iCD協会とクラヴァンス、AI時代のIT人材評価体系の整備・普及に向けて連携
クラヴァンスが提唱する「FDE評価体系」を、iCDの正式な参照体系の一つに採用。ITSS・DSS・SFIA等の外部体系に加え、AI時代の人材能力を可視化
一般社団法人iCD協会(東京都千代田区、理事長:木田 徳彦、 以下「iCD協会」)とクラヴァンス株式会社(東京都江東区、代表取締役:小関 繁、以下「クラヴァンス」)は、AI時代に求められるITエンジニアの能力評価体系の整備および活用に向け、「FDE評価体系の活用及び連携に関する覚書」を締結しました(締結日:2026年10月15日)。
本覚書に基づき、iCD協会は、ITSS(ITスキル標準)、DSS(デジタルスキル標準)、SFIA(英国発の国際的なスキルフレームワーク)等の外部体系に加え、クラヴァンスが提唱するForward Deployed Engineer(FDE)評価体系を、iCD(iコンピテンシ ディクショナリ)の整備・活用における正式な参照体系の一つとして採用します。
両者は今後、FDE人材に求められる能力や測定因子と、iCD上のタスク・スキルとの対応関係を整備し、「FDEビュー(仮称)」を通じた参照を可能とする取り組みを進めます。
これにより、課題定式化力、AI活用力、顧客合意形成力など、AI時代に重要性が高まる能力を体系的に捉え、IT人材の能力可視化、評価、人材育成への活用を目指します。
1. 連携の背景:AI時代に変化するITエンジニアの役割
生成AIやAIエージェントの進化により、ソフトウェア開発やITサービスの提供プロセスは大きな変革期を迎えています。
AIによるコード生成、テスト、設計支援などが進展する中で、ITエンジニアには、従来の技術知識や実装能力に加え、顧客や事業の課題を理解し、AIを活用して解決策を構築し、成果へとつなげる能力が一層求められるようになっています。
従来のスキル・経験情報では、こうした能力を十分に捉えきれないという課題があります。
クラヴァンスは、このような変化を踏まえ、AI時代に求められるエンジニアの能力を多面的に捉えるFDE評価体系を提唱してきました。
今回、IT人材のタスク・スキル体系であるiCDとの連携を進めることで、FDE人材に求められる能力を既存のタスク・スキルと関連づけ、企業や人材育成の現場で参照・活用しやすい体系の整備を目指します。
2. FDE評価体系とは
海外のAI企業などで用いられるForward Deployed Engineer(FDE)という職種に着目し、クラヴァンスは、顧客や事業の課題を理解し、技術とAIを活用して具体的な成果につなげる能力を独自に評価体系化しました。
クラヴァンスが提唱するFDE評価体系は、AI時代のITエンジニアに求められる能力を、5つの評価軸と15の構成能力で体系化したものです。

図:クラヴァンスが提唱する「FDE評価体系」の全体像。AI時代のITエンジニアに求められる能力を、5つの評価軸と15の構成能力で体系化。
従来の技術知識や開発経験だけでは捉えきれない、課題を見極める力、AIを活用して実行する力、迅速に成果を形にする力、関係者との合意を形成する力、技術的な妥当性を判断する力を多面的に捉えます。
本評価体系では、技術的な専門性に加え、曖昧な要求を構造化する能力、AIを活用して実装・検証を進める能力、短期間で仮説を検証する能力、関係者間の合意形成を推進する能力などを体系的に捉えます。
これにより、従来の技術スキルや経験年数だけでは捉えきれない、AI時代のエンジニアに求められる能力を可視化するための評価の枠組みを提供します。
3. 今回の覚書に基づく主な連携内容
(1)FDE評価体系の正式な参照体系への採用
iCD協会は、クラヴァンスが提唱するFDE評価体系を、iCDの整備・活用における正式な参照体系の一つとして採用します。
(2)FDEビュー(仮称)の整備
FDE評価体系に定める評価軸、構成能力、測定因子と、iCD上のタスク・スキル・知識項目などとの対応関係を整備します。
これらの対応関係を「FDEビュー(仮称)」として参照できるよう、必要な検討と整備を進めます。
(3)タスク・スキルディクショナリの拡充
FDE評価体系との対応関係を調査し、既存のiCDでは十分に表現できないタスクやスキルがある場合には、必要な追加・更新を検討します。
クラヴァンスはFDEに関連するスキルディクショナリの監修を担当し、専門的な知見に基づく提案・確認・助言を行います。
(4)継続的な情報交換と評価体系の更新
両者は、AI技術の進展、市場環境、人材要件の変化などを踏まえ、継続的な情報交換と協議を行い、FDE評価体系および関連するiCDの整備・更新に協力します。
4. 今後の展望
iCDの正式な改訂、版管理および公開はiCD協会が決定します。
両者は、FDE評価体系とiCDの対応関係を整備することで、企業や人材育成機関がAI時代に求められる能力を理解し、人材評価や育成に活用できる環境の構築を目指します。
また、技術動向や人材要件の変化に対応して継続的な見直しを行い、実務に即した評価体系の整備に取り組みます。
今後も両者は、AI時代のIT人材の能力可視化と育成に貢献してまいります。
5.両者コメント
一般社団法人iCD協会 専務理事 遠藤 修
当協会ではこれまで、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)から運用を引き継ぐ形で、SFIAやDSSとの連携を図りながら、iCDの維持・拡充及び活用支援に努めてまいりました。これら外部標準との連携は、iCDをご活用いただく企業の皆様に具体的なソリューションを提供するのみならず、iCDそのものの品質の向上にも大きく寄与するものと考えております。
この度、クラヴァンス株式会社の提供するフレームワークが、これら外部標準に比肩する優れた内容であることに鑑み、同社とコラボレーションさせていただくことは、iCDが大きく発展する絶好の機会になると考えております。クラヴァンス株式会社におかれましては、スキルディクショナリの刷新・更新にあたっても多大なるご協力をいただいており、引き続きのご尽力に対し、改めて心より感謝申し上げます。
クラヴァンス株式会社 代表取締役 小関 繁
私たちは、従来の技術スキルや経験年数だけでは捉えきれないエンジニアの能力に着目し、AI時代に求められる能力を体系的に評価するFDE評価体系を提唱してきました。
今回、iCD協会との連携によって、本評価体系がiCDの正式な参照体系の一つとして位置づけられることは、この取り組みをより多くの企業や人材育成の現場につなげる重要な一歩だと考えています。本評価体系の意義をご理解いただき、今回の連携にご賛同いただいたiCD協会の皆様に、心より感謝申し上げます。
今後も、iCD協会との協力を深めながら、ITエンジニア一人ひとりの能力と可能性を適切に可視化し、その価値が正しく評価される環境づくりに取り組んでまいります。
■一般社団法人iCD協会
本社所在地 : 〒101-0046 東京都千代田区神田多町2-2-22千代田ビル6F
理事長 : 木田 徳彦
設立 : 2018年2月
事業概要:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公開した「iCD(iコンピテンシ ディクショナリ)」に関する調査及び研究、普及啓発及び指導、情報の収集及び提供等
URL : https://www.icda.or.jp/
■クラヴァンス株式会社
本社所在地 : 〒135-0064 東京都江東区青海2-7-4 the SOHO 1104
代表 : 小関 繁
設立 : 2022年7月
事業概要:IT人材のスキル・経験を可視化・分析するHuman Capital Intelligence Platform
「SOCRATES」のクラウドサービスを開発・提供しています。
技術領域(TechType)、役割・職務特性(RoleType)、AI時代に求められるFDE能力などの自動分析を通じ、IT人材のアセスメント、案件分析、人材育成、配置、人×案件自動マッチング、人的資本活用を支援しています。
URL : https://cravans.com/
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