マイクロン、1γノードDRAMのサンプル出荷を開始、未来のコンピューティング・ニーズに応えるメモリ技術を切り拓く

業界初となる高性能な1γノードにより、データセンターからクライアント及びモバイルプラットフォームにわたり卓越したパフォーマンスと消費電力効率を提供

2025年2月25日、アイダホ州ボイシ発 — Micron Technology, Inc.(Nasdaq:MU)は本日、次世代CPU向けに設計され、第6世代(10nmクラス)となる1γ(1ガンマ)DRAMノードベースのDDR5メモリのサンプル出荷を業界で初めてエコシステムのパートナーおよび一部の顧客を対象に開始したと発表しました。この1γ DRAMの画期的な成果は、マイクロンのこれまでの1α(1アルファ)と1β(1ベータ)DRAMノードのリーダーシップを基盤とし、クラウドからAI PC、スマートフォン、自動車まで未来のコンピューティング・プラットフォームを支える数々のイノベーションを実現します。マイクロンの1γ DRAMノードは、まず16Gb DDR5 DRAMに採用され、その後、マイクロンのメモリ・ポートフォリオ全体へと広がり、AIに必要とされる高性能かつ消費電力効率の高いメモリ・ソリューションのニーズに応えます。この16Gb DDR5製品は、最大9,200MT/sの速度性能で設計され、前世代と比較して最大15%の高速化 1 と20%を上回る省電力化2を実現しました。

重要なポイント:

AIがデータセンターからエッジにわたり広く普及する中で、メモリ需要はかつてないほど高まっています。マイクロンが進める1γ DRAMノードへの移行は、顧客の課題解決に貢献します。

  • パフォーマンスの向上 — 1γ ベースのDRAMは、データセンター向けからエッジデバイス向けまで多種多様なメモリ製品として展開され、増大するコンピューティング能力を支える優れたパフォーマンスを実現し、未来のAIワークロードに求められる要件に対応します。

  • 省電力化 — マイクロンの1γ ノードは、High-k(高誘電率)メタルゲートを用いた次世代のCMOSテクノロジーと設計の最適化により、20%以上の省電力化を実現し、熱プロファイルが改善されました。

  • ビット密度の向上 — EUV(極端紫外線)露光、設計の最適化、革新的なプロセス技術を採用したこの1γ ノードは、前世代と比較してウエハ当たりのビット数が30%増加し*3、メモリ供給を効率的に拡張できます。

マイクロン エグゼクティブバイスプレジデント 兼 最高技術/製品責任者のスコット・デボア(Scott DeBoer)は「マイクロン独自の技術力とEUV露光の戦略的活用により、AIエコシステムの発展を導く、先進の1γベースメモリによる強力な製品ポートフォリオが実現しました。1γ DRAMノードが実現するビット密度の向上は、マイクロンの製造力の効率性と卓越性の証しであり、これにより、業界の継続的な需要に応じてメモリ供給を効率的に拡大できます」と述べています。

数世代にわたり実証されてきたマイクロンのDRAMテクノロジーと製造戦略を通じて、この最適化された1γ ノードは実現しました。1γ DRAMノードのイノベーションは、トランジスタ性能を向上させる次世代のHigh-kメタルゲート技術による高速化や設計の最適化、メモリサイズの微細化など、CMOS技術のさまざまな進展に支えられ、これらにより省電力化とパフォーマンスの向上が可能になります。さらに、最先端のEUV露光に加え、高アスペクト比エッチング技術や業界をリードする革新的な設計技術の最適な導入を図り、業界最先端のビット密度を実現しました。マイクロンは、1γ ノードを世界中のマイクロンの製造拠点に展開し、業界の技術力の向上と供給の安定に貢献していきます。

マイクロン エグゼクティブバイスプレジデント 兼 最高事業責任者のスミット・サダナ(Sumit Sadana)は「マイクロンは再び、世界最先端のメモリ技術の導入で業界をリードしました。1γ DRAMノードは、卓越した電力効率とパフォーマンスで実現する画期的な成果です。1γ DRAM製品は、データセンターからエッジまでを網羅する広範なメモリ・ソリューションとして展開され、AIエコシステムを変革し、顧客企業が変化の激しい業界のニーズに先んじて対応できるよう支援します」と述べています。

クラウドからエッジに至るまで製品を進化

1γノードは、将来の製品基盤として、マイクロンのメモリ製品ポートフォリオ全体に導入されます。

  • データセンター — データセンター向けの1γ ベースDDR5メモリ・ソリューションは、最大15%の高速化を実現し、電力効率を向上させます。さらに、サーバー性能の継続的な拡張を可能にし、データセンターは将来にわたりラック単位で電力/熱設計を最適化できます。

  • エッジAI — 1γ ベースの低消費電力DRAMは、省電力化と帯域幅の拡大を実現し、エッジAIソリューションとしてユーザー体験を向上させます。

  • AI PC — 1γ DDR5 SODIMMは、パフォーマンス向上と消費電力20%削減を実現し*4、バッテリー持続時間の延長とノートPCのユーザー体験全般の向上を両立させます。

  • モバイル — 1γ LPDDR5Xは、エッジで卓越したAI体験を実現し、モバイル技術でのマイクロンのリーダーシップを継続させます。

  • 自動車 — 1γ ベースのLPDDR5Xメモリは、容量の拡大、長期耐用性とパフォーマンスの強化とともに、最大9,600MT/sの速度を実現します。

業界各社のコメント:

「1γ DRAMノードによるマイクロンの進展を大変喜ばしく思い、AMDではすでに1γ DDR5メモリの検証作業を開始しました。データセンター向けならびに消費者向けのプロセッサー向けを含む製品ポートフォリオで次世代AMD EPYC製品とともにコンピューティング・エコシステムを発展させ続けていく上で、マイクロンとの緊密なコラボレーションは極めて重要です」

— AMD コーポレートバイスプレジデント サーバープラットフォーム・ソリューションズ・エンジニアリングアミット・ゴエル氏(Amit Goel)

「マイクロンの1γ ノードの進展により、インテルのサーバーとAI PCで消費電力と密度の向上が大きく進みます。マイクロンのDRAMテクノロジーでの継続的なイノベーションと、それにより実現される容量によるサーバー・システムの性能向上やPCのバッテリー寿命の延長に期待しています。インテルは、厳格なサーバー検証プロセスを通じてマイクロンの1γ DDR5メモリ サンプルの検証を進め、最高水準の品質とクラス最高の体験を実現するサーバー・システムを顧客に提供します」

— インテル コーポレーション メモリ&IOテクノロジー担当 バイスプレジデント 兼 本部長 ディミトリオス・ジアカス氏(Dimitrios Ziakas)

今回の成果は、経済産業省所管の国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトの一環として達成されました。

認定の顧客とパートナーは、マイクロンの技術支援プログラム、Technical Enablement Program(TEP)for DDR5 を活用できます。このプログラムでは、技術情報、電気/熱設計モデルの早期アクセスのほか、次世代コンピューティング・プラットフォームの設計、開発、導入に役立つサポートを提供しています。

*1: データ転送速度の向上は、1γ DDR5メモリ製品に見込まれる将来的な速度性能に基づく

*2: 1γ ベースDDR5メモリの消費電力(ワット数)を1βベースDDR5メモリと比較して算出した電力削減の割合

*3: ウエハ当たりビット数の増大率は、ウエハ全体のビット密度で1βプロセスと1γプロセスを比較した結果に基づき算出

*4: 1γ ベースDDR5 SODIMMメモリの消費電力(ワット数)を1βベースDDR5 SODIMMメモリと比較して算出した電力削減の割合

参考資料:

画像1:マイクロンの1γ プロセスの説明

マイクロンの1γ DRAMノードの概念。ビット密度、性能、電力効率を向上

画像2:マイクロンの1γ DRAMの次世代の進化

マイクロンのこれまでの1α(1アルファ)と1β(1ベータ)DRAMノードのリーダーシップを基盤とし、クラウドからAI PCまで未来のコンピューティング・プラットフォームを支える数々のイノベーションを実現

Micron Technology, Inc.について

マイクロンは、情報活用のあり方を変革し、すべての人々の生活を豊かにするために、革新的なメモリおよ びストレージソリューションを提供するリーディングカンパニーです。顧客第一主義を貫き、テクノロジーの最 前線でリーダーシップを発揮し続け、洗練された製造技術と事業運営を妥協なく追求するマイクロンの製品 ポートフォリオは、DRAM、NAND、NORの各種メモリからストレージ製品まで多岐にわたり、Micron®また はCrucial®のブランドを冠した高性能な製品を多数展開しています。マイクロンで生まれた数々のイノベー ションは、データの活用を加速すると同時に、人工知能や計算集約型アプリケーションといった最先端分野 の進歩の基盤として、データセンターからインテリジェントエッジ、さらにはクライアントコンピューターとモバ イルをまたいだユーザーエクスペリエンスまで、さまざまな事業機会を新たに生み出し続けています。 Micron Technology, Inc.(Nasdaq:MU)に関する詳細は、micron.comをご覧ください。

© 2025 Micron Technology, Inc. All rights reserved. 情報、製品、仕様は予告なく変更されることがあります。マイクロン、マ イクロンのロゴ、およびその他のすべてのマイクロンの商標はMicron Technology, Inc.に帰属します。他のすべての商標はそ れぞれの所有者に帰属します。

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

URL
https://jp.micron.com/in-japan
業種
製造業
本社所在地
東京都港区港南1-2-70 品川シーズンテラス8階
電話番号
-
代表者名
福田 岳弘
上場
海外市場
資本金
-
設立
-