【産総研グループ/AIST Solutions:セミナー開催】産総研開発の新アプリ「SpectroFit」で体験するデータ解析と品質評価DX
2025年12月4日 名古屋にてオンサイトセミナー

株式会社AIST Solutionsは、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)機能化学研究部門 化学材料評価研究グループが開発したアプリの体験セミナーを開催します。本セミナーでは、ノンプログラミングで使える化学データ解析アプリを実際に操作しながら、品質評価や研究開発現場の効率化・属人性低減を図る実践的手法を学びます。今回、新たに開発された近赤外分光とデータインフォマティクス技術を融合したアプリ「SpectroFit」を応用例として紹介し、分光データ解析による新たな品質評価を体験いただけます。「SpectroFit」は、近赤外センサーで測定した光吸収スペクトルを解析し、複数の樹脂成分の含有量を推定できるもので、低価格なセンサーとの組み合わせにより、現場で迅速かつ簡便な定量分析を実現します。セミナーを通じて、製造現場や研究開発におけるデータ活用型DXの第一歩を体験いただけます。
今回のセミナーのポイント
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産総研が新たに開発したアプリ「SpectroFit」の体験ができます。
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低価格な近赤外センサーと「SpectroFit」でプラスチック材に含まれる各ポリマー成分の含有量をその場で高速分析可能です。
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アプリの使用方法や得られたデータの解析などを産総研研究者が支援します。
セミナー情報
タイトル:産総研アプリケーションによる材料の分析評価⽀援
〜 DX 超⼊⾨!アプリで始める化学データ解析 〜
開催日時および場所:2025年12⽉4⽇(木)13:30〜17:00 WeWork JRセントラルタワーズ名古屋
受講料金:33,000 円(税込み)
PC貸出付き受講プラン※の場合 44,000円(税込み)
申込締切:2025年11月26日(水) 17:00
PC貸出付き受講プラン※の場合 2025年11月19日(水)17:00
※PCの持参が難しい場合、有償でレンタルPCをご用意します。
URL: https://www.aist-solutions.co.jp/events_webinars/paid_seminar_20251204.html
セミナー講師のご紹介



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新澤 英之 |
⼭根 祥吾 |
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国立研究開発法人 産業技術総合研究所 材料・化学領域 機能化学研究部⾨ 化学材料評価研究グループ 研究グループ⻑ |
国⽴研究開発法⼈ 産業技術総合研究所 材料・化学領域 機能化学研究部⾨ 化学材料評価研究グループ 主任研究員 |
セミナーのプログラム

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時間 |
内容 |
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13:30~14:30 |
イントロダクション ・開発現場におけるDX導入の課題 ・AIST発アプリシリーズのご紹介と活用事例 |
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14:30~16:30 |
AIST発アプリを使った演習 ・PCA Toolbox:スペクトルの特徴抽出 ・SpectroFit:近赤外スペクトルの測定 演習問題【基礎編】 ・お酒の消費量データ ・ウイスキーの官能評価試験データ ・⽇本の地域別産業指標データ ・広島の⽉間平均気温の推移 演習問題【実践編】 ・劣化したプラスチックの近⾚外スペクトルデータ ・塩ビパイプの熱分解スペクトルデータ ・SpectroFit:近赤外スペクトルの測定、アプリを使ったデータ解析 |
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16:30〜17:00 |
質疑応答・技術相談 |
【受講に関するお問合せ】
(株)AIST Solutions プロデュース事業本部 テクノナレッジ⽀援チーム
MDX-SupportTeam@aist-solutions.co.jp
「SpectroFit」開発の背景
プラスチック製品には特定の用途のために複数の樹脂原料が混合されていることがあります。樹脂の種類や含有量によって、製品の強度・柔軟性・耐熱性・耐薬品性などを制御することが可能です。このため、適切な配合がされているかを確認することで、製品の性能や安全性を保証できます。その一方で、プラスチック製品中の樹脂成分量を調べるためにはGPC-FTIR装置などを使った高度な化学分析が必要なため、多数のサンプルを分析するには時間と労力が必要となるという課題がありました。
産総研での研究開発の経緯
産総研グループはこれまでに近赤外分光器、赤外分光器等で測定された分光スペクトルからプラスチックの物性値や劣化度を非破壊で予測する回帰分析の技術を発表するなど、光を使ってプラスチックをその場、かつ非破壊で分析する技術を進めてきました。加えて、近赤外スペクトルをAIや機械学習によって解析するためのアプリを公開するなど、データインフォマティクス技術の開発にも取り組んできました。今回、これらの光分析技術とデータインフォマティクス技術を組み合わせることで、プラスチック製品の近赤外スペクトルから材料中の樹脂の成分量を調べる方法を新たに開発しました。
近赤外センサーと「SpectroFit」を使った樹脂の含有量の分析
プラスチック中の樹脂の含有量を調べるために必要なのは、近赤外センサーとアプリ「SpectroFit」のみです。樹脂に近赤外の光を照射すると、樹脂の持つ化学構造に応じて固有の光吸収パターンが得られます。プラスチック材に含まれる樹脂の種類が既知の場合、その樹脂のみを使って測定したスペクトル(純成分スペクトル)があれば、複数の樹脂が含まれかつ含有量のわからないプラスチック材であってもClassical Least Squares(CLS)と呼ばれる計算アルゴリズムで純成分スペクトルを重ね合わせて測定されたスペクトルを再構成することで、プラスチック材に含まれる複数の樹脂の含有量を調べることができます。このため、AIや機械学習等で必要となるような学習用の教師値ありデータ、つまり、あらかじめ樹脂の含有量のわかっているプラスチック材を大量に準備する必要はなく、純成分スペクトルを測定しておくだけで煩雑なAIモデルを作成しなくても簡単に分析を行えます。産総研が開発したアプリ「SpectroFit」は直感的でわかりやすいユーザーインターフェースを持っており、マウス操作だけで誰でも簡単に上記のCLSを使った近赤外スペクトルの分析が実行でき、高度なデータ解析の知識は必要ありません。例えば、図1に示すような果実の糖度計に使用されているような小型で廉価な近赤外センサーと「SpectroFit」を使って本技術を低コストで分析現場に導入することも可能です。

図2に今回開発したシステムを使った分析例を示します。図2の左図に示すようにポリプロピレンとポリエチレンを含んだ複数のフィルムの近赤外スペクトルを小型近赤外センサーで測定し、「SpectroFit」で分析を行いました。なお、分析にはあらかじめ測定したポリプロピレンとポリエチレンの純成分スペクトルを使用しています。図2右図は実際のサンプル中のポリプロピレンの含有量と「SpectroFit」によって予測されたポリプロピレンの含有量のプロットを示します。予測されたポリプロピレンの含有量は実際の値と非常に近い値を示しており、含有量が不明のプラスチック材であっても近赤外スペクトルから高い精度で含有量を推定できることが分かります。この技術はスチレンブタジエンゴムとポリエチレンといった他の組み合わせでも適用が可能です。さらには、プラスチック材の生産ラインに導入することで製品の配合をモニタリングする、素性不明のプラスチック材に含まれる樹脂成分の含有量の分析などへの応用が可能です。

関連情報
「SpectroFit」以外にも、産総研が公開しているデータインフォマティクスに関する取り組みについて、下記にて発表が予定されています。
▶︎ 第30回高分子分析討論会 2025年11月19日~2025年11月20日
▶︎ 第34回ポリマー材料フォーラム 2025年12月4日〜12月5日
「テクノナレッジ講座」のご紹介
テクノナレッジ講座は、AIST Solutionsが提供するサービスの⼀つで、企業の研究者やエンジニアが各産業分野の先端的な知⾒や技術を短期間で学習し現場で実践的に活かせることを⽬的に実施しています。講師陣は国内最⼤級の国⽴研究機関である産業技術総合研究所の精鋭研究者が担当し、オンラインあるいはオンサイト(現地開催)にて、1〜3⽇間で開催します。
新しい技術を基礎から学びたい⽅から、学び直したい⽅、開発・製造現場において即戦⼒となるスキルを習得したい⽅まで、幅広い受講者を対象とした講座内容になっています。また、参加者同⼠や講師との意⾒交換やネットワーク形成ができる場も提供します。
受講後に、技術コンサルティングや共同研究など他のサービスもあわせてご利⽤頂くことで、基礎技術の開発から事業構築までの各ステップを⼀気通貫した伴⾛⽀援も可能です。
▼開催中のテクノナレッジ講座などの情報はコチラ
EVENTS/WEBINARS | AIST Solutions公式ホームページ
https://www.aist-solutions.co.jp/events_webinars/
▼産総研グループが公開しているアプリなどの情報はコチラ
材料開発を加速する総合知【マテリアルDX×デジタルプラットフォーム】
https://www.aist-solutions.co.jp/case_study/materialdx_digitalplatform1.html
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