コデルコとNYKバルク・プロジェクトがアンモニア燃料バルカー投入へ前進
大島造船と最大15隻の建造検討
日本郵船グループのNYKバルク・プロジェクト株式会社(以下「NBP」)は、11月7日、住友商事グループの株式会社大島造船所(長崎県)と、温室効果ガス(GHG)をほぼ排出しないアンモニアを燃料として使用できるハンディマックスバルカー(注、以下「本船」)10隻から15隻を2020年代後半以降に建造する検討に合意しました。NBPとチリの国営企業Corporación Nacional del Cobre de Chile(CODELCO、以下「コデルコ」)は、本船を脱炭素技術の普及により需要が高まる銅製品の極東向け輸送に投入し、生産・輸送・供給のすべての過程でGHGを排出しないカーボンフリー銅製品の実現を目指します。
この建造検討は、22年11月、コデルコとNBPが合意した銅製品の海上輸送での脱炭素化に向けた共同開発の覚書に基づくものです。今後、洋上風力発電の送電線網整備や電気自動車の普及などにより、銅の需要は世界的に増加すると見込まれています。
アンモニアは重油や液化天然ガス(LNG)と比較して単位あたりの熱量が低く、同じ距離の航行にはより多くの量が消費されます。このためより大型の燃料タンクが必要となり、小型船であるハンディマックスでのアンモニア燃料化は大きな挑戦です。本船が竣工すれば、ハンディマックスバルカーとして世界初のアンモニア燃料船となる見込みです。
コデルコChairman of the Board・Máximo Pachecoコメント :
短期間でこのような進歩を目の当たりにし、とても光栄です。NBPとの覚書締結から1年も経たないうちに、野心的なアイデアが現実のものとなっています。コデルコには、自国の鉱業をより持続可能にするために先陣を切る義務があります。今回のアンモニア燃料ハンディマックスバルカーの建造検討は、チリをエネルギー転換とGHG排出削減の実現可能性を示す、世界初の国にするための大きなシグナルです。
NBP代表取締役社長・須田雅志コメント :
当社は22年11月24日にコデルコと締結した覚書に基づいて、関係各位のご協力を得ながら銅製品の海上輸送の脱炭素化に向けて検討を続けてまいりました。約1年間の検討を経て、重油に加えてアンモニアも燃料として使用できる二元燃料エンジンを搭載したハンディマックスの研究・設計・建造に向けての覚書を今般、締結できたことは、コデルコおよび当社にとって脱炭素化社会実現に向けた具体的な第一歩となります。当社は今後もお客さまとともに世界の脱炭素化に貢献してまいります。
締結式の様子
(写真左から)
1人目 : NBP 代表取締役社長 須田雅志
2人目 : 大島造船所 取締役 河村浩一
3人目 : 住友商事 常務執行役員 野中紀彦
4人目 : コデルコ Chairman of the Board、Máximo Pacheco
(注1)本船は重油とアンモニアを燃料として使用できるエンジン(主機関)を搭載した、二元燃料エンジン搭載船となる想定。
(注2)ハンディマックスバルカー
鉄鉱石や石炭、穀物、セメント、塩、銅精鉱などのさまざまな資源を、梱包せずに大量に輸送する船がバルカー(バルクキャリア)。大きさの順に、ケープサイズ、パナマックス、ハンディマックス、ハンディサイズと大きく四つに分類される。
各社概要
<Corporación Nacional del Cobre de Chile>
本社: チリ サンティアゴ
代表者: CEO Octavio Araneda Osés
ウェブサイト: http://www.codelco.com
<NYKバルク・プロジェクト株式会社>
本社 : 東京都千代田区
代表者: 代表取締役社長 須田雅志
ウェブサイト : https://nbpc.co.jp/
<日本郵船株式会社>
本社 : 東京都千代田区
代表者: 代表取締役社長 曽我貴也
ウェブサイト : http://www.nyk.com/
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