AIアバターと対話しながら保健指導を学ぶ新教材を宮城大学×NTT ExCパートナーで共同開発
―保健師課程学生の保健指導実践力向上を支援―
宮城大学 看護学群・地域看護学領域および基礎看護学領域(代表:江角伸吾教授、以下「宮城大学」)と、株式会社NTT ExCパートナー(エヌ・ティ・ティ エクシーパートナー 本社:東京都千代田区、代表取締役社長:梶原全裕、以下「NTT ExCパートナー」)は、宮城大学が有する保健医療分野の専門知見と、当社が有するAIアバター技術を活用した「医療系人材育成のためのAIアバターを用いた革新的教育教材の開発と評価」をテーマとする共同研究を開始しました。
本共同研究の第1弾として、保健師課程の学生がAIアバターとの対話を通して、保健指導を実践的に学習できる教材を開発しました。
本教材では、生活習慣や健康状態、健康に対する考え方などを設定したAIアバターを模擬対象者として、学生が生活習慣の振り返りを促す質問や健康情報の提供、行動変容に向けた支援などを繰り返し練習することができます。限られた授業時間や人的資源の中でも、学生一人ひとりの実践機会を拡充し、講義や対面演習を補完する新たな学習環境の構築を目指します。
1.開発の背景 ― 「知っている」から「できる」へ
保健指導では、疾病予防や健康づくりに関する知識を伝えるだけでなく、対象者の生活背景や価値観、健康に対する考えを理解し、本人が主体的に健康行動を選択できるよう支援する力が求められます。そのため保健師課程学生には、知識の習得に加え、対象者との対話を通して情報を引き出し、状況に応じて説明や働きかけを調整する実践的な能力が必要です。
一方、こうした能力を身につけるには、ロールプレイや模擬対象者との演習を繰り返し経験することが重要ですが、授業時間、教員数、模擬対象者の確保などには限界があります。また、学生によって必要な練習量は異なり、「もう一度試したい」「異なる聞き方を試したい」と思っても、授業内だけでは十分な機会を確保しにくいという課題があります。さらに近年では、実習施設の確保や実習日数・体験内容には制約があり、学生が十分な実践経験を得ることが難しいという課題があります。
そこで本共同研究では、宮城大学が有する保健医療の知識・技術と、NTT ExCパートナーが有するAIアバター技術を組み合わせ、学生が自分のペースで保健指導を繰り返し練習できる学習教材を開発しました。AIアバターを正解提示のためのツールとしてではなく、学生の問いかけに応答する「模擬対象者」として活用する点が、本教材の特徴です。

2.開発した教材の概要
本教材は、[特定保健指導における積極的保健指導]を想定した対話型シミュレーション教材です。AIアバターには、年齢、生活習慣、健康状態、仕事や家庭の状況、健康に対する認識、行動変容への準備性など、対象者としてのプロフィール等を設定しています。学生は、画面上のAIアバターを相手に、実際の保健指導を想定した対話を行います。
学生の質問や説明に対してAIアバターが応答するため、一問一答ではなく、学生の働きかけによって対話の展開が変化します。学生は、対象者の生活背景や思いを引き出し、健康課題を共有しながら、実行可能な行動目標を一緒に考えるプロセスを体験します。
3.本教材の3つの特徴

特徴1 AIアバターを「保健指導対象者」として活用
生成AIに知識や正解を尋ねるのではなく、AI側に対象者の人物像や状況を設定し、学生が保健指導を行う相手として利用できるため、対人支援に近い学習が可能です。
特徴2 多様なアプローチを繰り返し実践可能
同じ事例に対して「質問の順序を変える」「説明方法を変える」「対象者の言葉をさらに掘り下げる」など、異なるアプローチを試すことができます。学生は、ルーブリック評価を通じて自身の特徴を把握しながら、失敗を恐れず繰り返し挑戦し、試行錯誤を重ねることが可能です。
特徴3 対面演習を補完し、学生一人ひとりの実践機会を拡張
本教材は、教員や模擬対象者による対面演習を代替することを目的としていません。事前練習や実習前の復習としてAIアバターとの対話を取り入れることで、対面演習をより深い学びにするとともに、限られた教育資源の中で学生一人ひとりの練習機会を広げることを目指します。
4.想定する学習の流れ

① 事前学習
保健指導に必要な知識や基本的な対話技術を確認する。
②AIアバターとの対話
AIアバターを対象者として、情報収集、対象理解、情報提供、行動目標の検討などを行う。
③振り返り
自分の質問や説明、対象者の反応を振り返り、「何ができたか」「次にどう変えるか」を整理する。
④再チャレンジ
必要に応じて同じ事例へ再挑戦し、異なるアプローチを試す。
5.教育効果を科学的に検証
「新しい技術を使った」という事実だけでなく、実際に学習成果につながるかを検証することが重要です。今後2029年3月31日まで、本教材を用いた教育プログラムを実施し、学生の学習成果や教材の有用性を多面的に評価します。評価では、特定保健指導に関する知識、学習者の自信、学習意欲、教材のユーザビリティや受容性などを確認する予定です。得られた結果をもとに教材や学習プログラムを改善し、AIアバターを活用した教育方法の有効性と課題を明らかにしていきます。
6.今後の展開
宮城大学では、本教材で得られた知見をもとに、対象者設定や学習場面を拡充し、さまざまな健康課題に対応できる教育教材へ発展させることを検討しています。また、看護基礎教育だけでなく、保健師をはじめとする保健医療専門職の卒後教育や研修などへの応用可能性についても検討していきます。
AI技術の活用と対面教育の強みを生かしながら、対人援助職の教育において「人と向き合う力」をどのように育てるかという観点から、宮城大学とNTT ExCパートナーで、対面教育とAI技術を適切に組み合わせた教育モデルの構築を目指します。
また、「医療系人材育成のためのAIアバターを用いた革新的教育教材の開発と評価」をテーマとする共同研究の第2弾として、基礎看護学領域における患者との意図的コミュニケーションを題材に教材の開発を進めております。こちらの教材は、2026年11月にリリースを予定しています。
7.本取り組みについて

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教材名称 |
看護師・保健師コミュニケーションプラクティスAI |
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開発主体 |
宮城大学・看護学群・地域看護学領域 |
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技術提供 |
NTT ExCパートナー |
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対象 |
看護学生/保健師課程学生 等 |
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共同開発・検証期間 |
2026年3月1日~2029年3月31日 |
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研究費・共同研究開発 |
(テーマ)医療系人材育成のためのAIアバターを用いた革新的教育教材の開発と評価 |
8.お問い合わせ先
株式会社NTT ExCパートナー
<本取り組みに関するお問い合わせ>
テクノロジー本部 DXソリューション部 コンテンツ部門 吉野、安部
Mail:ai-taiwa@nttexc.co.jp
<報道機関からのお問い合わせ>
経営企画部 経営企画担当 出口、岩佐、立石
Tel : 03-5860-3360/Mail : press@nttexc.co.jp
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