木造建築は地域の産業となるのか?
森と建築をいっしょに考える連続セミナー、実践者たちによる全4回シリーズが2025年秋スタート

株式会社森未来(本社:東京都港区、代表取締役:浅野純平、以下「森未来」)は、アトリエフルカワ一級建築士事務所(本社:東京都東久留米市、代表:古川泰司)による企画・主催の連続セミナー「森と建築をいっしょに考える4 木造建築は、地域の産業となるのか?」に運営協力し、2025年9月15日、10月11日、11月1日、12月13日の全4回にわたり開催いたします。
企画背景
2020年代以降、木造による中大規模建築の普及が全国的に加速し、持続可能な建築素材としての木材の価値が再評価されています。2023年には中高層の非住宅木造建築の着工床面積が前年比で増加し※1、官民ともに木造建築の活用が広がりつつあります。
しかしながら、木造建築に使用される木材の多くが地域外、あるいは国外から調達されている現状があります。日本の森林の約4割を占める人工林が成熟期を迎えているにもかかわらず、それらの資源が建築材料として地域内で活用されている割合は限定的です。世界的な木材サプライチェーンの一部として、価格や物流の合理性を優先することで、地域の森林資源と建築との接点が失われつつあります。
※1出典:農林水産省「令和4年度 建築物における木材の利用の促進に向けた措置の実施状況の取りまとめ」より引用
今回のセミナーテーマ「木造建築は、地域の産業となるのか?」について
木造建築を考える時に、それが地域の産業として貢献できているのか。
一方、建築材料の商流は、全国各地から経済の原理で運ばれてきて、それはさらには国境を超えた巨大なサプライチェーンとなっています。
木材もそのワールドワイドなサプライチェーンのリンクに外れることなく存在していて、そうした相互依存の協力関係を第一と考えるならば、地域の産業や資源にこだわる必要はないとの考え方もできるでしょう。ただ、その結果として木造建築が地域の資源からどんどん乖離してしまう事になったわけです。
経済合理性がバイアスとなっていた集中の時代が木造建築と森を遠ざけていたともいえます。
そこからの分散の時代を考える事。
考えるべきなのは、次の世代の森林を育むこと。次の世代に資源を伝える事。そこでは、木造建築が地域の産業となるべきではないか?という事。森林木材産業が地域の産業であるからこそ、次の世代の森林を育む事ができるのだと考えます。
今回は、さまざまな地域から木造建築を地域の産業とリンクさせる挑戦をする建築家からのレクチャーを開催し、皆さんと木造建築が地域の産業となるのか、そのためにはどうしたら良いのかの議論を深めていきます。(古川)
各回のご案内
第1回:9月15日(土)14-17時
-S M L XL から考える-
講師:大庭 拓也氏 X 古川 泰司
木造建築が地域の産業となるのか、そのイントロダクションとして、木材利用のスケールをS、M、L、XLに分けて考えます。スケールの違いによって手法やアプローチがどう変わるのかを話題に、皆さんと議論します。
第2回:10月11日(土)14-17時
-新潟から考える-
ゲスト講師:石田 伸一氏
コーディネーター:古川 泰司
林業建築家として新潟で活躍している建築家の石田さんをお迎えして、建築の設計に留まらない広いフィールドでの活動をお聞きしながら、木造建築が地域の産業なるために必要なプレーヤーについて議論します。
第3回:11月1日(土)14-17時
-高知から考える-
ゲスト講師:横畠 康氏
コーディネーター:古川 泰司
これまでの技術と新しい技術を組み合わせた木造建築のあり方を土着の文化を意識し高知で活躍している横畠さんをお迎えして、話題提供をするとともに、皆さんと議論をします。
第4回:12月13日(土)14-17時
-伊那谷から考える-
ゲスト講師:奥田 悠史氏
コーディネーター:古川 泰司
森に関わる地域の産業を創出する場をコーディネートしてきた「やまとわ」の奥田さんをお迎えし、今一度、木造建築が地域の産業となるために必要なことについて議論します。
講師のご紹介

古川泰司 ふるかわ やすし
アトリエフルカワ一級建築士事務所 代表
武蔵野美術大学、筑波大学修士課程
木を生かした「森とつながる建築」の設計を行う、木造・木材コーディネーター。また、住宅医の資格を持ち、中古住宅の改修も数多く手がける。

大庭 拓也 おおば たくや
株式会社日建設計 NWL(Nikken Wood Lab) ダイレクター
ウッドスケープアーキテクト
福岡大学建築学科卒業、東京工業大学大学院建築学専攻修了後、日建設計に入社。
「つくればつくるほど生命にとって良い建築」を自身のマニフェストとし、建築・都市の木質化に従事。有明体操競技場、選手村ビレッジプラザ、渋谷区立北谷公園などの木質建築を手掛け、農林水産大臣賞、環境大臣賞、林野庁長官賞、ウッドデザイン賞などを受賞

石田 伸一 いしだ しんいち
林業建築家
地材地建、Long Loved Designで100年後も美しい風景をつくる。という思想を大切に、林業から製材、建築設計、ものづくり、まちづくりを行う。
地元新潟県魚沼地域で産出する杉を「魚沼杉」としてブランディング・普及促進に取り組んでいる。
新潟県のほか県外国外にて合計46のプロジェクトが進行中。

横畠 康 よこばたけ こう
有限会社艸建築工房 代表取締役所長
みんなで風景をつくる、つなぐ。様々な風土・風習のもと、従来の技術に今できる先導技術の可能性を混在させることで、新たな風景(建築)を“まじめにおもしろく”果敢に挑む。
主な受賞歴
・木材利用優良施設等コンクール 文部科学大臣賞、農林水産大臣賞、環境大臣賞
・日本建築家協会 四国建築賞(大賞)
・ウッドデザイン賞
・木の建築賞
・高知県建築文化賞 高知県知事賞(最優秀賞)
・高知県木の文化賞 他多数受賞

奥田 悠史 おくだ ゆうじ
株式会社やまとわ取締役・森林ディレクター。
世界一周後、編集者・デザイナーを経て2016年「森をつくる暮らしをつくる」を掲げ伊那谷にやまとわを創業。伊那谷産アカマツの「信州経木 Shiki」、木と紙の文具「Shikibun」、地域材家具「pioneer plants」「DONGURI Furniture」、森からはじまる食品ブランド「yamazuto」など、森由来のプロダクトを企画開発。さらに「森の企画室」で自然と企業の共創を支援し、農と森のインキュベーション施設「inadani sees」を運営。森林とデザインを軸に地域循環型ビジネスモデルを実践。sees magazine編集長。
開催概要
開催方法:会場(対面)/オンラインによるハイブリット開催
開催場所:森未来セミナースペース(東京都港区芝5-27-6 泉田町ビル7F)/オンライン
定員:30名(先着順)
費用:33,000円(全4回分・税込)
参加費について:銀行振込
※お申込み後、口座情報をお送りいたします。
※お振込手数料はご負担いただきますようお願いいたします。
お申込み方法
下記URLよりイベントページへアクセスいただき、イベントページ内のお申込みフォームよりお申込みください。
企画・主催
アトリエフルカワ一級建築士事務所 代表 古川泰司
運営協力
会社名:株式会社森未来
代表者:浅野 純平
住所:〒108-0014 東京都港区芝5-27-6 泉田町ビル6階
メール:marketing@shin-mirai.co.jp
電話:03-6453-9234
設立:2016年4月
コーポレートサイト:https://shin-mirai.co.jp/
「Sustainable Forest」をミッションに、森林・林業・木材に関するITビジネスを展開。
BtoB向け木材プラットフォームeTREE:https://www.etree.jp/
■本リリースに関するお問い合わせ先
株式会社森未来 広報担当 高橋
pr@shin-mirai.co.jp
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