【不登校中も6割がPTAに参加!】一方で5割以上は「役に立っていない」と回答〜「不登校とPTA」についての保護者アンケートの調査結果〜

2024年12月、ウェブメディア「不登校オンライン」では、子どもの不登校・行き渋りを経験している保護者を対象に、PTAに関するアンケート調査を実施しました。

株式会社キズキ

「不登校とPTA」についての保護者アンケートの調査結果

子育て世代の就労状況、家族の様態が多様化するなか、近年、PTAのあり方についての議論や新しいムーブメントが大きく報じられています。

不登校の子どもの保護者の場合、PTAは自分の子どもが行けない/行かない学校での活動です。そこに意義を見出す人もいれば、傷つき、疲弊する人もいます。

2024年12月、ウェブメディア「不登校オンライン」では、子どもの不登校・行き渋りを経験している保護者を対象に、PTAに関するアンケート調査を実施しました。

1.アンケート結果の概要

アンケート調査の結果、子どもが不登校になる前は、回答者の8割以上がPTA活動に参加していました。そして、子どもが不登校になった後でも、6割以上の保護者がPTAに参加していることが判明しました。

不登校になってからの参加率は、単純に減少しているわけではありません。「子どもが不登校になってから、PTA参加しなくなった」人だけではなく、「子どもが不登校になってから、PTA活動に参加するようになった」という人もいます。

子どもの不登校中にPTAに参加している理由の1位は、「PTAを通じての、学校(教師)とのつながりを期待・重視している」でした。

子どもが不登校でも、保護者はPTAを通じた学校とのつながりを求めているということがわかります。

ただし一方で、5割以上は「不登校に関連して、PTAは回答者・配偶者・子どもの役に立っていない」と回答しています。

2. 不登校・行き渋り前と、不登校・行き渋り中の、PTA活動参加の変化

お子さんの「不登校前」と「不登校中」のPTA活動への参加状況を、回答者ご本人と配偶者それぞれについて尋ねました。

不登校前、不登校中ともに回答者本人(大多数が女性)の参加が多く、配偶者(大多数が男性)の参加が少なくなっています。

全体的に、子どもの不登校中はPTA活動から距離を置く傾向が見られました。ただしそれでも、6割以上が参加しています。

(1)ご自身(回答者)のPTAへの参加状況

回答者自身のPTAへの参加状況

〈回答内訳〉

※上記グラフの「参加」は、下記の「積極的に参加していた」「必要なときだけ参加していた」の合計。

「その他」は自由記述内容から「参加」または「不参加」に振り分けています。

■不登校前

  • 積極的に参加していた:29名

  • 必要なときだけ参加していた:54名

  • 参加していなかった:13名

  • その他:6名(「参加」5名、「不参加」1名)

■不登校中

  • 積極的に参加している:23名

  • 必要なときだけ参加している:33名

  • 参加していない:37名

  • その他:9名(「参加」7名、「不参加」2名)

(2)配偶者のPTAへの参加状況

回答者の配偶者のPTAへの参加状況

〈回答内訳〉

※上記グラフの「参加」は、下記の「積極的に参加していた」「必要なときだけ参加していた」の合計。

「その他」は自由記述内容から「参加」または「不参加」に振り分けています。

■不登校前

  • 積極的に参加していた:2名

  • 必要なときだけ参加していた:22名

  • 参加していなかった:70名

  • わからない:0名

  • 配偶者はいない(当時いなかった):8名

■不登校中

  • 積極的に参加している:0名

  • 必要なときだけ参加している:16名

  • 参加していない:78名

  • わからない:0名

  • 配偶者はいない(当時いなかった):8名

(3)子どもが不登校になる前後での、PTAへの参加状況の変化

子どもが不登校になる前後での、PTAへの参加状況の変化を保護者の性別ごとに見てみます。

※回答者本人と配偶者それぞれの参加状況から特定。

■女性(母親・祖母)

  •  (不登校前)参加  → (不登校中)不参加:29名

  •  (不登校前)不参加 → (不登校中)参加:5名

■男性(父親・祖父)

  •  (不登校前)参加  → (不登校中)不参加:9名(単身赴任等、不登校と無関係の事由が2名)

  •  (不登校前)不参加 → (不登校中)参加:5名

(4)特筆すべき少数のケース

■不登校前よりも不登校中の方が積極的に参加

  • 不登校前には必要な時だけ参加していたが、不登校中は積極的に参加。

  • 不登校前には不参加だったが、不登校中は学校との繋がりを保つために積極的に参加。

■男性(父親・祖父)の参加

  • 不登校前と変わらず、不登校中も積極的に参加。

  • 不登校前は不参加だったが、不登校中は「父親の会」ができたことで参加するようになった。

  • 不登校前には役員に立候補するほど積極的に参加していたが、子どもが不登校になった途端にまったくPTAに関わらなくなった。

3.子どもの不登校中に、PTA活動に参加する理由・参加しない理由

次に、お子さんの「不登校・行き渋り中」の、PTA活動への参加・不参加の理由を複数回答形式で尋ねました。

参加理由が「繋がりへの期待値への高さ」であった一方、不参加理由は「繋がりへの期待値の低さ」と、対照的な傾向が見られました(グラフ中の数字は回答件数)。

(1)子どもが不登校中にPTAに積極的に参加している(していた)理由

子どもが不登校中にPTAに積極的に参加している(していた)理由

【上記グラフのテキスト化】

子どもが不登校中にPTAに積極的に参加している(していた)理由

  • PTAを通じての、学校(教師)とのつながりを期待・重視している:22件

  • PTAを通じての、親同士のつながりを期待・重視している:15件

  • PTAを通じての、勉強や進学についての情報を期待・重視している:5件

  • PTAを通じての、学校行事についての情報を期待・重視している:7件

  • PTAを通じての、自分の子ども以外の児童生徒の様子を期待・重視している:7件

  • PTAを通じての、再登校につながる情報を期待・重視している:4件

  • PTAを通じての、再登校以外の選択肢の情報を期待・重視している:3件

  • PTA活動によって、子どもと離れる時間を期待・重視している:2件

  • PTA活動を純粋に楽しんでいる:7件

  • その他:16件

(2)子どもが不登校中にPTAに積極的に参加しない(しなかった)理由

子どもが不登校中にPTAに積極的に参加しない(しなかった)理由

【上記グラフのテキスト化】

子どもが不登校中にPTAに積極的に参加しない(しなかった)理由

  • 子どもの不登校に関係なく、元からPTA活動には消極的だった:19件

  • 子どものケアに時間を使いたい:19件

  • 子どもが不登校・行き渋りなので、PTAに参加する意義を見出せない:34件

  • 子どもの不登校に関係なく、仕事が忙しい:13件

  • 子どもの不登校に関係なく、仕事以外のことが忙しい:2件

  • PTAを通じての、学校(教師)とのつながりを期待・重視していない:26件

  • PTAを通じての、親同士のつながりを期待・重視していない:30件

  • PTAを通じての、勉強や進学についての情報を期待・重視していない:18件

  • PTAを通じての、学校行事などについての情報を期待・重視していない:18件

  • PTAを通じての、自分の子ども以外の児童生徒の様子を期待・重視していない:20件

  • PTAを通じての、再登校につながる情報を期待・重視していない:18件

  • PTAを通じての、再登校以外の選択肢の情報を期待・重視していない:17件

  • その他:20件

4.不登校に関連して、PTAは役に立っている?

不登校・行き渋りに関連して、PTAが、回答者本人・配偶者・子どもにとって役立っているかどうか尋ねました。そのすべてにおいて、半数以上が「役に立っていない」と回答しています。

不登校・行き渋りに関連して、PTAが、回答者本人・配偶者・子どもにとって役立っているか

【上記グラフのテキスト化】
①本人(回答者)にとって

  • 役に立っている......12名

  • 役に立っていない......57名

  • わからない......27名

  • その他......6名

②配偶者にとって

  • 役に立っている......4名

  • 役に立っていない......59名

  • わからない......29名

  • その他......2名

  • 配偶者はいない(当時いなかった)......8名

③子どもにとって

  • 役に立っている......4名

  • 役に立っていない......66名

  • わからない......30名

  • その他......2名

「まったく役になっていない」「むしろ子どもの状況が悪化した」と回答した保護者がいる一方で、PTA主催行事や会報を通して子どもや保護者にポジティブな影響があったケースも見られました。

5.調査概要

(1)アンケート名称:

不登校オンライン_2024年12月「不登校とPTA」についてのアンケート

(2)調査目的:

  • 不登校・行き渋りの子どもの保護者の、PTAとの関わり方の実際を知る。

  • 不登校・行き渋りの子どもの保護者にとってのPTAのあり方、不登校の保護者のPTAとの上手な付き合い方を探る。

(3)調査対象:

  • 現在、お子さんが不登校・行き渋りである保護者さま

  • 以前、お子さんが不登校・行き渋りだった保護者さま

(4)調査期間:

2024年12月12日(木)~2024年12月18日(水)

(5)調査方法:

Googleフォームを用いたインターネット調査

(6)回答数:

102名

(7)ご回答者のお子さんの不登校・行き渋りの状況:

  • 現在、不登校である:74名

  • 以前、不登校であった:22名

  • その他:6名

「その他」と回答された方も、別室登校、毎日遅刻など、お子さんが登校に何らかの困難を抱えていましたので、広い意味で「行き渋り」と捉えられます。

(8)ご回答者の属性:

  • 母親:97名

  • 父親:4名

  • 祖母:1名(両親不在)

6.自由記述形式の「回答者の声」も公開予定

今回のプレスリリースでは、定量的なデータをお伝えいたしました。次回以降、自由記述形式の「回答者の声」を紹介いたします。また、PTAの関係者や有識者のインタビューや講演会も予定しています。

7.株式会社キズキについて

株式会社キズキは、「何度でもやり直せる社会をつくる」というビジョンのもと、「事業を通じた社会的包摂」をミッションに事業を行っています。

コーポレートサイト:https://kizuki-corp.com/

○不登校オンライン

不登校の保護者向けのwebメディア。

不登校にまつわる保護者の体験談、お子さんの気持ち、著名人のインタビュー、不登校からの勉強法などの記事を掲載。

https://futoko-online.jp/

○親コミュ

不登校の保護者のためのオンラインコミュニティ。

「不登校が特別ではない環境」で、チャットを通じて、不登校の保護者同士で、悩みの解決し合いや雑談が可能。有識者を招いたオンライン講演会も提供。

https://kizuki.or.jp/oya-community-lp/

○キズキ共育塾(学習支援事業)

一人ひとりの困りごとに寄り添い、自分に合った学び方を見つけていくことをコンセプトにした学習塾。不登校や中退をはじめ、人間関係の不安、体調の心配、学習への苦手意識など、お受けするご相談の種類は多岐に渡る。

埼玉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県に全国で全13校舎を展開。オンラインでの授業も行っており、お近くに校舎がない方や外出が難しい方にも授業を届けている。

https://kizuki.or.jp/

○家庭教師事業(学習支援事業)

「家庭教師キズキ家学」を運営。不登校やひきこもりの方々のために、関東・関西で、勉強のみならずカウンセリングや外出同行も含めた支援を実施。

https://tokyo-yagaku.jp/

○公民連携事業

全国各地の自治体から委託を受けて、低所得世帯の子どもたちの学習支援などを実施(東京都足立区・渋谷区・八王子市、大阪府吹田市、大阪市大正区・住吉区、兵庫県西宮市、愛知県名古屋市など。2024年9月現在、累計で42自治体49案件)。

○キズキビジネスカレッジ(就労支援事業)

東京都、神奈川県、大阪府にて、就労移行支援事業所「キズキビジネスカレッジ」を運営。

うつ病などの精神疾患や発達障害のために退職した方、また、それらの疾患や障がいのために就労できずにいる方などのために、「一人ひとりに適した就職」のための支援を実施。

https://kizuki-corp.com/kbc/

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会社概要

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業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都渋谷区代々木1-46-1 キハラビル4F
電話番号
-
代表者名
安田 祐輔
上場
未上場
資本金
-
設立
2015年07月