人的資本開示義務化1年後の調査結果発表 約80%の上場企業が人的資本情報を開示 解決すべき課題のNo.1は「どの情報を管理すべきか決められないこと」

オデッセイ

人事領域に特化したITコンサルティング事業を手掛ける株式会社オデッセイ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:秋葉 尊、以下オデッセイ)は、全国の従業員1000名以上もしくは年商500億円以上の企業の人事関係者、経営企画関係者500名に対し「人的資本情報の可視化・開示の取り組み状況に関する調査」を実施いたしましたので発表いたします。

有価証券報告書への人的資本情報の開示が義務化されて1年、企業の人的資本情報の可視化や開示の状況はどこまで進み、またどのような課題を抱えているのでしょうか?今回オデッセイでは、人的資本情報について開示、可視化、管理、活用等多面的な調査を実施いたしました。その結果、投資家をはじめとしたステークホルダーからの注目度が高まっている人的資本情報の管理や開示に関する日本企業の苦労や、今後の課題が見えてきました。

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【人的資本情報の可視化・開示の取り組み状況に関する調査概要】

調査方法: WEBアンケート形式

調査地域: 全国

調査期間: 2024年4月24日(水)~2024年4月25日(木)

調査対象: 全国の従業員数1000以上もしくは、年商500億円以上の企業で働く、人事関係者、

      経営企画関係者500人

本リリースに関する内容をご掲載の際は、必ず「㈱オデッセイ調べ」と明記してください。

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                   調査結果概要

①  ≪開示の状況≫人的資本情報を開示している企業は約6割(58%)に上るが、約2割

  (21%)は義務化された項目の開示に留まっている。有価証券報告書には記載はしている

  が、手間がかかっていると感じている上場企業が半数以上(56%)ある。

   人的資本情報を社外に開示していない企業も全体で42%、上場企業でも22%あり、企業に 

  よる取り組みの違いが見受けられる。非上場企業も60%が人的資本情報を管理し、30%が開

  示もしている。非上場企業においても人的資本に関する意識の高さがわかる。  

   有価証券報告書には、上場企業の8割近く(79%)が人的資本情報を記載しているが、過 

  半数(56%)の企業は手間がかかると感じている。有価証券報告書への記載を効率化するこ

  とが次の課題になりそうだ。

②  ≪管理レベル≫独自に重要指標を設定し指標化/管理している企業は3割(30%)に留まる。

  ISO等のガイドラインを参考に指標化/管理している企業が約2割(21%)あり、国際規格を

  ベースに人的資本に関する自社の状態を把握しようとしている企業が一定数あることが

     わかる。

   上場企業に限定すると独自の重要指標を設定して指標化/管理している企業が4割弱

  (37%)、ISO等を参考に指標化/管理している企業も24%と増えるが傾向として大差は

  ない。

③   ≪参考指標≫ISO30414を参考にしている、もしくは参考にしたいと思っている企業は60%

  以上に上る

   上場企業に限定すれば70%以上が参考にしようとしており、大きな信頼が寄せられている

  ことがわかる。

   

④   ≪可視化≫人的資本情報を可視化できている企業は6割ほど(58%)あるが、その半数以上

  (30%)は可視化に手間がかかっていると回答している。

   上場企業では可視化している割合が約70%に上る。しかし、その約半分はデータ連携や集

  計に手間がかかっている状況。可視化に手間がかかっているのは上場企業も同様のようだ。

  有価証券報告書への記載とともに可視化作業の簡略化も次の課題になりそうだ。

  

⑤   ≪課題≫人的資本情報の開示や活用を進めていくうえで解決すべき課題は「どの人的資本情報

  を管理して開示すべきか決められないこと」。上場企業の30%が課題視しており最多。

   2番目に解決すべき課題は「情報システム等情報を収集・加工する仕組みがない、不十分な

  こと」と上場企業の25%が回答。基本的な部分を課題視している上場企業が多いことが

  わかる。

  

⑥   ≪必要な仕組み≫人的資本経営を実現するうえで今後必要な仕組みは「タレントマネジメント

  システムの改善/新規導入」。30%以上の企業が回答しており最も多い。

   上場企業に限定しても、タレントマネジメントシステムの改善/新規導入の回答が40%以上

  あり最も多い。2番目も「人事システムの強化」が上がっており、人事情報システムの強化/

  充実が必要と考えている企業が多い。

  

⑦   ≪経営効果の検証≫人的資本情報を開示・活用したことによる経営上の効果については、開示

  企業の80%以上が財務情報を使って確認している、もしくは確認したいと思っている

   開示している上場企業に絞れば、既に40%以上の企業が財務情報を使って経営効果を確認

  しており、確認したいがまだ出来ていない企業も40%あることから、人的資本情報の開示/活

  用による経営上の効果を財務情報で検証する企業のニーズが今後高まっていくことが予想

  される。

1.≪開示の状況≫人的資本情報を開示している企業は約6割(58%)に上るが、約2割(21%)は

  義務化された項目の開示に留まっている。有価証券報告書には記載はしているが、手間がかかって

  いると感じている上場企業が半数以上(56%)ある。

   2023年3月の決算から有価証券報告書への人的資本情報の記載が義務化されて1年が経過した

  ため、各社の開示の状況について確認した。上場企業では78%、非上場企業も30%の企業が社外

  に開示している(全体で58%)。しかし上場企業においても、有価証券報告書への記載が義務化さ

  れている項目以外も開示している企業は52%に留まっており、自社の方針に基づいた情報開示はこ

  れから進むものとみられる。一方非上場企業でも開示している企業が30%あり、人的資本情報の管

  理もしている企業は60%となった。非上場企業においても人的資本への取り組みが進んでいること

  がわかる。

   また、有価証券報告書への人的資本情報の記載については、義務化されていることもあり、上場 

  企業の約8割(79%)が記載している。ただ、複数のシステムから取得して手作業で集計したり、

  エクセル等で個別に管理している情報をとりまとめて作成しているため手間がかかっているとの回

  答も約半数(49%)あった。記載義務化情報を効率的に作成し掲載する仕組み作りが必要になり

  そうだ。

2.≪管理レベル≫独自に重要指標を設定し指標化/管理している企業は30%に留まる。ISO等のガイ

  ドラインを参考に指標化/管理している企業が約2割(21%)あり、国際規格をベースに人的資本

  に関する自社の状態を把握しようとしている企業が一定数あることがわかる。

   当然ながら人的資本情報は開示することが目的ではなく、管理/活用していく必要がある。ここ 

  では、各社が独自の重要指標を設定し指標化したうえで管理できているか、人的資本情報の管理レ

  ベルを確認した。

   その結果、独自の重要指標を設定し、指標化/管理している企業は、全体で30%、上場企業に限

  定しても37%とそれほど高くなかった。後述の質問において人的資本情報を開示/活用していく上 

  での課題として「どの人的資本情報を管理/開示すべきかわからないこと」が最も多く上げられて

  いることもあり、全体的にまだ模索中のようだ。一方で、ISO等標準的なガイドラインを参考に指

  標化/管理している企業が全体で21%、上場企業で24%あり、まず、標準的なガイドラインに沿っ

  て自社の状態を把握し、その後独自の重要指標を設定して指標化/管理しようとしている企業が続

  いている。独自の重要指標を設定し指標化/管理していく企業は、これから増えていくことになり

  そうだ。

3.≪参考指標≫ISO30414を参考にしている、もしくは参考にしたいと思っている企業は60%以上

  に上る。

   国際規格であるISO30414を参考指標としているか確認した。企業全体では6割以上(62%)が

  参考にしている、もしくは参考にしたいとの回答、上場企業に限定すれば、それが7割以上

  (71%)となり、ISO30414を信頼する企業は多い。独自の重要指標の設定が進まない企業は、

  信頼性の高いISO30414の項目を参考にまず自社の状況を把握するところからスタートする選択肢

  も考えられる。

4.≪可視化≫人的資本情報を可視化できている企業は6割ほど(58%)あるが、その半数以上

  (30%)は可視化に手間がかかっていると回答している。

   活用の一環として人的資本情報の可視化の状況について確認した。適時可視化できている企業は

  全体で28%、上場企業に限定しても37%に留まっている。また、可視化はできているが手間と時

  間がかかると回答した企業の割合が多い。(全体で30%、上場企業で34%)。人的資本情報は管

  理しているが、可視化できていない企業も一定数あり(全体16%、上場企業11%)、可視化にか

  かる手間が可視化を遅らせている可能性もある。簡単に可視化できる仕組み作りが求められる。

5.≪課題≫人的資本情報の開示や活用を進めていくうえで解決すべき課題は「どの人的資本情報を管

  理して開示すべきか決められないこと」。上場企業の30%が課題視しており最多。

   今後人的資本情報の開示や活用を進めていくうえでの課題を確認した。まず、企業全体では、

  「特に課題は無い」と回答した企業は34%、上場企業でも更に少ない29%になっていることか

  ら、多くの企業が人的資本情報の開示や活用を進めていくうえで課題を抱えていることがわかる。

  上場企業が抱える具体的な課題については、「自社としてどの人的資本情報を管理して開示すべき

  か決められないこと」が一番多く上場企業の30%が挙げている。続いて「情報システム等情報を

  収集・加工する仕組みが無い、もしくは不十分なこと」挙げられており、人的資本情報を管理する

  基準や、管理、活用するインフラといった基本的な部分を課題視していることがわかる。

6.≪必要な仕組み≫人的資本経営を実現するうえで今後必要な仕組みは「タレントマネジメントシス

  テムの改善/新規導入」。30%以上の企業が回答しており最も多い。

   次に人的資本経営を実現するうえで必要な仕組み(現在実現できていないもの)を確認した。

   タレントマネジメントの改善/新規導入の回答が多く、特に上場企業では、40%以上となった。続 

  いて、人事管理システムの強化が挙がっており、「人的資本情報を収集・加工する仕組みがない、

  もしくは不十分」という前述の課題に対応する結果となった。上場企業において、有価証券報告書

  への開示について記載はしているが手間がかかるとの回答が多かったこともあり、「有価証券報告

  への記載事項が自動出力できる仕組み」を選ぶ上場企業も80社あり、27%となった。

7.≪経営効果の検証≫人的資本情報を開示・活用したことによる経営上の効果については、開示企業

  の80%以上が財務情報を使って確認している、もしくは確認したいと思っている

   人的資本情報を開示・活用したことによる経営効果の確認状況を調べてみた。財務情報を使って

  確認している上場企業が既に43%あった。さらに財務情報で確認したいと思っているがまだできて

  いない上場企業も40%あることから、人的資本経営の経営効果を財務情報で確認するニーズが非常

  に高いことがわかった。

<本調査にて確認できた課題とニーズ>

①   有価証券報告書へ人的資本情報を開示する作業の効率化

  約8割の上場企業が人的資本情報を有価証券報告に掲載はしているが、掲載に手間がかかっている

  と回答した企業が過半数もあるため、開示作業を効率化するニーズは高い。

②   管理/開示すべき人的資本情報を決めかねている企業にはISO40414の活用がヒントになる

  管理/開示すべき人的資本情報が決められないと停滞している企業は、ISO30414の管理項目をベー

  スにスタートさせる方法も考えられる。ISO30414に対する信用は高く、ISO30414等の標準ガイ

  ドラインをベースに人的資本情報の管理をはじめている企業も一定数ある。

③  人的資本情報の可視化プロセスの効率化

  人的資本情報を活用するために何らかの形で可視化できている企業は6割近くあるが、手間をかけ

  て実現している企業が多く、簡単に可視化する仕組みが必要

④   タレントマネジメント等人的資本情報を収集、加工できる情報基盤の整備

  情報システム等人的資本情報を収集/加工する仕組みが無い、不十分であることを課題視する上場

  企業が多い事もあり、今後必要とされる仕組みとして、タレントマネジメントの導入や人事システ

  ムの強化が挙げられている。

⑤   経営効果を財務情報で確認するニーズが高い

  人的資本情報を管理/開示することによる経営効果を財務情報で確認している、もしくは確認しよ

  うとしている上場企業が8割以上に上り、財務情報による経営効果の確認についてはニーズが

  高い。

<上記ニーズや課題に対する弊社の対応>

 オデッセイでは、2022年よりSAP SuccessFactorsを活用した「Ulysses 人的資本ダッシュボード®」を提供しております。このダッシュボードの特長は以下の3点です。

①   ISO30414の11領域の項目をモニタリングできるように設定済み

 ・データを投入するだけで、簡単に人的資本情報の可視化が可能です。

 ・ISO30414の項目に沿って自社の人的資本に関する状態をチェックすることができるので、独自の

  管理項目がまだ決まっていない場合でも人的資本情報の管理/活用をスタートすることが可能

  です。

②   有価証券報告書への記載義務化事項にも対応

  記載義務化事項のモニタリングだけでなく、金融庁の推奨フォーマットで簡単に随時出力可能です

  ので有価証券報告書記載作業の負荷軽減が期待できます。

③   人的資本情報の管理/開示による経営効果を財務情報で検証する機能を開発中

  財務情報を活用した代表的な指標をモニタリングする機能を開発中です。上半期でのリリースを予

  定しています。

併せて、SAP SuccessFactorsの人材プロファイルの機能と上記「Ulysses 人的資本ダッシュボード®」を手軽に導入できる 「Ulysses/人的資本らくらくスタートパック」も導入費用240万円(サブスクリプション費用とテンプレート利用料は別途)でご用意しております。その他、お客様が希望される用途や導入スタイルに合わせたパッケージソリューションの資料を各種取り揃えておりますので、以下のURLからお好みの資料をダウンロードしてご活用ください。

 

株式会社オデッセイ 資料ダウンロードサイト

 https://www.odyssey-net.jp/document/

【株式会社オデッセイ】

■本社              :東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 霞が関ビルディング17階

■社名              :株式会社オデッセイ

■代表者           :代表取締役社長 秋葉 尊

■URL           :http://www.odyssey-net.jp/

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業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル17階
電話番号
03-3500-5221
代表者名
秋葉 尊
上場
未上場
資本金
4000万円
設立
1997年11月