株式会社凜研究所への出資を実行
東大IPC、IPC1号ファンドから、がんの診断・治療に役立つ独自の抗体医薬を開発する株式会社凜研究所に出資
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社は、東京大学関連ベンチャーで、抗体を主体とした医薬品及び体外診断用医薬品の研究開発を進める株式会社凜研究所に対して、2億円の出資を実行しました。
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長 大泉克彦、以下「東大IPC」)が運営する協創プラットフォーム開発1号投資事業有限責任組合(以下「協創1号ファンド」)は、抗体を主体とした医薬品及び体外診断用医薬品の研究開発を進める株式会社凜研究所(本社:東京都中央区、代表取締役社長:吉松賢太郎、以下「凜研究所」)に対して、2億円の出資を行いました。
協創1号ファンドは、東京大学関連ベンチャーの育成促進と、東京大学を取り巻くベンチャーキャピタルの質・量の充実、を中心に据えて運用を行なうことで、東京大学の周辺に持続可能なイノベーション・エコシステムを構築し、世界のベンチャー創出拠点の一つとなることに寄与することを目的としています。具体的な運用として、今までに6つのベンチャーキャピタルへのLP出資(ファンド オブ ファンズ)と、18社の東京大学関連ベンチャーへの直接投資を行い、現在も積極的に東京大学関連ベンチャーへの直接投資を行っています。
今回の凜研究所への投資は、LP出資先でライフサイエンス・ヘルスケア分野に特化したベンチャー投資を行う株式会社ファストトラックイニシアティブ(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長 木村廣道)との共同投資になります。
凜研究所は、その研究担当取締役を務める松村保広博士(元国立がん研究センター東病院 先端医療開発センター 新薬開発分野 分野長、元東京大学大学院新領域創成科学研究科 がん先端生命科学分野 客員教授)の研究成果の臨床開発を進めるため2016年1月に設立された創薬ベンチャーです。エーザイ株式会社で医薬品の研究開発を長年リードした吉松賢太郎CEOのもと、がんの診断・治療に役立つ独自の抗体医薬を開発し、全く新しい抗体医薬を上市することにより、患者さんに回復への大きな希望を届けることを目指します。
ヒトの免疫機能として病原体などの異物が侵入した際に活躍する抗体ですが、特定の物質と選択的に結合するその性質を薬として活用した「抗体医薬」は今日世界で7兆円を超える製品分野へと成長しています。凜研究所では様々な抗体医薬を開発中ですが、その一つがタンパク質TMEM180に結合する抗TMEM180抗体です。大腸がん細胞で高発現し、正常な腸管上皮細胞には発現しないTMEM180を標的とするこの抗体を用いて、大腸がんをはじめとする難治性がんの治療を目指しています。凜研究所ではこの他にも、近年注目されるがん微小環境を構成する間質(かんしつ)中の不溶性フィブリンタンパク質を標的とした抗不溶性フィブリン抗体に薬物を付加した抗体薬物複合体(Antibody Drug Conjugate(ADC))など、複数の抗体医薬製品群を研究開発中です。
東大IPCは、抗TMEM180抗体がKRAS遺伝子変異を有する大腸がんなど、現時点で治療法に乏しいがんに対する新たな治療オプションを提供する可能性を持っていること、日本のアカデミア発研究シーズの臨床開発を支援することの社会的意義、などの理由からこの度の出資を決定いたしました。今後の凜研究所の事業について、東大IPCは積極的な支援を進めていきます。
また、東大IPCは、イノベーション・エコシステムの発展のため、ベンチャーキャピタルやオープンイノベーションを推進する企業との連携とともに、東京大学関連ベンチャーへの直接投資による育成促進を更に進めていきます。
株式会社凜研究所について
会社名 株式会社凜研究所(RIN Institute Inc.)
概要 抗体を主体とした医薬品及び体外診断用医薬品の研究開発
設立 2016年1月
所在地 東京都中央区新富2丁目5番10号 新富ビル3階
代表者 代表取締役 吉松賢太郎
URL https://rinmab.co.jp/
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)について
概要 東京大学周辺のイノベーション・エコシステムの発展を目指す投資事業会社
設立 2016年1月
株主 国立大学法人東京大学(100%)
所在地 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
代表者 代表取締役社長 大泉克彦
URL https://www.utokyo-ipc.co.jp/
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