海外文学では異例の24万部突破! 超大ヒット『帰ってきたヒトラー』
映画も大ヒット公開中!
ドイツ250万部、42言語に翻訳された世界的ベストセラー『帰ってきたヒトラー』。映画公開に合わせて文庫が発売になり、6月3日には17万部を突破していたが、この度、文庫化3ヶ月で日本での累計発行部数(単行本含む)が24万部を突破した。通常1万部を超えれば大ヒットと言われる海外文学市場では異例の超大ヒット。現在もますます売れを伸ばしている。
物語は1945年に自殺したはずのアドルフ・ヒトラーが、2011年のベルリンの空き地で目を覚ますところから始まる。人々が誰も自分に気づかないことを不思議に思ったヒトラーは情報を得るために立ち寄ったキヨスクで、自分が2011年にいると気付き、ショックのあまり倒れてしまう。キヨスクの店主はヒトラーを見て「ヒトラーそっくりの役者かコメディアン」だと思い込み、テレビ番組制作会社に紹介。コメディアンとしてトーク番組に出演することになる。その番組でトルコ人を罵倒した演説がYouTubeにアップロードされ、なんと70万回再生される。彼はドイツ国内でモノマネ芸人として大ブレイクを果たしてしまうのだ。
彼自身は生前(?)と全く変わることのない主張を続けるのだが、受け手である現代人たちが「高度なモノマネだ」と思い込むことで延々とすれ違ってしまう。その主張も移民排斥など、危険思想っぷりは当時と変わらないのだが、現状に不満のある現代人の心にするりと入りこみ、頼りになるのではないか、と期待されるまでになってゆく。
昨今、従来ではあまり聞くことがなかった──強いリーダーが各国で選ばれる、民族主義者の増加、ヘイトスピーチ、続発するテロなど──ニュースが多く耳に届くが、まるでそれを予言していたような内容に驚かされるはずだ。
現在日本でも公開中の映画「帰ってきたヒトラー」では原作の3年後・2014年を舞台とし、原作が書かれた当時よりもさらに深刻化した難民問題や世代間格差問題などを盛り込み、ますます強くヒトラーが求められる世界を描いている。また映画内には『帰ってきたヒトラー』という本そのものが重要な役割を果たすのも、見どころのひとつ。ぜひ原作とともに楽しんでほしい。
本作の解説は【web河出】でも読めます。
「本書をより美味しく召し上がっていただくために」
『帰ってきたヒトラー』、文庫解説を特別公開。マライ・メントライン著
http://web.kawade.co.jp/bunko/570/
【書誌情報】
ティムール・ヴェルメシュ 森内薫訳『帰ってきたヒトラー 上』
ISBN 9784309464220 本体640円(税別)
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309464220/
ティムール・ヴェルメシュ 森内薫訳『帰ってきたヒトラー 下』
ISBN 9784309464237 本体640円(税別)
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309464237/
映画公式サイト
http://gaga.ne.jp/hitlerisback/
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