【武蔵野美術大学 美術館・図書館】安西水丸作品寄贈について
武蔵野美術大学 美術館・図書館は、イラストレーター・安西水丸が生涯にわたり手がけたイラストレーション原画や直筆原稿などの仕事の大部分の資料を、ご遺族から寄贈されることになり、2022年9月に寄贈契約を結びました。
このたびの寄贈は、2020年9月に当館で開催した展覧会「イラストレーションがあれば、」(https://mauml.musabi.ac.jp/museum/events/16439/)に安西水丸事務所から原画作品を借用し展示したことをきっかけに、「美術大学という後世のために作品を活用できる場所に寄贈したい」という申し入れを、ご遺族からいただいたことにより実現しました。
本学においてイラストレーションに関心を持つ学生は非常に多く、イラストレーションを学ぶ授業を開講している学科もあります。また、当館では約3万点のポスターをはじめイラストレーターの活動を知ることのできるグラフィック・デザイン資料を多く所蔵しており、それらは美術館での展示のみならず、日頃の授業においても活用されています。安西氏が第一線で活躍し続けた1970年代から2010年代までの期間は、数多くのイラストレーターやデザイナーが登場し、雑誌等のメディアを通してその表現が普及していった、日本のイラストレーション史、グラフィック・デザイン史にとって非常に重要な期間であったと言えます。長期にわたり広告から装丁まで幅広く活躍した安西氏の活動を辿ることのできる作品群は、本学にとって貴重な研究・教育資源となりうるものであり、学生がイラストレーションやグラフィック・デザインを学ぶ上で、大変価値のある資料であると考えます。
今回の寄贈作品については、今後当館にて調査・整理を進め、その全貌を紹介する展覧会を数年内に開催する計画です。さらに、段階的にデータベース化に取り組み、今後広く公開していく予定です。
※寄贈作品の調査・整理が完了するまで、作品の貸出・公開は原則として行いません。
- 安西水丸 略歴
1942年、東京生まれ。本名・渡辺昇。イラストレーター。日本大学芸術学部美術学科造形コース卒業。電通、ADAC(ニューヨーク)を経て、平凡社でアートディレクターを務める傍ら1971年から『ガロ』誌で漫画を発表。1981年からはフリーのイラストレーターとして広告、雑誌の表紙や挿絵、書籍の装丁を手がけ、小説、エッセイ、漫画、絵本などの自著も多く執筆。朝日広告賞、毎日広告賞などを受賞。
- 武蔵野美術大学 美術館・図書館
武蔵野美術大学 美術館・図書館 webサイト https://mauml.musabi.ac.jp
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