カクナル、仙台市との「職員エンゲージメント調査」分析結果を報告
組織人事コンサルティングや地方創生に取り組む株式会社CAQNAL(社名:カクナル、本社:東京都港区)の代表取締役 中島 篤(ナカシマアツシ)は、仙台市総務局において2025年9月に実施した「職員エンゲージメント調査」の結果分析を行い、10月27日に行われた報告会にて現状の課題と今後の施策を提言いたしました。本調査は、多角的なデータ分析を通じて仙台市役所の組織状態を可視化し、「選ばれる自治体」であり続けるための職場環境づくりを支援するものです。

仙台市職員エンゲージメント向上連携開始リリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000080430.html
プロジェクトの概要
地方自治体では、受験者数の減少や若手職員の離職増加が全国的な課題となっています。総務省の調査によれば、地方公務員試験の受験者数は過去10年で約28%減少しています(※1)。一方で地方公務員の退職者数は増加傾向にあり、特に40歳未満の若手職員の離職が顕著に増えています(※2)。仙台市においても、将来にわたり質の高い市民サービスを提供し続けるためには、職員が意欲を持って働き続けられる環境整備が急務でした。 そこで、職員の「働きがい(エンゲージメント)」と「働きやすさ」の現状を定量的に把握し、本質的な課題を抽出するために、カクナルと連携して仙台市総務局(対象125名)にてテストサーベイを実施しました。回答率は95%を超え、職員の組織改善への関心の高さが伺えるスタートとなりました。
※1 総務省「地方公務員における働き方改革に係る状況―令和5年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果の概要―」(2024年)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei11_02000238.html
※2 リクルートワークス研究所「臨界点が迫る公務サービス(1)―危機に瀕する職業としての地方公務員―」(2024年)
https://www.works-i.com/research/project/turningpoint/introduction/detail002.html
プロジェクト成果内容
回答データの多角的な分析(属性別、相関分析、フリーコメント分析等)の結果、全体として「働きがい」と「働きやすさ」のバランスが取れた良好な組織状態であることが確認されました。
一方で、将来の目標設定や業務上の余裕に関する項目では課題が見られました。特に、次世代を担う中堅層職員において、業務量の多さからくる余裕のなさや、将来のキャリアビジョンが描きにくいといった現状が浮き彫りとなりました。以下の4つの観点から短期・中長期の具体的な施策を提言しました。
施策① 働きがい(やりがい・目標意識)の再醸成
市民貢献の実感と組織目標の自分ごと化
分析の結果から「課の目標への共感」はあるものの、それが個人の業務目標にどう繋がっているかが見えにくい現状が明らかになりました。そこで、これまでの業務通達中心のコミュニケーションを見直し、管理職と一般職員(部下)が「組織の目標」と「個人の役割」の繋がりをすり合わせる対話の機会を増やすことを提案いたしました。日々の業務が市民生活や市政にどう貢献しているかを再確認するプロセスを組み込むことで、目の前の業務への納得感とやりがいを高めます。
施策② キャリア形成・成長支援の強化
キャリアパスの可視化と中堅層への重点支援
キャリアへの不安を抱えがちな中堅層職員に対し、職員が自分でキャリアを選べる庁内公募制度の活用促進やメンター制度の導入を提案しました。各部署で得られるスキルや経験を明示し、職員が自律的にキャリアを選択できる環境を整えることで、将来への不安を解消し、成長意欲を引き出します。
施策③ 公平な評価とマネジメント力の向上
「評価するため」から「成長させるため」の1on1へ質的転換
分析の結果から上司・同僚との関係性は良好であるものの、現状の面談が業務進捗確認や査定に留まりがちである点を課題としてあげられました。評価者研修/被評価者研修を通じて、1on1での面談内容を部下の強みや課題をフィードバックし、次の成長を支援する場へと転換させます。心理的安全性の高さを活かしつつ、成長のためのフィードバックも信頼関係の中で行えるよう、管理職の「対話力」と「育成力」を強化します。
施策④ 業務プロセスの見直し
慢性的な「余裕のなさ」を解消する業務の可視化と断捨離
単なる残業削減の呼びかけではなく、属人化した業務、形骸化した慣習や重複する事務作業等、業務過多を引き起こしている構造的な要因を洗い出すことを提言しました。業務の棚卸しと可視化を徹底し、DXによる効率化や不要な業務の断捨離を行うことで、職員が本来注力すべき企画・立案業務や市民サービスに向き合える時間的・精神的な余白を創出します。
中島 篤(ナカシマアツシ)コメント
今回の調査は回答率が非常に高く、自由記述欄にも多くの建設的な意見が寄せられるなど、仙台市職員の皆様の「より良い職場にしたい」という熱意を強く感じました。 分析の結果、仙台市役所には「人間関係の良さ」という、一朝一夕では作れない素晴らしい土台があることが証明されています。この強みを活かしつつ、今回明らかになった「中堅層のキャリア不安」や「業務負荷」という課題に対して、制度と運用の両面からアプローチすることで、エンゲージメントはさらに向上すると確信しています。 カクナルは引き続き、データの可視化を起点とし、現場の職員一人ひとりがさらにやりがいを持って働ける組織づくりに向けて伴走支援を続けてまいります。

株式会社CAQNAL(カクナル) 代表取締役 中島 篤(ナカシマアツシ)
iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授
地方創生アドバイザー
1976年福島県生まれ。東北学院大学2部経済学科卒業。在学中は(株)紀伊国屋書店で契約社員として勤務し、昼間就業・夜間就学という二足の草鞋で過ごす。卒業後、2001年にスターバックスコーヒージャパン入社。その後ユニクロをはじめ、複数の業界・企業で現場・人事部長およびコンサルタントとして就業。2011年、東日本大震災を機に働き方改革や地方創生に関心を持ち、フリーランスとして活動後、(株)CAQNAL(カクナル)創立。現場経験を活かした伴走型コンサルタントとして、リアルな組織診断とその具体的な解決を信条として、慣例や既成概念に囚われないブランディング・制度設計・研修を実施している。自身も積極的にテレワーク・ワーケーションを行い、様々な地域で食と酒を楽しむ。
【株式会社CAQNAL(カクナル)について】
「人のチカラで『場』を興(おこ)す」というミッションの下、大手企業からベンチャー、行政や自治体などさまざまな組織の価値を向上させるコンサルティング・グループ。
組織人事、採用/転職、人事制度、労務、DX、業務効率化を中心に幅広い領域を支援。豊富な実務経験を兼ね備えた専門家集団として、企画やノウハウの提供だけでなく制度の定着まで伴走する支援スタイルを強みとしている。
【株式会社CAQNAL 会社概要】
代 表 取 締 役 : 中島 篤
設 立 : 2018年 1月
所 在 地 :
本社:東京都港区六本木 7-12-2 R7ビルディング SPACES六本木
東北拠点:宮城県仙台市青葉区花京院1-2-15ソララプラザ3F SPACES仙台
中部拠点:愛知県名古屋市西区名駅2−34−17 セントラル名古屋 1101
関西拠点:大阪府大阪市福島区福島7-1-10Wiz fukushima 2F GRANDSLAM 239
業 務 内 容 : 組織人事・DXコンサルティング、人材紹介、新規事業開発、地方創生
U R L : https://caqnal.jp/
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