2021年は業務システムにおいても「APIエコノミー時代」が到来 ローコード開発による開発方法論のアップデートがDXのカギとなる
BlueMeme、システム開発方法論における「2020年の総括および、2021年の展望レポート」を発表
株式会社BlueMeme(本社:東京都千代田区、代表取締役:松岡 真功/以下 BlueMeme)は、企業のITシステムと開発方法論における2020年の総括と2021年の展望について発表いたします。
2020年は新型コロナウイルス感染症が世界中に大きな影を落とし、日本の企業も大きな影響を受けました。多くの国民が日本の行政及び民間企業のデジタル化が他国と比較して遅れていることを認識し、企業ではコミュニケーションや業務プロセスのデジタル化が強制的に進みました。これにより、特にITシステムの様々な課題が浮き彫りになっています。
日本企業の国際競争力の低下の原因の一つに、企業のデジタル化の遅れがあります。以前より「海外と比較したITシステムの遅れ」の課題を日本の政府をはじめとした複数の機関が指摘しており、改善を呼びかけています。しかしながら、企業のデジタル化を阻んでいる根本的な課題である、自社の資源・技術を用いる「自前主義」や、システム開発をすべての外部の企業へ丸投げする「外部ベンダー依存」、業務要件の変更に対応しにくい「ウォーターフォール型の開発手法の採用」については、依然として他国に後れを取っています。
■自前主義からの脱却
総務省による「情報通信白書」では、自社の資源・技術だけを用いる自前主義をやめるよう書かれています。自前主義は、以前のような独自のバリューチェーンにより商品を大量生産する時代には規模の経済性や範囲の経済性が働き、取引費用も抑えられるといったメリットがありました。しかし、デジタル経済の進化により、複数社のリソースを外部調達して生産性を高め、新たな商品の開発を次々に行うことが求められています。
総務省 「情報通信白書」:
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/pdf/index.html
■外部ベンダー依存による内製化の遅れ
また経済産業省の「DXレポート」では、アジャイル開発を推進し、意思決定のスピードを早めるべきであると書かれています。日本では外部ベンダーと要件定義から請負契約を締結する、つまり丸投げしてしまうケースが多く、何を開発するかということまでベンダーに依頼しています。そのためITエンジニアの7割以上がベンダーに偏在するという状況を生み、内製化をしたくても人材をはじめとするリソースが不足しています。特にアジャイル開発をしようとする企業は、自社のコミットメントを強く求める開発方法を推進していくことが重要となるため、ベンダーと一緒に開発していく場合でも、ベンダーの役割としてはアジャイルのコンサルティングや導入支援が求められます。
経産省 DXレポート「ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開」:
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html
■ITベンダー主導による最新開発プロセスの導入の遅れ
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)では、今後は「攻めのIT投資」が必要であるとしています。これまでのITシステム開発の多くは、実装したい業務ごとに企画・計画・設計・構築・運用されてきましたが、DXを推進するには個別最適からスタートするのは望ましくないとしています。新たな「攻めのIT投資」に必要なこととして「安定性重視からスピード重視」への傾向となっており、オーナーは「情報システム部門から事業部門へ」、開発手法は「ウォーターフォールからアジャイルへ」、開発形態は「ITベンダーへの外注主体から内製へ」を挙げています。
情報処理推進機構 ITSS+ 「IoTソリューション領域へのスキル変革への指針」:
https://www.ipa.go.jp/about/press/20180409.html
■外部依存のウォーターフォールから内製化を実現する大規模アジャイルへ
日本でのウォーターフォール型の開発は、先に要件と導入製品を決めてしまうので、設計や実装段階で工数が大幅に増加します。一方、米国ではCIOが企業構造(EA:エンタープライズ・アーキテクチャ)を決め、それに基づいて要件定義や採用する技術を決定します。そのため、設計や実装の段階で工数が大きく変わることがありません。
これは大規模なアジャイル型の開発でも同様で、日本でのアジャイル開発は要件を細かく切って開発していくので、それぞれのシステムはきれいに完成していても、組み合わせることが難しくなります。米国ではアジャイルでも同様にEAをベースにアジャイル開発を行うので、全体をきれいに組み合わせることができます。手法は同じでも前提条件が異なるため、大きなシステムを作るためには大きな設計書が必要なのです。
リモートワークを中心とした制約の多い環境下で、社内における従業員とのコミュニケーションや業務フローの多くが、対面や紙を中心とした作業で構成されていることが明らかとなり、これらをデジタル化するために、ローコード開発基盤やアジャイル手法の活用による社内業務システムの内製化の検討が急速に進んでいます。
日本では外部ベンダーへの依存が長く、システムの老朽化や人材不足の影響もあって、自社のIT部門が空洞化して技術者の確保や育成が困難なことから、内製化への取り組みは先送りとなっているのが現状です。このような状況下においても、コロナ禍ではビジネス環境の変化への素早い対応が求められることとなり、従業員が使用する社内業務システムの内製化への意識は大きく変化しました。
■APIを組み合わせた新しいシステム開発
さらに現在は、様々な機能のオープンAPIがクラウドサービス上で大量に提供されていて、「APIエコノミー」を構成しています。このAPIエコノミーがシステム開発のスタイルを大きく変えています。たとえば、配車システムを作ろうとしたら、地図のAPI、通信のAPI、決済のAPIを組み合わせてUIを作れば、2週間ほどで大体できあがります。これは、自前主義をやめてコモディティ化されたサービスを活用してシステムを作る「新しい開発プロセス」です。これまでのパッケージの導入と、外部へのスクラッチの依頼に加え「APIを組み合わせたシステム開発」が第三の選択肢になると考えます。
また、開発の主流がローコードに移行しつつあります。ローコード開発であれば、事業部門でもシステム開発が可能になります。今後のITシステムは、現在のパッケージとスクラッチ開発のアプリケーションの組み合わせから、オープンなAPIと自社で開発したプライベートなAPIを、ローコード開発基盤で統合するスタイルが当たり前になるでしょう。すでにECやBtoCでは主流になりつつありますが、そのスタイルが社内システムや業務システムにも使われるようになると考えられます。すべてがAPI化する「APIエコノミー時代」が到来するのです。
これまではIT部門がシステムを管理していましたが、インテグレーション基盤によって既存の様々なシステムをAPI化できるので、業務部門もローコード開発基盤で自分たちのアプリケーションが開発できます。業務部門主体での開発が可能になることで、IT部門はプラットフォームやAPIなどの基盤を管理して各部門の業務を繋ぐ役割としてITに関する専門的な知識が必要となる業務に従事することができ、企業全体の内製化を通じたDXの実現が可能になります。
■総括・展望
2021年以降、企業の内製化はさらに拡大し、ユーザー企業はシステムインテグレーターに対して、従来型の業務システムの受託開発ではなく、ローコード開発基盤などの最新技術の導入支援やアジャイル手法のコンサルティングを求めていくと考えられます。また内製化の拡大に伴い、システム開発に不可欠な業務分析や要件定義などの上流工程のニーズが高まるにつれ、EAの重要性の再認識や、CIOの役割とその必要性を大きく見直すことが求められています。
2021年は、まだまだ新型コロナウイルス感染症の影響が強く残ると予想されます。その状況の中で、企業は大規模なスクラッチ開発やパッケージソフトウェアの導入をやめたり、労働集約型のオフショア開発をやめたり、従来型の開発プロセスをやめるなど、根本的な変化を迫られると考えられます。ローコード開発基盤やAPIを活用した新しい開発プロセスを導入し、システム開発の生産性を向上させることで企業の競争力が益々高まっていくことでしょう。そして、企業活動全体を構造化したEAを組織や環境の変化に合わせて更新し常に最新の状態で維持することで、経営とIT部門、業務部門の衝突を避け、迅速な意思決定を可能にしたシステムの開発が実現できるようになるのです。
弊社は今後ともエンタープライズシステムの開発支援を行うとともに、それを支える最新技術のテクノロジーやアプリケーションを開発・提供し、企業の事業のスピードアップを強力に支援して参ります。
【株式会社BlueMeme(ブルーミーム)について】
社名 :株式会社BlueMeme
代表者 :代表取締役 松岡 真功
所在地 :東京都千代田区神田錦町3-20
創業 :2009年6月(設立:2006年12月20日)
資本金 :3億6,850万円(資本準備金を含む)
URL :http://www.bluememe.jp/
BlueMemeは、2012年にローコード開発基盤「OutSystems」を日本で初めて導入し、ローコード市場を第一線でけん引して参りました。今日BlueMemeは、NoSQLやローコード等のプログラマが行う工程を自動化する様々なソフトウェアとアジャイル開発手法を組み合わせることで、大規模なアジャイル開発を実現し、その知見と技術を活用したサービス「次世代エンジニアの教育」「自動化技術を活用した受託開発」「アジャイルチームの構築支援」をご提供することでビジネスアジリティの向上を可能にし、グローバルな企業競争力を促進しております。また昨今、スマートフォンの普及から始まり、AI、IoT、AR、VR、キャッシュレスなど、デジタルテクノロジーの著しい変化からデジタルトランスフォーメーション(DX)がますます注目されており、様々な変化に柔軟に対応可能なアジャイル開発のアプローチは必要不可欠となりつつあります。BlueMemeは従来のサービスに加えて、開発方法論を体系化した仕組みとアジャイルに適したアーキテクチャをご提案することで、お客様のDXを推進します。
日本企業の国際競争力の低下の原因の一つに、企業のデジタル化の遅れがあります。以前より「海外と比較したITシステムの遅れ」の課題を日本の政府をはじめとした複数の機関が指摘しており、改善を呼びかけています。しかしながら、企業のデジタル化を阻んでいる根本的な課題である、自社の資源・技術を用いる「自前主義」や、システム開発をすべての外部の企業へ丸投げする「外部ベンダー依存」、業務要件の変更に対応しにくい「ウォーターフォール型の開発手法の採用」については、依然として他国に後れを取っています。
■自前主義からの脱却
総務省による「情報通信白書」では、自社の資源・技術だけを用いる自前主義をやめるよう書かれています。自前主義は、以前のような独自のバリューチェーンにより商品を大量生産する時代には規模の経済性や範囲の経済性が働き、取引費用も抑えられるといったメリットがありました。しかし、デジタル経済の進化により、複数社のリソースを外部調達して生産性を高め、新たな商品の開発を次々に行うことが求められています。
総務省 「情報通信白書」:
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/pdf/index.html
■外部ベンダー依存による内製化の遅れ
また経済産業省の「DXレポート」では、アジャイル開発を推進し、意思決定のスピードを早めるべきであると書かれています。日本では外部ベンダーと要件定義から請負契約を締結する、つまり丸投げしてしまうケースが多く、何を開発するかということまでベンダーに依頼しています。そのためITエンジニアの7割以上がベンダーに偏在するという状況を生み、内製化をしたくても人材をはじめとするリソースが不足しています。特にアジャイル開発をしようとする企業は、自社のコミットメントを強く求める開発方法を推進していくことが重要となるため、ベンダーと一緒に開発していく場合でも、ベンダーの役割としてはアジャイルのコンサルティングや導入支援が求められます。
経産省 DXレポート「ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開」:
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html
■ITベンダー主導による最新開発プロセスの導入の遅れ
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)では、今後は「攻めのIT投資」が必要であるとしています。これまでのITシステム開発の多くは、実装したい業務ごとに企画・計画・設計・構築・運用されてきましたが、DXを推進するには個別最適からスタートするのは望ましくないとしています。新たな「攻めのIT投資」に必要なこととして「安定性重視からスピード重視」への傾向となっており、オーナーは「情報システム部門から事業部門へ」、開発手法は「ウォーターフォールからアジャイルへ」、開発形態は「ITベンダーへの外注主体から内製へ」を挙げています。
情報処理推進機構 ITSS+ 「IoTソリューション領域へのスキル変革への指針」:
https://www.ipa.go.jp/about/press/20180409.html
■外部依存のウォーターフォールから内製化を実現する大規模アジャイルへ
日本でのウォーターフォール型の開発は、先に要件と導入製品を決めてしまうので、設計や実装段階で工数が大幅に増加します。一方、米国ではCIOが企業構造(EA:エンタープライズ・アーキテクチャ)を決め、それに基づいて要件定義や採用する技術を決定します。そのため、設計や実装の段階で工数が大きく変わることがありません。
これは大規模なアジャイル型の開発でも同様で、日本でのアジャイル開発は要件を細かく切って開発していくので、それぞれのシステムはきれいに完成していても、組み合わせることが難しくなります。米国ではアジャイルでも同様にEAをベースにアジャイル開発を行うので、全体をきれいに組み合わせることができます。手法は同じでも前提条件が異なるため、大きなシステムを作るためには大きな設計書が必要なのです。
リモートワークを中心とした制約の多い環境下で、社内における従業員とのコミュニケーションや業務フローの多くが、対面や紙を中心とした作業で構成されていることが明らかとなり、これらをデジタル化するために、ローコード開発基盤やアジャイル手法の活用による社内業務システムの内製化の検討が急速に進んでいます。
日本では外部ベンダーへの依存が長く、システムの老朽化や人材不足の影響もあって、自社のIT部門が空洞化して技術者の確保や育成が困難なことから、内製化への取り組みは先送りとなっているのが現状です。このような状況下においても、コロナ禍ではビジネス環境の変化への素早い対応が求められることとなり、従業員が使用する社内業務システムの内製化への意識は大きく変化しました。
■APIを組み合わせた新しいシステム開発
さらに現在は、様々な機能のオープンAPIがクラウドサービス上で大量に提供されていて、「APIエコノミー」を構成しています。このAPIエコノミーがシステム開発のスタイルを大きく変えています。たとえば、配車システムを作ろうとしたら、地図のAPI、通信のAPI、決済のAPIを組み合わせてUIを作れば、2週間ほどで大体できあがります。これは、自前主義をやめてコモディティ化されたサービスを活用してシステムを作る「新しい開発プロセス」です。これまでのパッケージの導入と、外部へのスクラッチの依頼に加え「APIを組み合わせたシステム開発」が第三の選択肢になると考えます。
また、開発の主流がローコードに移行しつつあります。ローコード開発であれば、事業部門でもシステム開発が可能になります。今後のITシステムは、現在のパッケージとスクラッチ開発のアプリケーションの組み合わせから、オープンなAPIと自社で開発したプライベートなAPIを、ローコード開発基盤で統合するスタイルが当たり前になるでしょう。すでにECやBtoCでは主流になりつつありますが、そのスタイルが社内システムや業務システムにも使われるようになると考えられます。すべてがAPI化する「APIエコノミー時代」が到来するのです。
これまではIT部門がシステムを管理していましたが、インテグレーション基盤によって既存の様々なシステムをAPI化できるので、業務部門もローコード開発基盤で自分たちのアプリケーションが開発できます。業務部門主体での開発が可能になることで、IT部門はプラットフォームやAPIなどの基盤を管理して各部門の業務を繋ぐ役割としてITに関する専門的な知識が必要となる業務に従事することができ、企業全体の内製化を通じたDXの実現が可能になります。
■総括・展望
2021年以降、企業の内製化はさらに拡大し、ユーザー企業はシステムインテグレーターに対して、従来型の業務システムの受託開発ではなく、ローコード開発基盤などの最新技術の導入支援やアジャイル手法のコンサルティングを求めていくと考えられます。また内製化の拡大に伴い、システム開発に不可欠な業務分析や要件定義などの上流工程のニーズが高まるにつれ、EAの重要性の再認識や、CIOの役割とその必要性を大きく見直すことが求められています。
2021年は、まだまだ新型コロナウイルス感染症の影響が強く残ると予想されます。その状況の中で、企業は大規模なスクラッチ開発やパッケージソフトウェアの導入をやめたり、労働集約型のオフショア開発をやめたり、従来型の開発プロセスをやめるなど、根本的な変化を迫られると考えられます。ローコード開発基盤やAPIを活用した新しい開発プロセスを導入し、システム開発の生産性を向上させることで企業の競争力が益々高まっていくことでしょう。そして、企業活動全体を構造化したEAを組織や環境の変化に合わせて更新し常に最新の状態で維持することで、経営とIT部門、業務部門の衝突を避け、迅速な意思決定を可能にしたシステムの開発が実現できるようになるのです。
弊社は今後ともエンタープライズシステムの開発支援を行うとともに、それを支える最新技術のテクノロジーやアプリケーションを開発・提供し、企業の事業のスピードアップを強力に支援して参ります。
【株式会社BlueMeme(ブルーミーム)について】
社名 :株式会社BlueMeme
代表者 :代表取締役 松岡 真功
所在地 :東京都千代田区神田錦町3-20
創業 :2009年6月(設立:2006年12月20日)
資本金 :3億6,850万円(資本準備金を含む)
URL :http://www.bluememe.jp/
BlueMemeは、2012年にローコード開発基盤「OutSystems」を日本で初めて導入し、ローコード市場を第一線でけん引して参りました。今日BlueMemeは、NoSQLやローコード等のプログラマが行う工程を自動化する様々なソフトウェアとアジャイル開発手法を組み合わせることで、大規模なアジャイル開発を実現し、その知見と技術を活用したサービス「次世代エンジニアの教育」「自動化技術を活用した受託開発」「アジャイルチームの構築支援」をご提供することでビジネスアジリティの向上を可能にし、グローバルな企業競争力を促進しております。また昨今、スマートフォンの普及から始まり、AI、IoT、AR、VR、キャッシュレスなど、デジタルテクノロジーの著しい変化からデジタルトランスフォーメーション(DX)がますます注目されており、様々な変化に柔軟に対応可能なアジャイル開発のアプローチは必要不可欠となりつつあります。BlueMemeは従来のサービスに加えて、開発方法論を体系化した仕組みとアジャイルに適したアーキテクチャをご提案することで、お客様のDXを推進します。
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