日本メナード化粧品、安定化ビタミンE誘導体『VEP-M』がコラーゲンの減少を防ぐことを発見
加齢とともに目立つ肌の“シワ”は、多くの人が抱える代表的な肌悩みです。メナードは1960年代からシワに関する研究開発に着手し、紫外線による老化である光老化の研究やコラーゲンの立体構造の研究など、様々な方向からシワを研究してきました。今回の研究では、シワにつながるコラーゲン減少の原因として、紫外線や活性酸素により表皮で発生する物質GM-CSF※に着目しました。GM-CSFが真皮の線維芽細胞に作用すると、コラーゲンが分解され、シワの形成につながります。
VEP-Mがコラーゲンの分解を抑制し、減少を防ぐ
今回、dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウムM(VEP-M)が表皮におけるGM-CSFの産生を抑制することを見出しました。すなわち、VEP-Mは表皮からのGM-CSFの産生を防ぐことで真皮におけるコラーゲンの分解を抑え、シワの形成を防ぐと期待されます。
VEP-Mはこれまでに、表皮のセラミドとヒアルロン酸の産生を促進し、シワを改善することが確認されています。この表皮における作用に加え、コラーゲンの減少を防ぐという真皮への作用も示唆され、幅広い肌悩みに対応できる可能性が見出されました。
※GM-CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子):炎症性物質の一種
<参考資料>
1.シワの形成とコラーゲン
シワは加齢に伴い増加します(図1)。シワができる原因のひとつは、真皮のコラーゲンの減少です。コラーゲンの減少は、加齢や紫外線など様々な要因によって引き起こされます。コラーゲンは真皮に存在する線維芽細胞(図2)により産生されますが、線維芽細胞はコラーゲンを分解する酵素も産生します。紫外線や活性酸素といった刺激は、線維芽細胞のコラーゲン産生能力を低下させるとともにコラーゲン分解酵素を増加させ、コラーゲン減少につながります。
2.GM-CSFによるコラーゲンの分解
紫外線や活性酸素によって表皮細胞から産生されたGM-CSFが真皮の線維芽細胞に作用すると、コラーゲン分解酵素であるMMP1の遺伝子発現が高まります。コラーゲン分解酵素が増えることで真皮内のコラーゲンの分解が進み、シワが発生すると考えられます(図3)。
3.dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウムM(VEP-M)がGM-CSFの発現を抑える
VEP-Mは肌の中でビタミンEに変換されます。ビタミンEを表皮角化細胞に添加したところ、紫外線および活性酸素によるGM-CSFの発現亢進を抑えることを発見しました(図4)。すなわち、VEP-Mがコラーゲンを減らす原因となるGM-CSFの発生を抑え、シワの形成を防ぐことが期待されます。
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