アーティスト・磯村暖 展『恐竜は人間に進化しませんでした』2024年6月11日(火)より東京・虎ノ門「SIGNAL」にて開催
世界の終わりを想像することで見える、未来の創造とは
磯村暖 展『恐竜は人間に進化しませんでした』について
現代社会には「勝者のものさし」が存在しています。例えば、学歴、お金、社会的地位といった要素は、現代社会を生き抜く上で重要視され、社会におけるマジョリティのルールやモラルを構成しています。しかし、本当にそうなのでしょうか。
SIGNAL「Signature Exhibition」の第4回目となる『恐竜は人間に進化しませんでした』では、かつて世界の頂点にいた恐竜が絶滅した「世界の終わり」に、空間や時間軸を超えて自身を投影することで「いま」を捉え直し、現代社会の規範を問い直す展示です。
恐竜の滅亡という劇的な変化の中で、「強者」とされるものが消え、「弱者」とされるものが生き残った過程から、いかに現代社会における「長所」や「強み」が流動的であるか考えさせられます。
本展示に寄せたアーティストコメント 磯村暖
アーティスト・磯村暖は、社会規範やその取り巻く環境における、可能性や可変性をテーマとしてこれまで作品を発表してきました。本展では、肉食恐竜から”勝ち組”に象徴される資本主義に至る、強者が生き残ることを至上の価値とする社会でつくられていく様々なルール、規範やモラルへの批評の眼差しからスタートしています。
磯村は本展に寄せて「かつて地球上に繁栄していた恐竜は、巨大隕石の衝突により食料がなくなり絶滅したといわれています。そして現代に生き残り繁栄しているのは、太古の時代に弱者であった鳥類や哺乳類です。当時、恐竜は絶滅する未来を想像したでしょうか。未来には、他の何かが人類に代わって繁栄するのでしょうか。現代社会のさまざまな規範やモラルは、生物が本来持っている可能性や多様性を狭めているのかもしれません。」と語ります。
絶滅した恐竜と生存した鳥類の狭間で、始祖鳥は生きる術や目的の是非を、パラダイムシフトの可能性を、静かに問いかけています。
■磯村 暖 プロフィール
磯村 暖 Dan Isomura
現在東京を拠点に活動している美術家。絵画、彫刻、映像やインスタレーションなど表現は多岐に渡る。現在の関心事は過去に地球上で繁栄した生物のいる景色といない景色を現代の人間社会と未来の社会に重ね、その心象を様々な形で具現化すること。
ACCフェローシップでのニューヨークにおける滞在制作、アジアアートビエンナーレ(国立台湾美術館)への出展、TEDxUTokyo 2023(東京大学安田講堂)のイベントに登壇するなど、その活動の場は様々な領域に及んでいる。
近年の主な個展に「カ」EUKARYOTE /東京(2023)、「んがんたんぱ」銀座 蔦屋書店GINZA ATRIUM /東京(2020)等。
近年の主なグループ展に 「Phantasmapolis – 2021 Asian Art Biennial」国立台湾美術館 /台湾(2021)、「都市は自然」セゾン現代美術館 /長野(2020)、等。
本展示に寄せたコメント プランナー 戸澤 和
未来について想像するときに、「今日より明日」という連続性の中における未来ではなく「もし世界が終わったら」という非連続的な視点から未来を捉えたのが、本作品で試みた挑戦です。
かつて、生物の頂点にいた恐竜は隕石衝突によって絶滅し、当時小さなネズミに過ぎなかった人間の祖先が生き延び、現在の社会を築いているという状況から、現代社会における「強み」や「長所」がいかに可変性のあるものか気づかされます。
このように考えると、あなたがいま感じている「弱さ」や「不安」は「世界の終わり」を想像することで未来の「強み」や「希望」になる可能性がある。現代とは全く異なる世界から自分の可能性を見つめ直すことで、未来を創造するためのヒントが見つかるのではないでしょうか。本展示を通じて、新しい未来を創造する希望を見出していただければ幸いです。
日本を代表するアーティスト、磯村暖さんと共に展示会を開催できることを大変光栄に思います。
プランナー:戸澤 和 Izumi Tozawa
博報堂に入社後、ストラテジーを中心としたプランニング経験を積む。19年にSIGNING参画。その後2年間NYへ留学をし、海外でファッショントレーディングやフェムテックの仕事経験を経て、23年に帰国・SIGNINGにカムバック。ヨーロッパ・アメリカなど多様な国での生活経験から、メンタルウェスネス・セクシャルウェルネス・LGBTQなど日本でタブー視されている社会課題解決に関心がある。
キュレーター:田尾 圭一郎
「田尾企画 編集室」代表。アートの企画・編集・コンサルティング/2006年、国際基督教大学卒業。博報堂を経たのち、美術出版社「美術手帖」ユニットにて企業や自治体とのアートプロジェクトの企画、地域芸術祭の広報支援、雑誌・書籍の編集、展示企画などに携わる。2022年に独立し現在に至る。主なプロジェクトに東京都「わたしのからだは心になる?」「都市にひそむミエナイモノ」展クリエイティブ・ディレクター、山梨国際芸術祭「アート・エコロジー2023」アーティスティック・ディレクター、経済産業省「文化資本経営促進に関する調査研究事業」、博報堂×CANON「ZOOOOOM ART PROJECT」、VOLVO「美術手帖×VOLVO ART PROJECT」など。SFC特別招聘准教授
磯村暖 展『恐竜は人間に進化しませんでした』 開催概要
・期間:2024年6月11日(火)〜2024年7月27日(土)
・開館時間:火〜金曜日 11:00-23:00 カフェ&ギャラリー(18:00以降はバータイム)
土曜日 11:00-18:00 カフェ&ギャラリー ※日・月・祝日は休み
・入場料:無料
・所在地:東京都港区虎ノ門1丁目2-11 The ParkRex TORANOMON 1F
・電話番号:03‐6205‐8220
・WEBサイト:https://signing.co.jp/signal/
・公式Instagram:https://www.instagram.com/signal_socialissuegallery/
・電車 : 東京メトロ日比谷線 虎ノ門ヒルズ駅 A2出口から徒歩5分
東京メトロ銀座線 虎ノ門駅 2a出口から徒歩3分
・Google map https://goo.gl/maps/qvQkChSzmWnkVmwY6
開催期間中、下記日程にてイベントを実施予定です
■アーティストトークセッション
アーティストとリサーチャーが在廊し、トークセッション&パーティを開催します。
・2024年6月14日(金)18:00開始
・入場料無料/free drink
■COMMUNE∞ vol.3×磯村暖
下記内容にてDJイベントを開催予定です。
・2024年7月5日(金) 18:00開始
・入場料無料/1drink order
※イベント内容の詳細は、決まり次第HP/SNSにてアップいたします。
・SIGNAL 公式サイト:https://signing.co.jp/signal/
・SIGNAL 公式Instagram:https://www.instagram.com/signal_socialissuegallery/
ソーシャルイシューギャラリー&カフェ「SIGNAL」
ソーシャルイシューギャラリー「SIGNAL」は、来場者が情報のインプットとアウトプットの両方を担うところが特徴です。アート展示を鑑賞し、顕在化していない社会課題と向き合う機会提供だけにとどまりません。社会課題を表現したアートを鑑賞することで湧き上がる来場者の想いがアンケートによりアウトプットされ、そのアウトプットの集合体を当社が様々な角度で”兆し”として取り扱い、社会課題解決のアイディアに昇華させていく、という仕組みです。アンケートで得た定量データをもとに、社会課題に関するレポートや対話型のイベント、企業・団体・大学との共同プロジェクトも実施予定です。リアルな実地調査による取り組みを通じ、未発見の社会の課題や兆しの発見を目指し、大小隔たりのない社会課題解決に邁進してまいります。
▼今後のSIGNAL展示予定
8月:岡田将 展
10月:石原海 展
11月:佐久間洋司 展
※展示の期間は予告なく変更する可能性がございます。
会社概要
SIGNINGは、「ビジネスの課題」と「社会の課題」を同時解決するソリューションを提供するソーシャルビジネススタジオです。現代のビジネス環境は、テクノロジーの進化や世界情勢の激変により、めまぐるしい変化にさらされています。そのような環境下で、多くの企業が、先の予測できない環境下で、既存のビジネスモデルや競争ルールにとらわれない、新たな成長領域の開拓を迫られています。また、こうした変化の激しい時代に社会と共生し持続的な成長を実現するための方法論として、SDGsやソーシャルビジネスへの関心も急速に高まっています。SIGNINGは、多くの企業が直面するこうした社会背景をふまえた(1)社会課題を解決しソーシャルグッドを推進していく「Social Design」、(2)事業の新たな成長機会を発見し新市場を創造していく「New Market Design」、という2つの領域に特化しています。コミュニケーション領域にとどまらず、事業・商品・サービス開発領域まで融合した「Social Business Studio」をコンセプトに掲げ、統合的なソリューションを提供してまいります。
・所在地:〒108-0073東京都港区三田1-4-28 三田国際ビル16F
・代表:牧 貴洋
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