Cellid、ARグラス用レンズに2製品を追加

同時に、AR映像改善のソフトウェア補正機能をリリース

次世代デバイスであるARグラス向けのディスプレイおよび空間認識エンジンを開発するCellid株式会社（読み方：セリッド、本社：東京都港区、代表取締役CEO：白神賢、以下「Cellid」）は本日、前モデルと比較して輝度が向上したARグラス用ディスプレイレンズのウェイブガイド、2製品を新たに追加し、同時にAR画像における色ムラなどを改善する独自のソフトウェア補正技術も発表しました。これにより、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアの側面からもARグラスの普及を推進していきます。

今回追加されたのはC世代設計アーキテクチャの製品で、プラスチック製ウェイブガイド「R30-FL (C)」およびガラス製ウェイブガイド「C30-AG (C)」の2製品で、前世代モデルと比較して、輝度がプラスチックの約２倍、ガラスは約３倍向上したのが特徴です。

またウェイブガイドと同時に、ARグラスに搭載可能な独自ソリューションとして、AR画像のソフトウェア補正機能も発表しました。一般的にディスプレイでは、光の経路や干渉の影響により、わずかな色ムラや画像の歪みが発生する場合があります。これらはハードウェアのみで完全に解消することが難しく、ARグラスにおいては、視認性や没入感に影響を及ぼす要因となっていました。Cellidでは、こうした課題に対し、ディスプレイの特性（色ムラや歪み）を高精度に測定し、それを補正するAR画像をソフトウェアで生成することを可能にし、ユーザーが見る最終的なAR映像を、最適な形で投影されるために補正する技術を開発しました。

今後、このソリューションは以下のような機能強化を予定しています：

・測定技術の内製化と高精度化による、より緻密な補正の実現 

・補正アルゴリズムの高度化により、個体差や環境変化にも対応可能なスマート補正の実現 

・アルゴリズムのチップ実装による、低消費電力かつリアルタイムな補正の実現 

・自動でオン・オフの切り替えや補正パラメータの動的制御と、連携するスマートフォンからの制御

Cellidが開発するウェイブガイドは、一般的なメガネレンズと同等の薄さ・軽さを保ちながら、鮮やかなフルカラー表示を実現しています。世界最大のディスプレイ学会「The Society for Information Display（SID）」より「2024 Display Component of the Year Award」を受賞するなど、業界内でも高い評価を得ております。現在、国内外の企業とARグラスの普及に向けて、共同開発および量産体制の構築を加速させています。　最新ウェイブガイドの特長や機能の詳細については、当社ウェブサイトをご覧ください。

 

Cellid株式会社 代表取締役CEO 白神賢 コメント
「Cellidのウェイブガイド製品ラインアップを拡充させることで、ハードウェアの進化にとどまらず、ソフトウェア技術との融合により、多様なお客様のニーズにお応えできる体制を整えました。ウェイブガイド製品および本ソフトウェア補正技術の性能を今後も継続的に向上させ、どのような映像や光源でもムラのない美しい映像を提供するARグラスの実現を目指します。また、ウェイブガイドの特性上、目の動きによって見えるムラが変化することが分かっており、今後はアイトラッキングなどの機能と連携し、視線に応じた最適な色ムラ補正など、包括的にARグラスのUX（ユーザー体験）を最大化するモジュール開発にも取り組み、AR市場の発展に一層貢献してまいります。」

■ Cellid株式会社（セリッド）について
Cellidは、次世代デバイスのARグラス用ディスプレイおよび空間認識エンジンの開発を主軸とする事業を展開しています。ARグラス用ディスプレイとして、最先端の光学シースルーディスプレイ方式のウェイブガイド（DOE方式）を製造しています。Cellid独自の光学シミュレーション技術と独自の生産技術で、一般的なメガネレンズと同等の薄さと軽さ、鮮明な画像、ウェイブガイドで世界最大級の広視野角を実現したディスプレイモジュール製品を展開しています。またCellid SLAMなどの空間認識ソフトウェア技術を用いた、産業別ソリューションの開発、提供もしています。ARディスプレイのハードウェアの技術と、現実世界の空間認識のソフトウェアの技術を連携し、現実世界とデジタル世界の融合「Blending the Physical and Digital Worlds」を促進し、より人間に身近で段違いに便利な情報ツールの実現を主導していきます。