「課金されない率」99.9%の会社、500万ダウンロード突破|「寄付だけで黒字化」も迫る
課金されなさすぎる社長、「課金されない方がいい」という悟りの境地へ
同社は、アプリ内に広告を掲載せず、「寄付のみで収益化」を目指しています。同社のアプリ内課金は、なくても全く困らない「無駄機能」を購入するという仕組みで、課金の形式をとっているものの、実態は任意の寄付となっています。
このような方針の下、「非常に低い収益性」でありながらも「続々と増えるユーザー数」によって、「寄付だけで黒字化」に近づいています。
前人未到の99.9%
bondavi株式会社は2023年1月1日 ~ 5月31日において、「課金されない率*1」が99.9%超を記録しました。
BackApp LLC. の調査*2 によると、業界平均の課金率は約2%とのことですので、bondavi の課金率0.1%(= 課金されない率99.9%)は、その差は実に20倍。
驚異的なまでに、課金されていない(儲かっていない)ことが分かります。
*1 課金されない率 = 100% - 課金率 (新規課金ユーザー数 / 新規ユーザー数)
*2 https://backapp.co.jp/blog/541
99.9%が課金しない「無駄機能」とは
では何故、bondaviのアプリはこんなにも課金されないのでしょうか。
それは、他のアプリと違って「課金する必要性」がないからです。
bondavi は、気持ち重視の経営により、自らこのような制約を課しています。
・「ユーザーの妨げになるものは入れない」→ アプリ内に広告を掲載しない
・「お金のない人にも100%本気でいたい!」 → 価値のある機能に課金制限をしない
その結果、全く収益源がなくなった同社が苦肉の策として思いついたのが、「無駄機能」。
なくても全く困らない無駄な機能を、応援したい人だけが購入する、というものです。
これなら、お金のないユーザーが困ったりすることはありません。
そして当然ながら、この仕組みではお金のあるユーザーも困らないので、「99.9%が課金しない」というのも当然の結果なのでした。(それゆえ、事業は赤字となっています)
「課金されない方がいい」という悟りの境地
最初は「まあ当然だよね」などとのんきに考えていた社長も、数字として突きつけられる現実の厳しさに、心が折れそうになったこともあります。
(彼は「ひよこフィルター」を開発するほどメンタルの弱い人間でした)
しかし今、彼は言います。
課金されない方がいい、と。
彼の主張はこうです。
たくさん課金されると、「その収益を失いたくない」という邪念が生まれる
邪念は人の心を奪い、やがて我々は心なき「収益維持マシーン」と化す
よって、人間でいたいのならば、課金されない方がいい
このような負け惜しみを並べることで、社長はなんとか現実から目を背けることに成功しました。
それでも500万ダウンロード突破
そうして現実から目を背け続け、「とにかくいいものを作る」という活動ばかりを続けてきた bondavi。
アプリの質だけは上がり続け、口コミでアプリは広まり続けました。
そして2023年5月、累計ダウンロード数は500万を突破。
1人あたりの収益は驚くほど低いままですが、たくさんの人が使ってくれているので、(無駄機能を含む)寄付の総額が少しずつ増えています。
無謀に思われた「寄付だけで黒字化」も現実的になってきました。
まだまだ挑戦は続きます。
bondavi株式会社
元・広告代理店データアナリストの社長が創業したアプリ開発ベンチャー。社長のこだわりから、広告掲載やアプリ内課金をおこなわず、「ユーザーの善意 (寄付) 」 のみによる黒字化に挑戦している。国内No.1習慣化アプリ 「継続する技術」 、No.1集中アプリ 「集中」 、「ひよこフィルター」などを提供し、有料プロモーションを一切せず、アプリの品質向上のみで500万ダウンロード数を突破している。
https://bondavi.jp
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