DX時代のスマートファクトリーへ対応した新教育研究施設が稼働 ~AI、IoTのデジタル化に対応するエンジンアを育成する、ものづくり「発信基地」へ~
埼玉工業大学(本部:埼玉県深谷市、学長:内山俊一、略称:埼工大、https://www.sit.ac.jp/)は、DX時代のスマートファクトリーへ対応するエンジンアの育成に向けた最新の教育・研究施設として、工学部機械工学科の総合実験実習棟(通称:スマートデザインファクトリー)を今年度より稼働開始しました。
<写真1:総合実験実習棟の外観>
<写真2:2階吹き抜け部より1階工場部分を望む>
総合実験実習棟(34号館)は、延床面積約2000㎡の2階建で、これまで学内に点在していた実習機器や設備を集約し、機械工学関連の実験・実習・研究が効果的に展開できる環境を整備しました。
この棟は、NCマシンや各種工作機械、AI・IoTなどの機能を搭載した最新の生産設備のあるファクトリーゾーンと、周辺技術の各種実験・実習を行える総合的なラボゾーンからなり、エントランスを中心に建物内に木材を使用し、自然と調和した温もりある、ものづくりの場となっています。
ファクトリーゾーンは、幅48mの無柱大空間による広々としたスペースの吹き抜け構造で、壁のない一体化した共有空間に6つのエリアで構成されています。工作機械の実習のための4つのエリアと、IoT設備を備えるエリア、学生の発想力を具現化するためのファブラボスペースとユニバーサルデザインやバリアフリーを検証するエリアが1つの空間に存在し、専門領域を超えたコラボレーションが生まれやすい環境としています。
また、2階ホールから実習工場全体が眺められるため、ものづくりの流れを俯瞰的に捉えることができます。大学の実習設備としては例の少ない、2.8tの天井クレーンも設置しています。
一方のラボゾーンは、クリーンエネルギーとして注目の高まる水素エネルギーの活用として、水素吸蔵合金を利用した熱駆動型冷凍機用水素吸蔵放出装置や、地球環境問題の主軸となるエネルギ問題に積極的に取り組む設備、研究開発で生まれた様々な技術評価のための材料試験装置、その他、検査機器などを設置し、また屋上にはソーラーパネルも設置するなど、棟内全体がSDGsを学べる施設となっています。
以上のように様々な角度から未来志向の総合的なものづくりの場として、棟全体で学内外のものづくりの「発信基地」を目指します。また、学生の興味や関心を引き出す工夫を積極的に取り入れて、「ものづくり」から「ことづくり」への発展を狙ったスマートデザインを生み出す場と環境を整備しています。
<背景>
産業界では、世界的にデジタル変革(DX)の潮流が加速しています。製造業においてもDXが進む中、工作機械にデジタル技術を活かした、スマートファクトリーの実現が進んでいます。これからのエンジニアには、AI、IoT等を活用し、生産情報のデジタル化に対応したスキルや、SDGsを多様化するニーズに対応した製品デザインのスキルが求められます。また、世界ではエネルギに関わる問題も抱えており、各企業においてSDGsを達成すべく様々な取り組みが進められています。
<特長>
総合実験実習棟は、新時代に対応するエンジニアの育成に向けた実践的な教育・実習のためのファクトリーゾーンを設けました。日本のものづくりが得意としてきた「すり合わせの技術」から、FA(ファクトリーオートメーション)を支えてきたNC工作機械群、そしてAI・IoTなどの機能を搭載した最新の生産設備までを、概ね時代の変遷になぞらえて配置したファクトリーゾーンがあります。さらにこれを支える周辺技術の各種実験・実習を行える総合的なラボゾーンで構成され、棟全体で学内外のものづくりの“発信基地”を目指した運用がスタートしています。スマートデザインやスマートエネルギーに関わる設備を通じて実感的に学び、3Kから3S (Safety, Sustainable, Satisfaction) へと通ずるものづくりを考え、DX時代をリードする未来志向のエンジニアを育ていきます。
●総合実験実習棟について
・主な設備:
旋盤、フライス盤、ボール盤、精密切断機、卓上グラインダー、ノコ盤(木材用)、ボール盤(木材用)、角ノミ盤、カンナ盤、油圧プレス機、CNC工作機械(一部IoT機能付き)、ワイヤーカット放電加工機、細穴加工機、射出成形機(IoT機能付き)、半自動溶接機、3D光造形機、3Dスキャナ、3Dプリンタ、小型レーザ加工機(マーキング、薄板切断)、ラップ盤、引張試験機、硬さ試験機、衝撃試験機
・概要:
鉄筋コンクリート造2階建、1階工場部と1階実験実習室4部屋および管理室、2階実験実習室4部屋と教室1部屋で構成。
延べ床面積:1981.74㎡、幅48.0m、奥行き28.6m、高さ12.6m
<参考情報>
●新棟「機械工学科総合実験実習棟(34号館)」完成
https://www.sit.ac.jp/news/220426_01/
動画紹介:2022年3月完成「機械工学科総合実験実習棟
●埼玉工業大学工学部機械工学科について
機械工学科は、新たなものづくり技術・ロボット技術で、新しい価値を創造する人材育成を目指しています。本学科には機械工学専攻と、2021年4月に設置したロボット・スマート機械専攻の2つの専攻があります。
ものづくりを視野に入れて実体験を重視した現場型教育をベースに、IoTを利用し、AIを活用して、ロボットや次世代産業システム、次世代モビリティシステムなどを創造するエンジニアやクリエイターの育成にも力を入れています。さらにスマートファクトリーの実現に向けた人材育成に対応するため、最新の教育・研究環境を整備した機械工学科総合実験実習棟の利用を開始しました。
・機械工学専攻 https://www.sit.ac.jp/gakubu_in/kougaku/kikaikogaku/
・ロボット・スマート機械専攻 https://www.sit.ac.jp/gakubu_in/kougaku/robotics/
●埼玉工業大学について
1976年4月に現在の深谷市で大学を設置し、創立46年目を迎えます。埼玉工業大学は、工学部(機械工学科、生命環境化学科、情報システム学科)の3学科7専攻と、人間社会学部(情報社会学科、心理学科)2学科4専攻、計2学部11専攻で構成されます。
大学院において、工学研究科では、「機械工学専攻」、「生命環境化学専攻」、「情報システム専攻」の3専攻があり、人間社会研究科では、「情報社会専攻」と「心理学専攻」の2専攻があります。
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