「伝えつづける、求めつづける、平和。」戦後80年、童心社はこれからを生きる子どもたちに向け、新たな3つの作品を刊行します。
子どもの本と紙芝居の出版社・童心社は、戦争体験者の方の声を聞く機会が少なくなっている今、子どもたちが戦争の実相にふれ、平和について考える本を3点刊行いたします。

童心社 戦後80年のメッセージ
伝えつづける、求めつづける、平和。
私たち童心社は、1957年に創立しました。
めざしたのは、戦時中に戦意高揚のプロパガンダに利用された紙芝居を
子どもの文化として取り戻すことでした。
1冊の本、1冊の紙芝居が、
子どもの無垢な心を戦争に向かわせてしまう恐ろしい力を持ちうることを、童心社をつくった人たちは知っていました。
だからこそ、創立以来ずっと平和を求める出版活動をつづけてきたのです。
これまで私たちが平和を強く願う作家たちとともにつくってきたのは、単なる戦争の事実の羅列ではありません。
子ども自身が戦争の実相にふれ、平和とは何かを考えるためのもの――子どもの心を動かす表現としての本や紙芝居です。
戦後80年をむかえ、戦争体験者の声を直接聞く機会はますます少なくなっています。
体験者ではない大人が、体験者ではない子どもに、何を、どのように伝え、ともに考えていくのか。
今年私たちは、3つの新しい作品を出版します。
いずれも、未来を生きる子どもたちにこそ届けたい作品です。
私たちはこれからも、平和な世界に生きることの意味を、伝えつづけ、求めつづけていきます。
2025年 童心社
なぜ、戦後80年のことし、この3作を刊行するのか
2025年は戦後80年という大きな節目。
戦争体験者の声を直接聞くことが難しくなっている今、童心社が伝えつづけたいのは、3つの作品にこめた、3つのことです。
=沖縄では子どもが戦場に立たなければならなかったという現実を、伝えつづける=
『子どもも兵士になった 沖縄・三中学徒隊の戦世』
=子どもたちの日々のくらしや大切な人が、原爆によって一瞬にして奪われたことを、伝えつづける=
『1945年8月6日 あさ8時15分、わたしは』
=被爆者としての人生と、その体験を受けつぐ家族の物語があることを、伝えつづける=
『Garden 8月9日の父をさがして』
新刊書誌情報
4月下旬刊行予定【沖縄戦】『子どもも兵士になった 沖縄・三中学徒隊の戦世』

真鍋和子・著 多屋光孫・絵
ISBN978-4-494-02089-8/239P/四六判/小学校高学年~
定価1,980円(本体1,800円+税10%)
くらしや学ぶ権利を奪われ、兵士となった沖縄三中学徒兵たちの日々を、資料や証言をもとに綴るノンフィクション
1944年9月。沖縄県名護市に独立混成第四四旅団の主力、第二歩兵隊が進軍した。
この日を境に沖縄三中生全員の運命が大きく変わることになる。
軍事教練ののち、1945年の3月には鉄血勤皇隊が組織されることが決まった。
学徒たちが生きた沖縄県北部の山岳での戦世(いくさゆ)の日々、そして戦後学友たちの慰霊碑を建立するなど平和を願いつづけるその後の人生を描くノンフィクション作品。


6月下旬刊行予定【広島の原爆】『1945年8月6日 あさ8時15分、わたしは』

あまんきみこ/アーサー・ビナード/小川俊子・文
いわさきちひろ・絵
ISBN978-4-494-02255-7/48P/B5変型判/小学校中学年~
定価1,870円(本体1,700円+税10%)
原爆で一瞬にして大切な人を失った広島の子どもたちの思いを、言葉を受け継ぎ、美しい絵とともに紡ぐ絵本。
日本ではじめて戦争をテーマにつくられた絵本『わたしがちいさかったときに』(童心社)の刊行から58年。この本に収録された子どもたちの言葉を今につなげてくれるのは、児童文学作家のあまんきみこさん、詩人のアーサー・ビナードさん、当時の執筆者である小川(旧姓・長野)俊子さんが綴る言葉と、いわさきちひろさんの美しい絵。今を生きる子どもたち、そしてすべての人へ。

本作の子どもたちの言葉より
●その日はお友達といっしょに近所に遊びに行きました。ピカ! と光った時、私は遊んでいた家の下じきになっていました。
●ぼくが「お父ちゃん」「お母ちゃん」と心でつぶやいても、お父ちゃん、お母ちゃんは、なにもつぶやいてくれません。
せんそうはいやだ。たたかいはいやだ。ぼくはそう思う!


6月初旬刊行予定【長崎の原爆】『Garden 8月9日の父をさがして』

森越智子・作 大野八生・絵
ISBN978-4-494-02090-4/167P/四六判/中学生~
定価1,980円(本体1,800円+税10%)
被爆体験を語らず、家族を守り続けた父。遺された被爆者手帳からはじまる、あの日の父をさがす物語。
1945年8月9日――長崎に暮らす12歳の父は、爆心地から800mの場所にあった中学校へ、午前中だけの試験を受けに登校した。掃除当番をさぼって浦上駅から列車に飛び乗り、山一つ越えた疎開先に近い地点で被爆したが助かったという。
しかし父の死後、被爆者手帳に「入市」の文字を見つける。なぜ父は原爆投下直後の市街へ戻ったのだろうか――。
これは、童心社編集長の父が遺した被爆者手帳から始まった、取材と執筆の旅。9年の歳月をかけて、言葉にできない被爆者の思いを紡ぎました。
現代からあの日をたどり、あの日とつながる私たちのこれからを見つめます。


今年も「伝えつづける」を続けます。
童心社「note」では、戦後80年のマガジンを開設。
戦争を伝え、平和をともに考えるために続けてきた童心社の「伝えつづける」仕事について、年間を通して紹介します。


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