三井ホームが戸田市で木造3階建の事務所・倉庫を竣工
~木造で、ZEB Ready取得、スタッフへの健康配慮、地盤改良費低減、スギ370本分の炭素貯蔵、100名収容可能な無柱大空間を実現~
三井ホーム株式会社(本社:東京都江東区、社長:野島 秀敏、以下「当社」)は、株式会社進学研究会が使用する木造3階建の事務所・倉庫を設計・施工し、8月に竣工したことをお知らせいたします。本施設は高校受験向けの模擬テストを制作・採点・評価等を行う同社が、問題用紙の印刷・発送、回答用紙の回収・デジタル化、採点・評価・結果の発送等を行う事務所・倉庫です。

【本施設のポイント】
・ 木造で断熱性能が高く、ZEB Readyの認定を取得
・ 足腰に優しい木造の床により、スタッフの健康に配慮
・ 鉄骨造に比べて重量が軽い木造で、地盤改良費低減
・ 建築物への木材利用による環境配慮が評価され、国土交通省の令和6年度優良木造建築物等整備推進事業に採択
本施設は当初は鉄骨造で計画されていたものでしたが、環境への配慮やスタッフの健康への配慮を目的に、運営事業者が木造枠組壁工法で建築することを選択し、医院・介護・福祉施設等の木造施設建築の実績が6,000件を超えている当社が施工することとなりました。豊富な当社の施工実績において培った技術力によって、1時間準耐火の3階建て木造建築で、100名が収容できる無柱大空間の会議室等を実現しています。また、ZEB Readyという断熱・省エネルギー性能を確保するため、注文住宅の仕様として標準の高断熱屋根パネルである「ダブルシールドパネル」を搭載しています。
当社は、サステナビリティブランド「&EARTH with WOOD」を掲げ、今後も環境負荷を低減するサステナブルな循環型資源である「木」を活かし、人と地球環境にやさしい施設系建築物の提供に努め、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
1.本施設の概要
本施設は、高校受験向けの模擬テストを主催している株式会社進学研究会が、模擬テストの印刷、発送、スキャン等を行う施設として建築されたものです。鉄骨造で計画されていましたが、木造のメリットに同社が着目し、当社の枠組壁工法にて設計・施工をしています。

建築地 :埼玉県戸田市新曽南2丁目11-2
建築主 :株式会社進学研究会
施設名称 :株式会社進学研究会 戸田オペレーションセンター
建物用途 :倉庫(倉庫業を営まない倉庫)・事務所
設計監理 :三井ホーム株式会社
施工 :三井ホーム株式会社
都市計画 :第一種住居地域 建蔽率60% 容積率200%
敷地面積 :665.18㎡
建築面積 :380.30㎡
延床面積 :1045.14㎡
規模・構造:木造枠組壁工法(1時間準耐火建築物)・3階建
工事工期 :2024年12月着工~2025年8月竣工
2.本施設の特長
(ア)「ZEB Ready」を取得した断熱性能の高さで冷暖房効率の向上
2024年2月に発表された国土技術政策総合研究所の調査によれば、2030年度の目標とされている「ZEB基準の水準」の達成率は19.4%。建物用途「工場等」を除くと14.2%とされていますが、「ZEB Ready」の達成率は7.8%、さらに建物用途「工場等」を除いたものは3.3%とされており(※1)、今後の普及が課題とされています。本施設は、戸建で標準仕様としている「ダブルシールドパネル」を使用したことに代表される断熱仕様と、そもそもの木造の断熱性能の高さにより、建築物省エネ法で国が定める基準と比べ、一次エネルギー消費量50%以上削減という高い水準を実現しました。同基準の一次エネルギー消費量を50%以上削減することで適合するBELS評価の「ZEB Ready」を取得しています。これは、ZEBシリーズの中でも、「ZEB Oriented」を超える省エネ性能の高さです。
この水準の建物の断熱性能の高さにより、冷暖房効率は一般の事務所・倉庫よりも高いものになっているといえます。

※1 2024年2月19日 国土技術政策総合研究所のプレスリリース
オフィスビル等の省エネ性能に関する最新調査結果を公表
https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/kisya/journal/kisya20240219.pdf
(イ)足腰に優しい木造の床により、スタッフの健康に配慮
当社の大規模福祉施設等での施工実績を踏まえ、鉄骨造や鉄筋コンクリート造よりもクッション性の高い木造の床で、スタッフの転倒によるリスクや足腰への負担を軽減しています。また、プランとしても、3階の事務所の一部には、スタッフのリラックス、リフレッシュなどそれぞれの「RE」を行える空間「RE... ROOM」を用意し、作業効率の向上を目指しました。


(ウ)鉄骨造に比べて重量が軽い木造で、地盤改良費低減
木は鉄よりも重量が軽いため、当然鉄骨造の建物に比べて、木造は建物重量が軽い上、枠組壁工法は建物荷重を基礎にバランスよく分散できます。その結果、高額となる杭基礎ではなく、地盤改良で対応ができており、コスト削減につながっています。
(エ)建築物への木材利用による環境配慮が評価され、国土交通省の優良木造建築物等整備推進事業に採択
本施設は、構造体を木造にしたことにより、生長過程でCO2を固定した木材を長期間建物として貯蔵することとなります。木材使用量は273㎥で、炭素貯蔵量は187 t-CO2、スギの木(50年生)で370本に相当します。
これを含めた木材利用による環境配慮が評価され、令和6年度優良木造建築物等整備推進事業に採択されています。

(オ)木造でも実現可能な大空間
5階建てや6階建ての大規模木造建築の実績がある当社は、その際に培った設計上の工夫により、1階は3.2mという高天井の空間を実現いたしました。また、過去の5階建て大規模福祉施設(※2)を施工した際の経験を生かし、2階の耐力壁に2×6(ツーバイシックス)耐力壁をダブルで配置して強度を高め、3階の会議室は100名集まる会議室として幅8.1m、奥行き12.8mの大空間とすることができました。
※2 2022.08.30 ニュースリリース 木造5階建て特別養護老人ホームが完成
https://www.mitsuihome.co.jp/company/news/2022/0830.html




株式会社進学研究会 代表取締役社長 山田英寿様のコメント
当社は今年で創業から76年。100年続く企業には、堅実な経営方針、顧客や従業員を大切にする姿勢、時代に合わせて柔軟に変化するチャレンジ精神といった共通の特徴があるそうです。
この度竣工した戸田オペレーションセンターは、100年企業を目指す当社のチャレンジ精神の表れです。製品の梱包・発送、答案の確認・データ化・保管といった業務をあえて内製し続けるのは、ノウハウは財産と考え、当施設を単に物流センターではなく、最先端の技術を柔軟に取り入れ、社業をリードする拠点となって欲しいという思いからです。
土地の有効活用のため3階建てを前提としたとき、重量鉄骨一択かと思いましたが、コストに優れた木造を提案していただき、さらに様々な課題もクリアしていただけました。
1、2階は作業性に優れた高天井と、天井配線によるフラットな床面を、3階は100名が一堂に会せる空間を実現。働く人にとって優しい温かみのある施設ができたと思っています。

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