【fundbook Lab第3弾調査「東証市場再編による事業戦略の意識変化調査」】 6割の未上場企業が東証市場再編は事業戦略に「変化なし」現状維持の傾向売上50億円以上の企業では4割が「前向きに変化」
〜東証市場再編を踏まえた企業規模拡大や最適化を志向する実態も〜
株式会社fundbook(本社:東京都港区、代表取締役 畑野幸治、読み:ファンドブック、以下「当社」)は、買い手企業に対するM&A推進支援を目的として設立した機関「fundbook Lab」(※)より、第3弾のリサーチ結果を発表します。第3弾は「東証市場再編による事業戦略の意識変化」を分析するため、未上場企業の経営者や役員を務める全国の男女330名を対象に、経営課題や事業戦略、M&Aに関するインターネット調査を実施しました。
- 未上場企業の約6割が人材補強に関する経営課題を有している
- 経営課題解決に有効なM&Aを事業戦略として検討している企業は1割未満
- 短期で資金や人材を獲得するためのM&Aは、事業成長の手段として検討の余地あり
■調査背景
2022年4月4日に実行された東京証券取引所の市場区分再編により、コンセプトを明確にした「プライム市場」、「スタンダード市場」、「グロース市場」の3つの市場区分が新しく始動しました。また、上場維持基準は新規上場基準と原則共通化され、これまで新規上場時より要件が低かった上場維持基準が厳格化されました。
それにより、既存の上場企業は流通時価総額基準やIRの煩雑さ・費用対効果などから、これまで東証1部に上場していた企業であってもスタンダード市場を選択するなど、自社の状況に合わせた市場選択を行う企業もみられます。
また、これから上場を控える未上場企業においては、東証市場再編後は、これまで認められていた市場変更(東証マザーズやJASDAQから東証1部/2部への変更)や一部指定(東証2部から東証1部への変更)ができなくなり、市場変更する場合は新たに新規上場基準と同様の審査を受ける必要が生じることから、新たに再編されたどの市場区分に上場を目指すか、できるだけ方針を明確にすることが肝要となります。
そこで「fundbook Lab」では、未上場企業の動きに焦点を当て、経営者に対する意識調査を実施し、東証市場再編は未上場企業の事業戦略に変化を与えるのかを分析するべく本調査に至りました。
■主な調査結果
1)未上場企業の経営者が抱える主な経営課題は「人材不足(37.5%)」「人材育成(21.2%)」といった人材補強に関するもので約6割を占める
2)経営課題に対する事業戦略として「人材採用の強化(38.6%)」が最も多く、約4割を占める。次点に「多角化・新規市場開拓(13.1%)」「業務効率・コスト改善(13.1%)」と続き、攻め守りの事業戦略を採る姿が伺えた。一方、「M&A(3.3%)」の検討は1割未満と消極的な結果に
3)東証市場再編により事業戦略が「前向きに変化」した未上場企業は約2割。一方で「変化なし」は約6割を占め、未上場企業の半数以上が現状維持の傾向
4)東証市場再編により事業戦略が「前向きに変化」した企業は売上規模が大きくなるほど増加し、50億円以上では約4割を占める。売上規模が大きい企業ほど東証市場再編を踏まえた企業規模の拡大や最適化を志向
■総括
今回の調査では、東証市場再編は大半の未上場企業の経営戦略において「変化をもたらさない」という結果になりました。一方「前向きに変化した」と回答する企業は一定数あり、売上規模が大きくなるほどその割合が高いことから、比較的優良な企業ほど東証市場再編を好機と捉え、柔軟に対応していくことが伺えます。背景には、東証市場再編によって目指すべき株式価値(時価総額)や、間接的には企業規模の基準を再編前より高いレベルで明示したことで、とりわけ将来的にIPOが選択肢として見えてくる優良な中小企業が事業戦略をより前向きに加速させ、企業規模の拡大や最適化、ひいては株式価値最大化を推し進める後押しとなっていることが予想されます。裏を返せば、多くの中小企業は事業戦略をより前向きに加速させない、つまり現状維持の経営をするとも読み取れ、事業戦略をより前向きに加速させる企業との差はますます拡大し、その結果的として、中小企業の規模や収益性の二極化がさらに進む可能性があります。
また、経営戦略としてM&Aを検討する未上場企業は全体の1割以下という結果から、経営課題の解決手段としてM&Aの有効性が依然として認識されていないことが伺えます。未上場企業の経営課題として「人材不足」「人材育成」が大半を占める結果となりましたが、M&Aを活用するメリットの一つに、有資格者を含む人材の獲得、育成ノウハウの獲得や高度化があります。まさに「時間を買う」というM&Aの典型的な目的のひとつです。人材補強に悩むときこそ、M&Aを選択肢の一つとして検討すべきタイミングにあると考えます。
■調査結果詳細
1)未上場企業の経営者が抱える主な経営課題は、「人材不足(37.5%)」「人材育成(21.2%)」といった人材補強に関するもので約6割を占める
未上場企業の経営者が抱える経営課題について、最も課題に感じるものとして「人材不足」や「人材育成」が上位を占めており、未上場企業の半数以上において人材補強が喫緊の課題であることが明らかになりました。
2)経営課題に対する事業戦略として「人材採用の強化(38.6%)」が最も多く、約4割を占める。次点に「多角化・新規市場開拓(13.1%)」「業務効率・コスト改善(13.1%)」と続き、攻め守りの事業戦略を採る姿が伺えた。一方、「M&A(3.3%)」の検討は1割未満と消極的な結果に
未上場企業の約6割が経営課題として人材補強を挙げたのに対し、現在検討している事業戦略は「人材採用の強化(38.6%)」が約4割を占めています。次点として「多角化・新規市場開拓(13.1%)」「業務効率・コスト改善(13.1%)」が続くことから、人材補強は明確な経営課題としてあるものの、実際の企業の打ち手として、「多角化・新規市場開拓」といった既存事業にとらわれない攻めの戦略や、「業務効率・コスト改善」といった既存事業に焦点を当てた守りの戦略を採る姿が伺えました。
一方、経営課題解決に有効な手段として認知が進む「M&Aによる譲渡(1.1%)」「M&Aによる譲受(2.2%)」については1割未満と依然として消極的な傾向にあることが明らかになりました。
3)東証市場再編により事業戦略が「前向きに変化」した未上場企業は約2割。一方で「変化なし」は約6割を占め、未上場企業の半数以上が現状維持の傾向
東証市場再編による事業戦略の変化について、「とても前向きに変化(6.0%)」「やや前向きに変化(18.4%)」と回答した経営者が約2割いる一方、事業戦略に「変化なし(63.3%)」と回答した経営者が全体の半数以上を占めており、東証市場再編は多くの未上場企業において事業戦略に変化をもたらさないということが明らかになりました。
4)東証市場再編により事業戦略が「前向きに変化」した企業は売上規模が大きくなるほど増加し、50億円以上では約4割を占める。売上規模が大きい企業ほど東証市場再編を踏まえた企業規模の拡大や最適化を志向
東証市場再編により事業戦略が「とても前向きに変化」「やや前向きに変化」した企業は売上規模が大きくなるほど増加し、売上規模50億円以上の企業においては約4割を占める。売上規模が大きくなるほど東証市場再編を踏まえ、積極的な事業戦略を展開し、その結果として企業規模の拡大や最適化、ひいては株式価値最大化に向けて進んでいく姿が伺えます。
※「fundbook Lab」とは
買い手企業に対するM&Aの実践的かつ専門的なノウハウの提供や推進に向けたアクションを提言・支援する機関として2021年5月に設立。企業の経営戦略における先進事例や実態調査・研究などを行い、情報発信はもとより、M&Aの啓発・促進を目的とした活動を行っています。
■調査概要
調査期間:2022年2月9日〜2月17日
調査対象:全国330人の経営者もしくは役員を務める20歳以上の男女
調査方法:インターネット調査
■会社概要
株式会社fundbookは、約4,500社の優良企業とのエリア・業種を超えたマッチングを実現する「プラットフォーム」と、成約までを高い専門性を有する部門で連携しサポートする特化型分業モデルにより、従来の課題である属人的なM&A仲介を解決し、経営者を真の成功へと導きます。そして「Success for all」というビジョンのもと、あらゆる企業の存続と成長を支え、希望にあふれた社会の実現を目指します。
設立 :2017年8月7日
代表者 :代表取締役 畑野幸治
事業内容 :M&A仲介事業
本社 :東京都港区虎ノ門1-23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー25階
資本金 :20億円(資本剰余金含む)
URL :https://fundbook.co.jp
M&Aについて:https://fundbook.co.jp/what-is-ma/
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