M＆A2023年1~3月期は16％増の275件東芝TOB総額は歴代5位タイ

株式会社ストライク

2023年4月17日 14時00分

2023年第1四半期（1～3月）のM＆A件数（適時開示ベース）は275件と、前年を38件上回る高水準で推移しました。国内案件が堅調だったうえ、コロナ禍で落ち込んだ海外案件も年明けから増勢が続いています。取引金額は前年を4,209億円上回る2兆5,892億円となり、東芝の株式非公開化を目的とするTOB（株式公開買い付け）が2兆円規模に達し、突出しました。東芝を除けば、総じて案件規模は小型化しています。

上場企業に義務付けられている適時開示情報のうち経営権の移転を伴うM＆A（グループ内再編は除く）について、M＆A Onlineが集計しました。

調査結果の概要

・2023年第1四半期は275件と、前年を38件上回る
・年間1,000件の大台乗せも
・歴代5番目、東芝TOB以外は小型化

年間1,000件の大台乗せも

　2023年は1月に93件と前年を29件上回るロケットスタートを見せました。2月（77件）は前年を割り込みましたが、3月は105件まで件数が積み上がりました。この結果、2022年第2四半期（4～6月）以来、4四半期連続のプラスとなりました。

　1～3月の総件数275件の内訳は日本企業同士の国内案件221件（前年204件）、国境をまたぐ海外案件54件（同33件）。このうち、海外案件は年初から増勢が続き、コロナ前の2019年1～3月の45件を上回りました。海外子会社・事業を中心に日本企業による売却案件の広がりが件数を押し上げました。

　前年の年間件数は949件とリーマンショック後の最多を2年連続で記録しましたが、現状のペースでいくと、今年は年間1,000件の大台乗せが見込まれます。

歴代5番目、東芝TOB以外は小型化

　一方、取引金額は1月が1,300億円、2月が2,890億円。3月は東芝の案件を除くと1,650億円ほどで、件数の割に金額が伸びていません。

　1～3月中、取引金額が1,000億円を超える巨額案件は2件にとどまりました。東芝以外に、ENEOSホールディングスによる1,200億円超の大型売却があるだけで、5件を数えた前年に比べると見劣りしました。

　今回の東芝案件は日本企業のM＆Aとして歴代5位となります。東芝は2017年に半導体子会社の東芝メモリ（現キオクシア）を2兆円で売却しており、これに並びます。

　ちなみに、歴代1位は武田薬品工業によるアイルランド製薬大手シャイアーの6.2兆円での買収です。2位にソフトバンクグループ（英アーム、3.3兆円）、3位にJT（同英ギャラハー、2.25兆円）、4位にセブン＆アイ・ホールディングス（同米スピードウェイ、2.2兆円）と続きます（いずれも日本企業が買収した案件）。

▼レポート全文はこちら
https://maonline.jp/articles/ma_summary_20231q

M＆A Online

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URL：https://maonline.jp/

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