新たな地域エネルギーマネジメントサービスの実証試験開始
~特定地域のエネルギー資源の効率的な有効活用で、地産地消と経済活性化の促進をめざす~
NTTアノードエナジー株式会社(代表取締役社長:岸本 照之、東京都港区、以下、NTTアノードエナジー)とNTTアノードエナジーグループの株式会社NTTスマイルエナジー(代表取締役社長:武馬 雄一郎、大阪府大阪市、以下、NTTスマイルエナジー)、および、NTTアドバンステクノロジ株式会社(代表取締役社長:伊東 匡、東京都新宿区、以下、NTTアドバンステクノロジ)は、特定地域の太陽光や蓄電池等のエネルギー資源を効率的に活用し、地域の地産地消率向上と経済性の両立を実現する、地域エネルギーマネジメントサービス(以下、本サービス)の実証試験(以下、本実証)を2月17日から共同で開始しました。
▼概要
2016年の電力の小売全面自由化を契機に、地域の太陽光発電・蓄電池・電気自動車(以下、EV)等のエネルギー資源を活用し、地域にエネルギー供給を行う地域新電力会社※1の設立事例が多数でてきており、エネルギー地産地消による地域内での資金循環や地方創生への期待が高まっています。一方、蓄電池などのエネルギー資源は、エネルギーの地産地消に寄与するものの、その導入コストが本格的な社会実装の障壁となっています。
この障壁を乗り越えるため、NTTアノードエナジー、NTTスマイルエナジー、NTTアドバンステクノロジの三社は、各社のノウハウやソリューションを組み合わせ、地域内に点在するエネルギー資源を統合的に管理し、それらを効率的に運用することで、市場価格の高い時間帯に調達する電力量の低減や、ピークシフトによる容量拠出金の負担低減など、各施設の太陽光発電の電力を余すことなく地産地消させるだけでなく、地域全体での経済性向上も同時に実現する「地域エネルギーマネジメントサービス」の提供に向けた実証試験を共同で開始しました。
本サービスを通じ、地域のエネルギー資源の本格的な社会実装を促進し、エネルギー地産地消と地方創生を実現させることで、2050年カーボンニュートラル達成に貢献します。
▼地域エネルギーマネジメントサービスのめざす提供価値
本サービスは、クラウド環境上に構築されるNTTスマイルエナジーの太陽光発電設備遠隔監視サービス「エコめがね」※2と、NTTアドバンステクノロジの地域再エネ統合管理サービス「エネパイロット」※3を組み合わせて、NTTアノードエナジーが地域新電力会社向けに下記5つのサービス(価値)をパッケージ化し提供します。
1.地産地消率向上(サービス1)
<内容>地産電源となる地域の施設に設置の太陽光発電電力を地域内で余すことなく消費できるよう施
設の電力需要と太陽光発電の予測をもとに蓄電池を制御
<効果>地産地消率の向上、電力系統負荷低減、地域内の経済循環
2.再生可能エネルギー導入効果の見える化(サービス2)
<内容>地域内の各施設での太陽光や蓄電池の利用状況、および、地産地消率など数値表示を行い
デジタルサイネージなどの画面に展開
<効果>エネルギーの効果的な活用の指南、脱炭素取り組みについての定量的証明
3.EVの充放電マネジメントによる電気料金削減(サービス3)
<内容>施設での電気の使用状況に基づき、EV充放電器を介してEVの電気を建物に供給
<効果>需要家の電気料金の低減
4.電源調達コスト低減(サービス4)
<内容>日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場価格の予測をもとに、市場価格の高い時間帯に蓄
電池を放電させることで、地域新電力会社が市場価格の高い時間帯にJEPXから調達する電力
量を低減
<効果>地域新電力会社の電源調達コストを低減
5.容量拠出金低減(サービス5)
<内容>電力エリアの電力需要予測をもとに、電力エリアの需要ピーク時間帯に蓄電池を放電
<効果>地域新電力会社の容量拠出金負担額を低減
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▼実証の概要
NTTアノードエナジー、NTTスマイルエナジー、NTTアドバンステクノロジの三社は、本サービス提供に向け、
NTTファシリティーズイノベーションセンター(東京都江東区)内で実証試験を開始しました。本実証では、特定地域内において蓄電池が併設される太陽光発電所と、太陽光・蓄電池・EV用の充放電器を有する需要家建物を模擬しており、本サービスの実現性や定量的効果を実フィールドで検証できる構成となっています。なお、具体的な実証項目は下記の二点です。
1.実現性の検証
特定地域内の余剰電力予測による地域内の地産地消率と小売電気事業者の経済性を最大化する最適化アルゴリズム(エネルギー資源の制御計画)の検討、および、制御計画に基づいて「電源調達コスト低減」と「容量拠出金低減」に資する蓄電池の充放電動作の実現性を検証します。
2.定量的効果の検証
本サービスにより、地域新電力会社や需要家に対する「電源調達コスト」、「地産地消率」などの定量的な経済効果を検証します。
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▼今後の展望
NTTアノードエナジー、NTTスマイルエナジー、NTTアドバンステクノロジは本実証で検証するエネルギーマネジメントサービスを通じ、特定地域内の自治体などの需要家や住民、地域新電力会社等をつないで、地域の脱炭素化や地方創生の実現に貢献していきます。
■各社の主な役割
NTTアノードエナジー
地域エネルギーマネジメントサービスの実証試験
NTTスマイルエナジー
太陽光発電設備遠隔監視サービス「エコめがね」の提供、実証支援
NTTアドバンステクノロジ
地域再エネ統合管理サービス「エネパイロット」の提供、実証支援
[注]
※1 地方自治体の戦略的な参画・関与の下で小売電気事業を営み、得られる収益等を活用して地域の
課題解決に取組む事業者のこと
※2 NTTスマイルエナジー株式会社:太陽光発電設備遠隔監視サービス「エコめがね」
https://www.eco-megane.jp/about/
※3 NTTアドバンステクノロジ株式会社:地域再エネ統合管理サービス「エネパイロット」
https://www.ntt-at.co.jp/product/ene-pilot/
・文中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
以 上
●本リリースは、NTTグループが展開するGXソリューションブランド「NTT G×Inno(エヌティティ ジーノ)」※の取り組みの1つです。
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※「NTT G×Inno」は、日本電信電話株式会社の登録商標です。「NTT GX(Green Transformation)× Innovation」の略称であり、社会へのソリューション提供を通じて GX分野でInnovation(変革)をおこし、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献していく取り組みです
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