2025年1月時点）のSMBP卒業生が奨学金を獲得し、高校・大学に進学することができており、彼らの実績やチャレンジは、同じスラム街に暮らす子どもたちへ大きな希望と勇気をもたらしています。今後も協賛企業等との連携を強化し、スポーツを支援の起点とした地域社会の発展、そして子どもたちの夢を応援しています。

全日本空輸株式会社：市野研哉氏コメント

うだるような暑さの中、球場の子どもたちは笑顔で野球を楽しみ、汗を流していました。元プロ野球選手からの熱心な指導に耳を傾け、多くを学ぼうと努力する姿は印象的でした。このような尊い取り組みを支援できることを光栄に思います。今後も、子どもたちの未来を育む貴重な活動を応援していきます。

JCI Manila：Bobbit氏コメント

スモーキーマウンテン・ベースボール・プロジェクト（SMBP）は、2012年にJCI東京との協力のもとスタートし、以来、私たちJCIマニラにとって象徴的な取り組みとなっています。JCI東京の継続的な支援があったからこそ、ここまで発展することができました。このプログラムを通じて、多くの子どもたちが野球に出会い、技術だけでなく、規律や努力の大切さを学び、さらには奨学金を得て大学進学を果たすなど、夢を実現しています。SMBPは、スポーツの力で子どもたちの人生を前向きに変えていく、私たちの誇りあるプロジェクトです。

JCI東京OB（発起人）・岩瀬コスファ株式会社：代表取締役岩瀬由典氏コメント

2012年2月、JCI Manilaの友人から「スラムで暮らす子どもたちにスポーツを教えてほしい」と依頼を受け、すぐにフィリピンへ視察に向かいました。案内された「フィールド・オブ・ドリームス」というスラム街にある球場は、屋根もなくゴミやガラス片が散乱する劣悪な環境。裸足で行う柔道や剣道は断念し、「野球」を選択しましたが、私は未経験で野球人脈もゼロ。草野球からアプローチをはじめましたが、名球会に訪問したところ、王貞治会長のご厚意で北別府学さんと駒田徳広さんの派遣が決定。こうしてSMBPの初回が2012年8月に開催されました。

当時、スモーキーマウンテン地域から大学進学した子どもはわずか1人。多くは2歳頃からゴミ拾いをし、学校に通う機会もなく育っていました。そんな中、野球を通じたこのプロジェクトが話題となり、周辺の学校に野球部が次々と創設。野球部に入ることを条件に無償で入学・授業料免除を受けられる仕組みが整い、地域や企業からの寄付も集まりました。

あれから14年、SMBP卒業生は、大学奨学金獲得者111人、進学としては高校生400人、中学生2,000人、小学生5,000人へと拡大。都市の発展も相まって、子どもたちが未来に希望を持てる社会へと変化しつつあります。事業移管後も多くのスポンサーや野球関係者が賛同し、子どもたちが学校へ通うきっかけが生まれ、その流れが今も少しずつ太くなっていることは、当初夢にも思いませんでした。すべては「子どもたちの笑顔のために」――この思いがプロジェクトの原点です。

スラム街の子どもたちに夢の続きを

弊社では、どんな環境に置かれても夢や目標を持つことで困難を乗り越えてほしいという想いから、2024年に「アジア甲子園大会」を立ち上げ、今年12月14~20日（仮）に、第2回大会＠ジャカルタの開催を予定しています。近い将来、フィリピンのスラム街で育つ彼らもこの大会に出場することで、さらに大きな夢や目標に向かって歩み出すきっかけになると信じています。

ただ、彼らが参加するためには旅費・滞在費などの支援が必要不可欠です。すでに優勝を狙えるレベルにある彼らが、ピッチに立ち、スカウトの目に留まることで、日本の高校・大学への進学、さらにはプロ野球選手への道も現実味を帯びてきます。

私たちは今後、このような子どもたちの挑戦を共に支えてくださる企業・団体・個人のパートナーを募集しています。夢に挑む子どもたちの未来を、皆さまと共に育んでいければ幸いです。

共催団体・寄付協賛企業一覧

共催団体概要

会社名：JCI Manila（Junior Chamber International Manila）

所在地：Grey St., Ermita, Manila, 1000 Metro Manila, Philippines

設立：1947年

会社HP：https://jcimanila.org/

JCIは（Junior Chamber Internationalの略で、国際青年会議所とも呼ばれる）、1915年にアメリカで発足し、現在では112カ国に27万人以上のメンバーを擁する国際的な組織です。世界各地の青年たちが連携し、社会貢献やリーダーシップ育成を目指すことを目的としています。JCI Manilaは、18歳から40歳までの若きリーダーたちが集い、地域社会・国家・そして世界の発展に寄与することを目的としたフィリピン最古のJCIローカル組織です。“Leaders Creating Positive Change（ポジティブな変化を生み出すリーダー）”をビジョンに掲げ、社会貢献、リーダーシップ育成、ビジネス支援、国際交流の4つの柱で活動しています。