「RE-BED project」始動、環境省の広域認定制度を活用
日本初、水平リサイクル樹脂を採用したベッドを発売
パラマウントベッド株式会社 (本社:東京都江東区、代表取締役 社長執行役員:木村友彦、以下「当社」)は、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に向けて、これまで継続して取り組んできた資源の効率的な再生利用と廃棄物の適正な処理に関する活動を、「RE-BED project」と名付け、本格始動いたします。
「RE-BED project」は、当社が2012年に環境省より認定を受けた「広域認定制度(※1)」を活用して使用済みの当社製の医療・介護用ベッドの再資源化を強化するとともに、サステナビリティの推進および新たな事業機会の創出をグループ全体で一層推進してまいります。
また、「RE-BED project」の始動に伴い、当社では水平リサイクルの実用化の成果として、再資源化された材料を一部に採用した在宅向け介護ベッドの新製品を発売いたします。

■「RE-BED project」始動の背景
医療・介護用ベッドは、高い耐久性と安全性を備えている一方で、廃棄時の環境負荷や老朽化の進んだベッドがメンテナンスされずに利用され事故につながる場合があることが課題となっていました。当社では、これらの製品を単なる廃棄物としてではなく、再資源化可能な価値ある資産として捉え、3R(リデュース・リユース・リサイクル)を意識した取り組みを推進しています。具体的には、グループ会社であるパラテクノ株式会社はメンテナンスを通じて製品の長寿命化を図り、廃棄物の削減(リデュース)に貢献しています。また、同じくグループ会社であるパラマウントケアサービス株式会社(以下「パラマウントケアサービス」)は、製品の再利用(リユース)を主軸とした福祉用具レンタル事業を展開しています。さらに、製品の再資源化(リサイクル)を実現するためには、「広域認定制度」の活用が不可欠であると考え、当社は2012年4月、業界に先駆けて同制度の認定を受けました。
広域認定制度の認定および運用開始以来、当社は全国約200社の収集運搬事業者および約30社の処理施設と連携し、独自の回収スキームを構築してきました。ベッドは1台から回収が可能で、納品と回収をセットで行うことで、ワンストップサービスを実現しています。

現在では全国約2700事業所のお客様のご協力のもと、広域認定に基づく当社の処理量は年々拡大しており、2024年には1万2000トンを超えました。再資源化されたベッドの累計台数は約8万5000台にのぼり、ごく一部が埋立処理されることを除き、再資源化率は99%を達成しています。

こうした取り組みの中で、当社は2022年より、使用済み製品を同種の部品へ再び活用する「水平リサイクル」技術の実用化にも挑戦してきました。その結果、広域認定制度のもとで回収を進めていた在宅介護用ベッドにおいて、再生樹脂材料を混合しても、新製品に適用される品質基準を満たす樹脂ボードの開発に成功しています。
■日本初、水平リサイクルの樹脂を活用したベッドを発売
8月末に発売する在宅介護用ベッド「楽匠Fit(フィット)」には、自社の使用済み「楽匠」シリーズ製品から再生された樹脂材(※2)を2%含有した樹脂ボードを採用しています。水平リサイクル樹脂を採用したベッドとしては、日本初の事例となります。

現時点では、主にパラマウントケアサービスの使用済みの「楽匠」シリーズ製品を回収しており、安定的に再生樹脂材の含有率を2%に保つことができています。今後は、より幅広いお客様にご協力いただきながら回収量の増加を図り、それに伴って再生樹脂材の含有率をさらに高めていくことも検討しています。
また、「楽匠Fit」には二酸化炭素(CO2)排出量の少ない電炉材(※3)の採用も進んでおり、品質の安定化や加工精度を確保したうえで、ベッド全体で10%の電炉材の使用を実現しました。
このように、再生樹脂材や電炉材の活用は環境負荷の低減と資源の有効活用に大きく貢献しています。「楽匠Fit」は安全性と性能を両立させた、環境配慮型の新たなモデルです。詳細はこちらをご参照ください。
■今後の展望
「楽匠Fit」を起点に、「RE-BED project」にご共感いただいたお客様とともに、資源循環型社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。
使用済みの当社製ベッドの処理量が拡大する中、今後は樹脂ボードにおける再生樹脂材の含有率をさらに高めるとともに、樹脂ボード以外の部品への技術転用も進めていきます。また、介護施設用ベッドや医療用ベッドの新製品への展開も積極的に検討してまいります。特に、環境に配慮した製品やサービスを積極的に採用している医療機関や介護施設への納入拡大を目指し、製品の納品と回収を一体化した効率的な運用体制を強化することで、お客様が安心してご利用いただける製品・サービスの提供を目指します。さらに将来的には、新たな事業機会の創出にもつなげてまいります。
「RE-BED project」は、単なる廃棄物処理の枠を超え、3Rの理念を全面的に推進する取り組みとして、当社グループのサステナビリティ推進における中核的な取り組みとして位置づけられており、当社のマテリアリティの一つである「環境に配慮した事業活動」と深く結びついています。今後は、製品設計から廃棄物処理まで一貫した環境配慮型の取り組みを一層強化することで、ブランドメッセージ「WELL-BEING for all beings」のもと、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
※1 広域認定制度とは、製造事業者が広域にわたって廃棄物となった自社製品を回収し、適正に処理するとともに、製品原料などとして再資源化することを環境省が認める特例制度です。この制度では、地方公共団体ごとの廃棄物処理業の許可が不要となるため、全国規模での回収・処理が可能になります。
※2 再生樹脂材は、新規原料から作るバージン材に比べて30~80%のCO2削減につながるといわれています。
※3 電炉材は、スクラップ材を再利用して製造されるため、従来の鋼材(高炉材)と比較してCO2排出量が約1/4〜1/6に抑えられるとされています。
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