アボット社、体内で自然に分解されるステントに関するABSORB Japan臨床試験の良好な結果を発表

- 日本で最初のAbsorb™に関する臨床試験において、主要評価項目を達成
- Absorbは体内に残らないよう設計されており、時間の経過と共に血管をより自然に回復させる。これは、永久的に体内に 留置される既存の薬剤溶出ステント(DES)では実現できない
- Absorbはこれまで全世界で100,000人以上1の冠動脈疾患(CAD)における治療実績を保有

 

 この資料は、アボット ラボラトリーズ社が、2015年9月1日(現地時間)に発表を行ったプレスリリースを日本語に翻訳再編集し、ご参考として提供しております。オリジナル のプレスリリースの正式言語は英語であり、この内容および解釈については英語が優先となります。この資料の英文オリジナルにつきましては、以下のサイトを ご参照ください。尚、Absorbは、日本において未承認の製品です。


ロンドン2015年9月1日‐アボットは、ABSORB Japan臨床試験の1年経過観察時において良好な結果が得られたことを発表しました。同試験は、体内で完全に分解されるアボットの心臓用ステントであるAbsorbの安全性および有効性を、市場をリードする同社のXIENCE薬剤溶出ステントと比較する多施設共同無作為化臨床試験です。この臨床試験は国内の38医療機関で実施され、心臓疾患のうち最も多いとされる冠動脈疾患(CAD)を患う400名が登録されました。本日、欧州心臓病学会が毎年主催するESC Congress 2015における最新研究成果のセッションにおいて、この試験結果が発表されます。ESC学術集会は、世界各地の心臓病専門医が循環器疾患の低減を目的として一堂に会し、年に一度開催される学術集会です。本学術集会での発表と同時に、European Heart Journal誌へも同試験データが掲載されました。

Absorbは、これまでにないまったく新しい医療機器です。従来の金属製ステントと同じく、狭くなった心臓の血管を拡張し血流を回復させてCADの症状を改善すると共に、Absorbは体内で自然に分解される素材が用いられているため、回復した血管に留置物が永久的に残ることがありません。そのため、永久的に体内に留置し、血管本来が持つ運動機能を妨げ将来的な治療の選択肢を制限させる可能性のある金属製ステントとは異なり、Absorbでは、治癒後の人々の生活習慣や活動により生じる心臓からの様々な要求に応じて、血管が屈曲、拍動、拡張できるようになることが期待されています2,3。

京都大学の循環器内科長でAbsorb Japan臨床試験の治験責任医師を務める木村剛教授は次のように述べています。「これまでの試験と同様に、ABSORB Japan試験の結果は、Absorbが優れた短期成績を示すこと、また血管に対し、将来的に治療が必要となった際の治療選択肢を残すことを示しています。体内で完全に分解される心臓用ステントは、経皮的冠動脈形成術における新たな進歩であり、体内に一切残留物を残さず時間の経過とともに血管をより自然な状態へ回復させるという、永久留置型の薬剤溶出ステントでは実現し得なかったことを可能にします。」

昨年アボットは、Absorbの安全性および有効性をXIENCEと比較した世界初の前向き無作為化比較試験であるABSORB II試験において、1年経過観察時点におけるAbsorbの総合的な臨床結果はXIENCEと同水準であるという良好な結果を発表しました。ABSORB II試験は主に欧州で実施され、CADを患う501名が登録されました。


ABSORB Japan試験で得られた主要な知見は以下のとおりです。

· 主要評価項目であるTLF(target lesion failure)の発生率は、Absorbで4.2%、XIENCEで3.8%でした(非劣性検定p<0.0001、優越性検定p=0.85)。TLFは、心疾患関連の死亡、治療対象血管が原因の心臓発作および虚血(治療対象血管の低酸素状態)を原因とする治療した病変の再手技を合わせたもので、TLFに関して1年経過観察時点での非劣性を証明できる検定力が設定されています。

· 主な副次的評価項目とした血管造影上のセグメント内LLL(late lumen loss)の発生率は、血管造影による95%の追跡調査の結果、Absorbで0.13±0.30 mm、XIENCEで0.12±0.32 mmでした(非劣性検定p<0.0001、優越性検定p=0.74)。LLLは、治療対象血管の手技直後の直径を、追跡調査時(今回は13ヵ月後)の血管造影図と比較した差です(単位mm)。
· AbsorbとXIENCEのいずれについても、definiteまたはprobableとされるステント血栓症(ST)の発生率は1.5%でした(p=1.0)。
· いずれのデバイスでも再手技が行われた割合は低く、Absorbで2.6%、XIENCEで2.3%でした(p=1.0)。

アボットバスキュラーの最高医務責任者兼メディカル・アフェアーズ部門バイスプレジデントであり、FACCおよびFSCAIでもあるチャールズ サイモントン医師は次のように述べています「ABSORB Japan試験の結果は、Absorbに関するデータの蓄積に貢献するものであり、体内で完全に分解されるステントが、初期段階では永久留置型の金属製ステントと同様に心臓の狭くなった血管を広げて血流を回復させ、その後金属製の薬剤溶出ステントとは異なり時間が経過すると自然に分解され、体内には一切残らないことを裏付ける新たな臨床的エビデンスとなっています。Absorbが完全に分解されるということは、人々の生活習慣に応じた血管の運動機能を回復させる可能性があることを意味しています。」

Absorbは、現在90ヵ国以上で販売されています。アボットは、現在米国および日本でのAbsorbの承認申請を提出しています。ABSORB Japan試験は、日本におけるAbsorb承認取得を目的として行われた臨床試験です。来る10月に開催される2015年度TCT(Transcatheter Cardiovascular Therapeutics)学会において、アボットはABSORB III試験およびABSORB China試験で得られた1年経過観察時における重要なデータならびにABSORB IIの2年経過観察時点のデータを最新研究成果のセッションで発表する予定です。

 現在、米国および日本ではAbsorbは治験医療機器であり、未承認製品であるため販売はされておりません。


[1] Based on worldwide device utilization rate. Data on file at Abbott Vascular as of April 2015.
[2] Absorb completely dissolves except for two pairs of tiny metallic markers, which help guide placement and remain in the artery to enable a physician to see where the device was placed.
[3] Preliminary evidence suggests that natural vessel function is possible with Absorb and may improve long term outcomes.
[4] The top 10 causes of death, World Health Organization. June 2011 
Available at: http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs310/en/index.html
[5] Coronary Artery Disease. National Heart, Lung and Blood Institute. May 2011 
Available at: http://www.nhlbi.nih.gov/health/health-topics/topics/cad/



Absorb生体吸収性薬剤溶出スキャフォールド(BVS)について
アボット社のBVSには、同社のXIENCE薬剤溶出ステントに用いられている、細胞増殖抑制剤のエベロリムスが使用されています。エベロリムスはNovartis Pharma AGにより開発され、アボット社は、同剤の薬剤溶出型冠動脈治療機器への使用に関して、同社よりライセンスを取得しています。エベロリムスはその細胞増殖抑制作用により、冠動脈ステントやスキャフォールドを体内に留置した際に生じる新生内膜増殖を抑制することが示されています。

冠動脈疾患について
心疾患は男女ともに世界の死因第1位であり、なかでも最も多いのは冠動脈疾患(CAD)です4,5。心臓に血液を供給する動脈(冠動脈)にプラークの蓄積により狭窄や閉塞が起こると、冠動脈疾患を発症し、胸痛や息切れを生じて心臓発作のリスクを増大させます。

アボットについて
私たちアボットでは、健康の力を通して人々が可能な限り最高の人生を生きることに貢献することに注力をしています。125年以上にわたり、私たちは最新の製品や技術を栄養剤、診断薬・機器、医療機器およびブランドジェネリック医薬品分野において世界中に提供してきました。これらが、多くの人々に人生の様々な場面で多くの可能性を創造してます。現在、私たち73,000人のアボット社員が、人々がただ長く生きるのではなく、良い生き方ができるように世界150か国以上で事業を展開しています。

アボット ジャパンについて
日本国内では、従業員約1,200人が診断薬・機器、栄養剤、そしてダイアベティスケア、バスキュラー、ビジョンケア製品を含む医療機器に関する製造、研究、開発、流通および販売とマーケティングに従事しています。東京、千葉に主要拠点を置いています。

アボット社(www.abbott.com)、アボット ジャパン(www.abbott.co.jp)、フェースブック(www.facebook.com/Abbott)ツイッター(@AbbottNews @AbbottGlobal)も合わせてご参照ください。
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