アルヴァート社、物流拠点のコンベアシステムを刷新
― PC制御技術と分散型モータコントローラ 「EP7402」の導入で電力・騒音を大幅削減、処理能力1.5倍へ
ベッコフオートメーション(ドイツ・フェアル)の製品と技術は、世界各国の多様な業界で活用されています。今回は、ドイツのグローバル物流企業であるアルヴァート社の物流コンベアシステム刷新事例を公開いたします。同社は、PC制御技術と分散型モータコントローラ「EP7402」の導入により、処理能力・省エネ性・静音性を一挙に向上させ、持続可能な物流インフラへの転換を実現しました。

「EP7402」導入の背景
アルヴァート社(本社:ドイツ・ギュータースロー)は、世界100拠点でB2B/B2C物流サービスを展開するグローバル物流企業です。同社のハルゼヴィンケル拠点にて、ベッコフのPC制御技術をベースに、設備設計会社ブッデシステムズ社の協力のもと、中央リング型コンベアシステムの全面刷新を行いました。長さ250mを超えるこのコンベアラインは、従来の三相モータ駆動方式から、ベッコフのPC制御技術と24Vローラモータ、および分散型モータ制御モジュール「EP7402 EtherCATボックスモジュール」約200台で構成される最新システムへと置き換えられました。これにより、1時間あたりの処理能力は2,000パッケージから3,000パッケージへと約1.5倍に向上しました。同時に、電力消費と騒音の大幅な低減を実現し、現場の作業環境とエネルギー効率の両面での改善に成功しています。
中核となる「EP7402 EtherCATボックスモジュール」は、物流・包装・食品・アセンブリといった幅広い産業分野での使用を想定した、IP67準拠・高耐久の分散制御ユニットです。以下のような特長を備えており、柔軟かつ信頼性の高い制御を実現しています。
「EP7402」 EtherCATボックスモジュールの特長
-
IP67準拠の防塵・防水性能(保護カバー不要)
-
コンパクトな設計(174 x 60 x 36.5 mm)
-
2台のローラモータを直接制御可能
-
センサやセーフティシステムとの接続に対応
-
ワンケーブルオートメーション(OCA)による通信・電源の一体化
-
ベンダー非依存で多様なコンベアブランドに対応
-
ゼロプレッシャーアキュムレーション(ZPA)*による自律的な搬送制御
* パッケージ同士が接触・衝突しないよう、コンベア上の各ゾーンで自律的に搬送タイミングを制御する機能。

システム設計と現地導入を担当したブッデシステムズ社は、モジュール化されたコンベアセグメントの事前製造・配線により、現地工事の大幅な短縮と効率化を実現しました。また、制御には超小型PC「C6030」と制御ソフトウェア「TwinCAT 3」を採用。HMI(ヒューマンマシンインターフェース)により、稼働中のセグメント状態の可視化と迅速なトラブルシューティングも可能です。
アルヴァート社 シニアエンジニアのマーカス・ウォルハーン氏は次のように述べ、同社の将来設備への技術展開を強調しました。
「EP7402とベッコフのワンケーブルオートメーション技術により、メンテナンス性と将来設備への拡張性が大きく向上しました。今回の成果は、他の倉庫拠点にも波及させていきたいと考えています。」
記事全文:
https://www.beckhoff.com/media/downloads/application-reports-downloads/2025/pcc_0125_arvato_jp.pdf
EP7402製品ページ:
ベッコフ物流産業向けソリューション:
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像