オーストラリアから過去最大規模の宇宙産業代表団が来日：日本との連携を加速
宇宙ビジネスマッチング、企業訪問、万博での共創議論―日豪の宇宙協力を次のステージへ
2025年5月19日から22日にかけて、オーストラリアから過去最大規模の15の宇宙関連企業とオーストラリア宇宙庁（ASA）の代表団が来日し、日本の宇宙関連機関や企業との関係強化を目的とした大規模プログラムがオーストラリア大使館商務部（Austrade）により実施されました。
本プログラムは、打上げサービス、宇宙状況把握、地球観測、宇宙交通管理、非地球画像撮影、衛星通信、量子センシング、設計自動化、など様々な宇宙分野の最先端技術を持つ豪州企業と、日本企業・機関との連携促進を目指すもので、各所で活発な交流と商談が行われました。
ビジネスマッチング「Demo Day」で120件超の打ち合わせを実施
初日の5月19日には、在日オーストラリア大使館にて、訪日豪州企業と27社の日本企業の間で120件以上の打ち合わせがセッティングされた「Demo Day」を実施。15〜30分の短い打ち合わせ形式により、宇宙機器の共同開発、ソフトウェア連携、センサーデータの利活用など、具体的な協業テーマが次々と浮かび上がりました。
夜には約80名が集まるBBQレセプションも開催され、政府、産業界、アカデミアの枠を超えた対話が進みました。また、同日には豪州のInovor Technologiesと日本のStar Signal SolutionsによるMoU締結も行われ、衛星データと宇宙交通管理に関する実証的な協業が正式にスタートしました。
日本の宇宙現場を肌で感じる視察プログラム
5月20日には、ispace HAKUTO-Rミッションコントロールセンター、Space BD、Axelspace（いずれも東京・日本橋）を訪問。民間による月面探査、宇宙ベンチャー育成、地球観測衛星の小型化といった日本の革新的な宇宙事業の最前線を目の当たりにし、オーストラリア側の参加者からは「連携につながる分野が多くある」との声が相次ぎました。
万博で開催された公式イベントも盛況に
5月22日には、大阪・関西万博オーストラリア館にて、公式イベント「Australia-Japan: Partnerships in Space」が開催されました。本イベントには日豪の主要宇宙機関、スタートアップ、大手企業、業界団体の参加者が集結しました。
第1部は、大阪・関西万博のオーストラリア政府代表ナンシー・ゴードン氏、在日オーストラリア大使館 公使（商務）のエリザベス・コックスによる挨拶から始まり、ASA長官のエンリコ・パレルモ氏及びJAXA宇宙戦略基金事業部 企画推進課長 兼 新事業促進部 参事の伊奈康二氏による基調講演では日豪の宇宙分野での近年の盛り上がりや、今後の民間協業への期待などについて発信されました。
また、SPACETIDE、Space Industry Association of Australia (SIAA)、crossU からは2025年後半に日豪にて開催される注目の宇宙イベント「SPACETIDE 2025」「IAC 2025」「NIHONBASHI SPACE WEEK 2025」についての紹介もありました。
第2部では、テーマ別ラウンドテーブルディスカッション及びネットワーキングを実施し、今後の宇宙分野での日豪協力・協業をより発展させていくには何が必要か、というテーマに沿って様々な意見交換や議論が展開されました。
日豪宇宙協力の未来に向けて
コックス商務公使は次のように述べています。
「今回の代表団はオーストラリア宇宙産業からは過去最大規模の訪日代表団となり、訪日プログラムのタイミングとしても絶好の機会です。オーストラリアと日本の宇宙分野でのパートナーシップは、かつてないほど緊密なものとなっています。」
「両国の関係は、2020 年に締結されたオーストラリア宇宙庁（ASA）と宇宙航空研究開発機構（JAXA）の協力覚書によって支えられており、締結以来、両国間の協力関係は拡大し続けています。軌道打ち上げ、宇宙状況把握、ミッション・コントロール、非地球画像撮影、地球観測、先進製造技術など多くの分野で、オーストラリアと日本の連携の機会は可能性に満ちています。私たちは、日豪の企業が共に発展し、革新的な解決策や機会を見出すために協力できるよう、今後も支援を続けていきます。」
今後も日豪の産学官による連携の活発化が、宇宙分野における次世代のビジネスと技術を共創していくことに期待しています。
多様な先端技術が一堂に集結：本プログラム参加豪州企業一覧（リンク付き）
|
分野 |
企業名 |
|
地球観測／非地球画像 |
|
|
軌道打上げ／宇宙アクセス |
|
|
宇宙状況把握・ミッション支援 |
|
|
IoT通信・精密計測 |
|
|
設計・シミュレーション／ |
Nominal Systems (now Zendir)、VXB Aerospace、 |
|
R&D／アカデミア／産業団体 |
SmartSat CRC、Swinburne University of Technology、 |
オーストラリア大使館商務部
貿易・対豪投資・留学の促進を主な業務とするオーストラリア政府機関。日本企業がオーストラリアの製品・サービスを輸入するためのサポート、豪州への投資促進、さらには教育に関するプロモーション活動を通じて、オーストラリアと日本の経済活動の活発化に取り組んでいます。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
