まちの「にぎわい」をつなぎ、市街地における「防災」と優れた「環境」性能を備えた都市型防災庁舎【川崎市役所本庁舎】

株式会社久米設計(本社所在地:東京都江東区潮見2-1-22)は、当社が設計した「川崎市役所本庁舎」がCFT構造賞を受賞しましたことをお知らせします。

株式会社久米設計

CFT構造賞とは
https://anuht.or.jp/publics/index/81/

撮影:エスエス企画

【設計者コメント】

川崎市はこれまで、幾多の課題を市民・事業者と一体となって乗り越え、前進することで多彩な魅力を有する大都市への発展を遂げてきました。

この発展に伴う人口増加に併せて、市役所の業務は増え続け、旧本庁舎は床面積が不足し、本庁機能が周辺の分庁舎や民間ビルに分散するなど、利用しづらい環境にありました。また、旧本庁舎は耐震性の不足により、大規模な地震が発生した際には倒壊の恐れもあり、市民・事業者の生活再建・復興が遅れるリスクを抱えていたため、新本庁舎の建替えを行い、庁舎機能を集約することにより利便性を向上すると共に、災害に強く、高度な業務継続性を備えた都市型防災庁舎として、新しい災害対策活動の中核拠点機能をつくることが求められました。

防災対応として、多摩川の河川氾濫などの水害の影響を受けない中間階免震構造を採用しました。基準階では、地震時に空調機器や天井材の落下がない執務室の無天井化を行い、小さい階高の中で明るく、開放的な空間をつくることを実現しました。また、都市ガス・オイルを併用した非常用発電システムにより、電力途絶時でも21日間以上に渡って、業務継続が可能な計画としています。加えて、低層部には日常時にはにぎわいをつくり、防災時には多目的防災スペースに転用できる半外部のアトリウムを配置し、その周りには外部からの支援スペースとして利用可能な会議室を配置するなど、あらゆる都市災害を想定した、極めて防災性能の高い庁舎としました。

今回の受賞は、まちづくりにも寄与しながら・建築計画と構造計画、設備計画が「防災」という、同じ目標に向かって取り組んだ結果として評価いただいております。このプロジェクトに関わる様々な皆様との協働により実現したものとして、改めて、深く感謝申し上げます。

【建築概要】

名称:川崎市役所本庁舎

所在地:神奈川県川崎市川崎区宮本町1

建築主:川崎市

設計者:久米設計

施工者:

【高層棟】

 建築     :大成建設株式会社 横浜支店

 電気設備   :電気JV(関電工・協和・京急電機 共同企業体)

 空調設備 :空調JV(新菱・川本・明和 共同企業体)

 衛生設備 :衛生JV(大成温・須賀・京急 共同企業体)

 昇降機設備:東芝エレベータ株式会社

 議場映像音響設備:株式会社丸井電設

【復元棟】

 建築    :株式会社小川組

 電気設備  :協成電気株式会社

 空調設備  :明和工業株式会社

 衛生設備  :東都熱工業株式会社

 太陽光発電設備:住吉電機株式会社

延床面積:62,356㎡

階数:地上25階地下2階

構造:S/一部RC/SRC

竣工:2023年6月

受賞:CFT構造賞/SDA賞/プレストレストコンクリート工学会賞/照明施設賞

【設計コンセプト】

「にぎわい×環境×防災」の都市型防災庁舎

計画地は市役所として昭和13年から市役所通りのアイコンとなり永く市民に親しまれてきた既存旧本庁舎の跡地であり、また、川崎駅から小売店舗や飲食店などの、まちのにぎわいが連続する市街地でもあります。この旧本庁舎の歴史的な価値を継承しながら、旧本庁舎を再現した復元棟と高層棟の間に半外部空間の立体的で開放的な都市空間であるアトリウムを配置し、まちのにぎわいに寄与すると共に、多摩川の浸水災害を受けない中間階免震構造や地震時に天井材落下の恐れがない無天井執務空間など、あらゆる都市災害を想定しました。また、コの字形状のプレキャストコンクリート板の外壁の内側を換気ボイドとして利用したエコマルチウォールの自然換気システムや窓周りの彫を深くすることによる、徹底的な日射抑制などによりZEBReady(BEI=0.47)やCASBEE川崎Sランクなど、高い環境配慮性能も確保しました。

まちの「にぎわい」をつなぎ、市街地における「防災」と優れた「環境」性能を備えた、新しい都市型防災庁舎のあるべき姿が実現しました。

撮影:エスエス企画


【久米設計 ENGINEERING & DESIGN】

川崎市役所本庁舎

https://www.kumesekkei.co.jp/e_and_d/assets/0055/kawasaki_city_hall.pdf

【会社概要】

株式会社久米設計

「豊かさ」を拓く。私たちは「豊かさ」とは何かを真剣に考える多様な個性の集合体です。地域・人を大切に、未来を見据えた新たな価値を創造していきます。

1932年の創設以来、数多くの都市、建築の設計を手掛けてきました。技術とデザインの融合を追求し、人と社会への貢献を目指す企業です。本社を東京都江東区潮見に構え、社員数約650名(約450名の資格を有する専門家)を擁し、国内外の幅広いプロジェクトに取り組んでおります。持続可能な社会の実現へ、技術とデザインで貢献してまいります。

URL:https://www.kumesekkei.co.jp/

所在地:東京都江東区潮見2-1-22

取締役社長 井上宏

【久米設計Instagram】

https://www.instagram.com/kumesekkei/

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ビジネスカテゴリ
建築・空間デザイン
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会社概要

株式会社久米設計

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URL
https://www.kumesekkei.co.jp/
業種
建設業
本社所在地
東京都江東区潮見 2-1-22
電話番号
03-5632-7811
代表者名
井上宏
上場
未上場
資本金
9000万円
設立
1932年10月