アメリカン・エキスプレス、「企業間決済(B2B)のキャッシュレス化」に関する2024年最新調査を発表
クレジットカード決済を希望する声が6割以上、3年後に期待されるキャッシュレス導入率は50%以上に(注1)
国内キャッシュレス決済比率は、主に個人消費者がけん引し、2023年には過去最高となる39.3%を達成しました(注2)。一方で、企業間決済においてはこの傾向と異なり、780兆円の市場規模を有しているにもかかわらず、キャッシュレス取引額は約5兆円程度にとどまっています(注3)。
キャッシュレス化を後押しする経済産業省においても、「支払を意識しない決済が広がり、データがシームレスに連携される デジタル社会の実現」を掲げ、データ連携をスムーズに進める手段のひとつとして、法人カードの利用に期待を寄せています。(注4) 企業間の取引や経費精算に利用可能な法人カードは、従業員による立て替え業務の削減や、経理担当者の管理業務軽減といった業務効率化を実現し、取引で発生する大きな出費をカード払いによって繰越して資金繰りを安定化させたり、カードの利用状況を可視化することでガバナンスを強化したりするなど、経営面やコンプライアンス面での利点も期待されています。
今回の主な調査結果
企業間取引における主な決済方法では、支払い側でのクレジットカード利用が請求側の約2倍となり、支払い利用が先行して浸透
企業間決済で感じる課題として、請求時は「支払いサイクルや管理」(22.0%)、支払い時は「取引先ごとのプロセスに対応」(26.2%)といった取引先に合わせた管理業務が負担に
キャッシュレス決済導入動機は、インボイス制度(21.1%)や電子帳簿保存法の改定(11.7%)といった制度の改革が変化を後押し、支払う側では、現在導入中および3年以内に導入検討を含めると52.2%と半数超えに
クレジットカード決済の利用意向として、企業間決済において利用を希望する声は6割以上
企業の法人カード利用においては、過去1年間で成長を実感している企業の約半数が活用、最も大きなメリットは業務の効率化(36.2%)
1. 企業間取引における決済方法として、支払いでのクレジットカード利用が請求側の約2倍となり、支払い利用が先行して浸透
企業間決済の最も多い決済手段に関しては、支払いと請求の両面において、1. 銀行振込、2. 口座振替、3.現金となっており、クレジットカードは4番手という結果になりました。クレジットカード利用に関しては、支払いでの利用が38.9%、請求での利用が22.2%と、支払い利用が請求利用の約2倍という結果となっており、企業間取引での新しい決済手段として、支払い利用を中心に浸透している様子が明らかになりました。
利用する決済方法(複数回答可)に関し、支払い決済については、銀行振込が最も多く79.8%、口座振替が50.9%、現金が49.2%と続く結果となりました。請求決済では、銀行振込が突出しており73.1%となった一方で、 現金は32.7%、口座振替は29.3%となりました。これらの決済方法を利用している理由としては、「昔からこの方法だから」といった、これまでの商習慣が最も多く、次いで「取引先にこの決済方法を求められるから」が挙げられ、業務効率化やビジネス面でのメリットが優先されていない結果となりました。
紙の手形や小切手に関しては、政府が2026年度末までの全面電子化を推し進めているものの、支払いと請求の両面において2割以上の回答者が現時点でも利用していることがわかりました。
2. 企業間決済で感じる課題として、請求時は「支払いサイクルや管理」(22.0%)、支払い時は「取引先ごとのプロセスに対応」(26.2%)といった取引先に合わせた管理業務が負担に
企業間決済における課題として、支払いと請求の両面において、取引先ごとに異なる決済方法の管理が負担になっていることが明らかになりました。具体的には、請求時の不満として「取引先の支払いサイクルや管理」(22.0%)、「売掛金の貸し倒しや支払い遅延状況の管理」(21.1%)、「請求方法が一本化されていない」(20.1%)が挙げられ、一方で支払い時には「取引先ごとに個別の請求プロセスに対応しなければならない」(26.2%)が課題として最も多く、次いで「取引先が特定の支払方法しか受け付けていない」(23.5%)が続く結果となりました。
3. キャッシュレス決済導入動機は、インボイス制度(21.1%)や電子帳簿保存法の改定(11.7%)といった制度の改革がも変化を後押し、支払う側では、現在導入中および3年以内に導入検討を含めると52.2%と半数超えに
クレジットカード決済を含むキャッシュレス決済の導入のきっかけとして「インボイス制度導入」(21.1%)や「電子帳簿保存法の実施・改定」(11.7%)が挙げられており、制度改革の後押しを受けて対応が進んでいる結果となりました。キャッシュレス化に取り組む取引先や競合企業が増えたことを受けて、自社での取り組みを進めた回答者も多く見られました(18.6%)。
企業間決済におけるキャッシュレスの導入状況について聞いてみると、支払いに関しては4割以上が導入済みと回答した一方で、請求については3割程度と、請求側での導入が遅れていることが明らかになりました。請求側で最も多かった回答は「導入予定なし」(31.9%)となっており、請求側のキャッシュレス化が遅れている様子がうかがえます。
将来的にキャッシュレスの導入を検討している層も含めると、3年後の導入率は、既に導入していると答えた回答者も含めて、請求側が41.3%、支払う側では52.2%と半数を超える見通しとなります。消費者決済における変化と比較すると緩やかではあるものの、企業間決済においてもキャッシュレス化へのさらなる移行が期待される結果となりました。
4. クレジットカード決済の利用意向として、企業間決済において利用を希望する声は6割以上
支払いの際、「クレジットカード決済を利用したい」(64.4%)、「クレジットカード決済を受け入れて欲しい」(62.5%)という回答者はいずれも6割を超え、これまでの商習慣で一般的とされていた決済方法に限定せず、選択肢を拡大することが求められている様子が明らかになりました。また、半数以上の回答者が「取引先が対応するのであればキャッシュレスに対応したい」(54.0%)と回答しており、企業間決済においてもクレジットカードでの取引が加速することで、社会全体におけるキャッシュレス化がさらに推進されることが期待されます。
5. 企業の法人カード利用においては、過去1年間で成長を実感している企業の約半数が活用、最も大きなメリットは業務の効率化(36.2%)
直近1年間でビジネスを伸ばしていると実感している企業の回答者に着目すると、全体の平均と比べて、支払い決済にクレジットカード利用をしている割合が高いことがわかりました。回答者全体では38.9%がクレジットカード支払いを利用している一方で、成長企業は45.9%と約半数近くにまで達しています。
請求に関してはさらにクレジットカード利用の浸透が顕著で、成長している企業に関しては32.9%がクレジットカード決済を受け入れており、これはそうでない企業と比較して10%以上高い結果となります。企業間取引においてクレジットカードでの支払いと請求を進めることにより、支払い/請求サイクルの安定化やキャッシュフローの可視化、経理業務の効率化によって、成長を後押ししている様子がうかがえます。
法人カードで支払いを行っている回答者にメリットを聞いてみると、「経理事務・経費の合理化」が36.2%で最も多く、次いで「銀行振込の手数料や手間を削減できるから」(34.3%)、「立て替える必要がなくなるから」(34.3%)となっており、関連業務の効率化や、公私の支出を分けることによる経済的負担の軽減が多く挙げられる結果となりました。上述のように、キャッシュレス導入のきっかけとして制度改革での対応が多く挙げられていたものの、その結果としてビジネス面でのメリットも享受していることがうかがえます。
企業間決済においては、法人カードを利用することで、経理業務の効率化や資金繰りの安定、与信枠の確保といった観点から、ビジネス上のメリットが期待されています。また、アメリカン・エキスプレスでは仕入れ決済などの企業間取引で利用可能な加盟店の拡大を通じて、売掛金回収リスクの軽減やキャッシュフローの安定化、新規顧客の獲得といった加盟店ビジネスの成長もサポートしています。
*注1:「過去3年以上前から導入している」、「過去3年以内に導入している」、「今後3年以内に導入を検討している」の合算値
*注2:経済産業省(2024年3月29日): https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20240329006/20240329006.html
*注3:経済産業省(2023年3月): https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2022FY/000294.pdf
*注4: B2Bキャッシュレス(事業者間決済のキャッシュレス)https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/cashless/cashless_btob/index.html
【調査概要】
調査名:アメリカン・エキスプレス 企業間決済(B2B)のキャッシュレス化」に関する調査
調査期間:2024年4月8日~ 2024年4月15日
調査手法:オンライン調査
実施対象者:経営者、経理担当者、自営業など20代~70代の男女、1,030名
<アメリカン・エキスプレスについて> www.americanexpress.jp
1850年に米国ニューヨーク州にて創立したグローバル・サービス・カンパニーです。個人のお客様向けには多様なライフスタイルをサポートする商品やサービスをお届けし、法人のお客様向けには経営の効率化を実現しうる経費管理やデータ分析のツールを提供し、大規模/中堅企業や中小企業、個人事業主にいたるまで幅広いビジネスの成長を支援しています。日本では、1917年(大正6年)に横浜に支店を開設して事業を開始し、現在では世界190以上の国や地域に広がる独自の加盟店ネットワークとトラベル・サービス拠点を通じ、最高品質のサービスを提供しています。また、アメリカン・エキスプレスのカードは、JCBとの提携により、従来からのホテル、レストランや小売店などに加え、公共料金からスーパーマーケット、ドラッグストアなど日々の生活で使えるお店が拡大しています。
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