旭化成の流水殺菌器が水銀灯を上回る殺菌効率を達成
~水銀を使用しない深紫外線殺菌~
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎、以下「当社」)は、小型UVC(深紫外線) LED流水殺菌器「Klaran(クララン) WR」の開発品の検証試験において、LEDを殺菌用光源として利用した流水殺菌器が水銀灯の殺菌効率(同じ消費電力あたりの流水殺菌能力)を75%以上上回る(※1)ことに成功したことをお知らせします。
(※1 大腸菌で検証、試験条件は「2. 検証結果」に記載)
(※1 大腸菌で検証、試験条件は「2. 検証結果」に記載)
- 検証の経緯
従来、殺菌用光源には水銀灯が一般的に用いられてきましたが、健康被害や環境負荷が懸念される水銀の利用については「水銀に関する水俣条約」が2017年に発効され、世界的に規制が強化されています。一方、LEDは水銀を使用せず、小型・軽量であり、設計の自由度など複数の点でメリットがあるものの、殺菌能力やエネルギー効率には課題がありました。
当社は世界最高水準の発光効率を持つ次世代UVC LED「Klaran LA」(開発中製品、図1右)を搭載した「Klaran WR (製品型番:WR2-24V-2U-B2、図1左)」の改良品を制作し(以下「開発品」)、既存水銀ランプを用いた流水殺菌器と開発品の間で、殺菌能力に関して比較検証を行いました。
図1 流水殺菌器「Klaran WR」(左)世界最高水準の発光出力をもつUVC LED「Klaran LA」(右)
- 検証結果
(※2 LRV…Logarithmic Reduction Value(対数減少値)のことで、菌類の殺菌性能を表す。)
これまでのUVC LED(発光効率1~5%)は水銀灯(発光効率20~40%)と比較して発光効率が低いため、同じ消費電力では流水殺菌能力が低くなるのが一般的でした。しかし、当社のもつ光学設計と流体設計の技術による流水殺菌器の性能向上と、発光効率が向上した当社のKlaran LAを使用することにより、消費電力が同等の水銀灯を用いた流水殺菌器の性能を上回るUVC LED流水殺菌器の実現に成功しました。当社は、本検証結果について殺菌用光源のLED化が加速する大きな技術的前進であると考えています。
図2 開発品(右)と市販の水銀灯式流水殺菌器(左)

機種 | ランプ部消費電力 | 製品重量 | 筐体サイズ |
当社開発品 | 約6W | 約125g | 約φ51mm×115mm |
水銀灯式流水殺菌器 | 約6W | 約400g | 約φ52mm×265mm |
図 3 開発品と水銀灯式流水殺菌器の大腸菌殺菌能力の比較
- 今後の計画
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