博士が置かれる厳しい環境と希望 研究室から届いた81名のリアルなエピソードを公開

研究内容をもとに優秀な理系学生をスカウトできる採用サービス『LabBase(ラボベース)』を提供している株式会社POL(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:加茂倫明)は、修士・博士の学生を対象に「博士のおかれる厳しい環境や悲惨な状況を実感するエピソード」と「博士に進んで活躍している、博士の未来は明るいというのを実感したエピソード」を募集し、81名の方に回答頂きました。
本リリースはそのうち一部を抜粋して紹介いたします。全回答は別途資料を用意しておりますのでそちらをご参照ください。
■調査背景
今年10月、旭化成名誉フェローの吉野彰氏がノーベル化学賞を受賞しました。この受賞の報道に関連して、博士号取得者の減少をとり上げるメディアもありました。こういった博士の課題に注目が集まる今、博士学生はどんな状況にあるのかを、当事者である博士学生とその姿を近くで見る修士学生に聞きました。

■博士のおかれる厳しい環境や悲惨な状況を実感するエピソード
(以下は、「あなた、または周りの方で「博士のおかれる厳しい環境や悲惨な状況を実感するエピソード」があれば教えてください。」という質問に対する回答。)

<民間就職の厳しさ>
一度博士課程に進むと、専門分野の枠を超えた就職がなかなか難しく、選択肢がかなり絞られるため、今後のキャリアパスが描けない。企業への就職を希望している場合、むしろ修士卒のほうが新しいことにチャレンジできるため、博士課程をやめるべきか真剣に考えた時期がある。(自分の経験)(博士 機械)

大学や研究所以外の就職先になると、博士卒のメリットがない。(給与が4大卒や修士卒と変わらない。)博士号を取得しても、自分の得意分野(持っている技術など)を発信して仕事に活かせる機会がない。(博士 医学)

非常に優秀な博士の先輩が、考え方が尖っているという理由で就職活動がうまくいっていない。博士で生き残るような人はある程度考え方が尖ってるのが普通だと思う。(修士 物理・数学)

せっかく頑張ったにも関わらず博士卒の就職口が非常に狭く、民間企業においては年齢など(特に女性の場合)むしろマイナスに思われるケースが多い。(修士 化学)

<金銭面>
日本学生支援機構の貸与奨学金の残高が950万円あります。現在は日本学術振興会特別研究員ですが、博士1年次終了時に免除申請をし、146万円の返還が免除された後の金額です。(博士 情報)

博士課程の先輩が奨学金制度に全て落ちて、昼ごはんをずっとうどんだけ食べる生活をしています。(修士 化学)

金銭面。私は来年から博士後期課程に進学するが、日本学術振興会の募集するDC1には通らなかった。そのため、給付型の奨学金に応募しているが、まだ来年度の収入源は決まっていない。このままだと、貸与型の奨学金をもらうことになるだろうが、今までの大学6年間も奨学金を借りているため返済額が大変な額になるだろう…(修士 化学)

学振を取れないと経済的に苦しくなるため、学振が取れるような「響きのいい」研究を新たに始めることになった。博士の先輩がいた。(修士 情報、機械)

<アカデミアのポストの少なさと厳しい競争環境>
ポストが少ない。助教の公募の倍率は、40倍を超えている。アカハラを受けても、その分野に精通している先生から嫌われたらその世界で生き残れないから耐えるしかない。県の機関にドクター枠がない。(博士 建築・土木、生物・農)

博士号を持つ〇〇大のポスドクの方に博士課程に進学したらその後の進路はどんな感じですか?と質問したところ、地獄と回答されました。その方は私から見ると並々ならぬ知識や研究力や精神力をお持ちで、大学の助教などになるべき人材だと思うが、ポストが無い。大学の助教などで、全く論文を書いていない人などが各大学に数人はいると思うがそのような人が解雇され、将来有望な若手研究者が少なくとも生活が安定した状態で研究に打ち込めるようになって欲しい。そのような現状なので私自身も日本学術振興会特別研究員(DC1)になれなければ博士課程には進学しないつもりです。(修士 電気・電子、物理・数学)

学部時代に所属していた研究室(バイオ系)の先輩が、博士取得後のポストが見つからず、応募した企業も全て不採用だったため、出身研究室で無給のポスドクをしている。大学内でも最上位クラスに優秀で、今後もアカデミアで分野を牽引することを期待され、当初はそのような志を持っていた博士の先輩方(理論物理専攻や計算化学専攻など)が、アカデミアの雇用の不安定さを嫌い、どんどん民間企業への就職を決め、分野を離れてしまっている。上記のような状況を間近で見た結果、最初はアカデミアで研究したいという熱意を強くもっていた同期達のほとんどが、博士課程への進学すら諦めてしまった。(修士 情報)

<その他>
自分の身の回りでは何人か博士課程を中途退学した先輩を知っているが、昨今ニュースで取り上げられるような経済面・博士号取得後の将来性などの原因は少ないように感じる。個人的には、もっと短期的な問題、例えば研究進捗が得られず博士号の取得が期待できない、人間関係にトラブルを抱えた、博士課程の精神的な辛さに耐えられなかったなどの原因が主要なように感じられる。(博士 物理・数学)

真面目にやっていた博士3年の人が、留年することになり、そして、研究室にも徐々に来なくなり、今ではその人がどうしているか皆もわからない状況です。(修士 電子・物理工学)

資金や進路という面での厳しさはもちろんであるが、日本で博士課程というと”学生”としてみなされている現状が一番厳しいと感じる。私は中国の大学院にも所属しているが、そちらの方ではどちらかというと”就職”に近いような印象を受け、指導教員から給料も支払われる。また、周りの方からもすごいといった評価をうけている。一方、日本では二十代後半になっても就職していないダメな人というレッテルを(特に田舎では)張られてしまう。とても理不尽な状況であると思う。(修士 化学)

■「博士に進んで活躍している、博士の未来は明るいというのを実感したエピソード」
(以下は、あなた、または周りの方で「博士に進んで活躍している、博士の未来は明るいというのを実感したエピソード」があれば教えてください。」という質問に対する回答。)

企業の海外研究所に留学に行き、卒業後の就職のオファーをいただきました。海外企業の研究所での仕事の話は修士課程ではあり得なかったことなので、博士課程に進学して良かったと思いました。(博士 化学)

自分は共同研究の関係で過去にスイスのETHで計4か月程度研究していた経験があり、その際にPhD defenseを何回か見に行ったことがあるが、言い方は悪いが「欧州のトップ大学でもこの程度の研究で博士号を取れるのか」と驚いた記憶がある。日本の大学でも何人かのPhD defenseを見た上で、かつ多少の同国人への贔屓を考慮したとしても、自分はある程度の自信をもって日本の博士学生は平均的に他国よりも優秀だと主張できる。これはそもそも日本では博士進学のハードルが高いためある程度優秀で覚悟の決まった学生しか進学しないなどの原因も背景にあるだろうが、いずれにしても大学は平均的に十分競争力を持った優秀な博士人材を輩出できているように感じるので、あとは社会が彼らを最大限活用できるよう仕組みを整えさえすれば、博士・社会双方に明るい未来が開けるのではないかと思う。(博士 物理・数学)

私の場合、〇〇大学のオールラウンド型博士課程教育リーデイングプログラムに参加し、理系の専門性だけでなく文系の副専攻、企業からのメンターの先生とのゼミ活動を通じて、参加する前に比べ単に一つの研究室で博士進学した場合では学べない多くの経験を積めたので、社会で博士経験を生かしていけると思っております。実際に、専門性+アルファを企業や社会は求めていると思います。社会に出て活躍する博士が増えて周りの博士に対する印象が変わってくれば、アカデミアに残る方、社会に出る方どちらに対しても状況は好転するのではと思いますが、現状は、私の友人の博士取得者でも海外の方が給料や研究環境、雇用条件などで国外に出てしまっている人も多いです。(博士 電気・電子)

機械系は博士重宝されてると思います。就活で困った話は聞きません。(修士 機械)

「博士に進めば安泰だろう」と感じたことは一度もないが、私の周りの博士の人を見ているととても優秀な人ばかりなので「この人だったらどこでも重宝されるだろうな」と思う。また、知り合いの一人は、博士取得後海外のメーカーに就職し、エンジニアとして高額の給与を得ている。海外に行けばドクターの評価は日本より高く、待遇も良いという話をよく聞く。(修士 物理・数学)

物理学出身の博士が、データサイエンス系の企業で大活躍し、最速で出世している。(修士 情報)

博士の先輩が、とある外資系企業の本選考をかなりショートカットして受験していた。(修士 物理・数学)

年齢にして5歳くらいしか変わらない博士卒業したての方が助教で赴任してこられたりしているので、そういう精力的に研究する若い方には輝かしいポストを得る夢があると思った。(修士 機械、電気・電子、 物理・数学)

他大学の助教ポストで研究を続け、学会や企業から評価されている(修士 経営工学)

就職がないと言われるみたいだが、自分の分野において周りで就職できなかった博士課程の卒業生はみたことがない。みな優秀だったからかもしれないが…。(修士 化学)

《調査概要》
【調査期間】2019年12月13日〜2019年12月16日
【調査対象】修士過程・博士課程に在籍する学生 81名

□LabBaseについて
『LabBase』は学生がデータベース上に自分の研究内容やスキルを書きこむだけで、企業からのスカウトを受けられるという理系に特化したダイレクトリクルーティング型の就活サービスです。学生は研究を続けながら、自分の専門知識を活かせる企業を知ることができます。一方、企業側は一般的なナビサイトなどの就活サービスではリーチできない、優秀で専門性を持った学生に直接アプローチできます。
学生ページ:https://labbase.jp/
企業ページ:https://labbase.biz/


□会社概要
会社名 :株式会社POL
代表者 :代表取締役CEO 加茂倫明
設   立 :2016年9月23日
資本金 :518,130,500円 (資本準備金含む)
所在地 :〒100-0004 東京都千代田区大手町一丁目6番1号大手町ビル9階
コーポレートサイト:https://pol.co.jp/

□代表プロフィール
代表取締役CEO 加茂 倫明(かも みちあき)
灘中学校灘高等学校卒業。東京大学工学部3年休学中。
高校時代から起業を志し、国内外3社での長期インターンを経て、2016年9月にPOLを創業。
LabTech(研究×Technology)領域で研究者や理系学生の課題を解決して科学と社会の発展を加速すべく、研究内容をもとに優秀な理系学生をスカウトできる新卒採用サービスの『LabBase』、産学連携を加速する研究者データベース『LabBase X』、研究の未来をデザインするメディア『Lab-On』などを運営している。
 
※以下、メディア関係者限定の特記情報です。個人のSNS等での情報公開はご遠慮ください。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります。

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。
※内容はプレスリリースにより異なります。

  1. プレスリリース >
  2. 株式会社POL >
  3. 博士が置かれる厳しい環境と希望 研究室から届いた81名のリアルなエピソードを公開