<6月10日「こどもの目の日」>キャンサースキャン、「3歳児健康診査における視覚検査の実施体制に関する実態調査研究」を実施
視力の発達が途中で止まってしまう「こどもの弱視」、治療にタイムリミットがあることへの理解促進を目的とした啓発ツールを公開
予防医療の推進を支援する株式会社キャンサースキャン(本社:東京都品川区、代表者:代表取締役社長 福吉 潤、以下「キャンサースキャン」)は、厚生労働省の「令和4年度子ども・子育て支援推進調査研究事業※1」の国庫補助を受けて実施した、「3歳児健康診査における視覚検査の実施体制に関する実態調査研究」の報告書を公開したことをお知らせしていたします。
また、本調査研究を踏まえ、自治体による3歳児の視覚検査実施体制整備の推進及び「弱視」に対する保護者の理解促進を目的に啓発ツールを公開しました。キャンサースキャンのWEBサイトより、どなたでもダウンロードしていただくことが可能です。※2
※1:厚生労働省 「令和4年度子ども・子育て支援推進調査研究事業にかかる公募について」
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/topics/tp210315_00003.html)
※2:キャンサースキャンWEBサイト「令和4年度子ども・子育て支援推進調査研究事業 3歳児健康診査における視覚検査の実施体制に関する実態調査研究」(https://cancerscan.jp/news/2133/)
■ 実施背景
弱視とは、視覚の発達が障害されて生じる低視力のことで、眼鏡等をかけても矯正が難しい視覚異常を指します。こどもの50人に1人は、弱視の可能性があると言われており、視力がほぼ完成するとされる6歳から8歳頃までに治療をしないとその後の治療は非常に困難になる特徴があります。そのため、3歳児健康診査における視覚検査で弱視やその原因となる屈折異常等を早期発見し、早期治療することが重要とされています。
3歳児健診の現場では、弱視を発見するために有効な屈折検査機器を用いた検査の導入が近年進んでいますが、検査機器の導入や実施体制の整備が遅れている地域もあり、検査の実施状況には地域差が生じている現状です。
また、3歳児健診の視覚検査で「要精密検査」となっても、眼科を受診していないケースもみられ、早期治療を阻む大きな課題となっています。こども自身が不便を自覚し難いことに加え、保護者にこどもの視覚発達や弱視・斜視に関する知識が十分に届いていないことが原因として考えられ、早期治療を促すために、保護者に適切な情報を提供する必要があります。
本調査研究は、全国の自治体における視覚検査の実施実態を把握・整理するとともに、有識者の意見を踏まえ、自治体担当者向けの実践的な手引書や事例集、保護者向けの情報提供リーフレット等の開発を通して、3歳児健診における視覚検査の実施体制の強化につなげていくことを目的に実施いたしました。
■調査研究結果のポイント
<3歳児健診における屈折検査の導入状況>※自治体向け調査
調査研究から下記のことがわかりました。今後、全てのこどもに弱視発見の機会を提供するためには、検査の実施体制の更なる充実を図っていく必要があります。
弱視を発見するために有効な検査とされる3歳児健診時の屈折検査は、令和4年度中に77.9%の自治体で導入が見込まれる
一方で、出生数が少ない自治体などを中心に、屈折検査未導入の自治体は22.1%にのぼる
<こどもの視覚の発達や弱視に関する啓発の必要性>※保護者へのインタビュー調査
こどもの視覚の発達や弱視に関する保護者の知識・認識は、十分に広まっていない・理解されていない現状があります。
3歳児の保護者は、“こどもの視覚は徐々に発達する”との認識や”3歳児の視力はまだ発達途上”という意識がなかった
「弱視」を「生まれつきの近視」「こどもの近視」(大人と同様に眼球の機能の問題)と捉えており、脳の見る機能の成長(発達)が止まっている状態にあり、眼鏡やコンタクトでの矯正が困難であることへの認知はなかった
こどもの「弱視」に治療のタイムリミットがあることに対する認知はなかった
【調査方法について】 ・市区町村に対する自記式アンケート調査(有効回答数1,299件※有効回答率75.6%) ・都道府県に対する自記式アンケート調査(有効回答数43件※有効回答率91.5%) ・3歳児健診をこれから受診する保護者6名に対する調査員による1対1対面式インタビュー調査(60分/人) |
調査研究結果の詳細につきましては、下記のURLより「事業報告書(概要版)」または「事業報告書」をご参照ください。
https://cancerscan.jp/news/2133/
■自治体向け各種ツールを公開
この度の調査研究を踏まえて、弱視の早期発見・早期治療に向け、3歳児の視覚検査実施体制の整備や保護者の理解促進を目的とした啓発ツールを公開しました。
3歳児健診における視覚検査の円滑な実施と精度管理のための手引書
事例集
要精密検査となった保護者への情報提供リーフレット
各種ツールにつきましては、下記のURLにて公開しています。どなたでもダウンロードしてご活用いただくことが可能です。
https://cancerscan.jp/news/2133/
今後も、キャンサースキャンでは、予防医療の取り組み領域を拡大し、「人と社会を健康に」というミッションの達成に向けた取り組みを推進してまいります。
■ キャンサースキャンについて
キャンサースキャンは、「人と社会を健康に」というミッションの達成に向け、データサイエンスとマーケティング、行動経済学、公衆衛生の専門知識を掛け合わせ、特定健診の受診勧奨や生活習慣病の重症化予防を目的とした受療勧奨、がん検診の受診勧奨、予防医療に関する新たな事業開発等、日本の予防医療の推進を支援する各種事業を展開しております。累計700以上の市区町村での各種予防医療事業の実施支援を通じて、コミュニケーションを変え、社会の仕組みを変えながら、健康になるための行動変容にフリクションがない社会の実現を目指しています。
■会社概要
社名 :株式会社キャンサースキャン
所在地 :〒141-0031 東京都品川区西五反田1-3-8 五反田PLACE 2F
設立 :2008年11月
代表 :代表取締役社長 福吉 潤
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