【表情から喜怒哀楽を学ぶ子どもたち】マスク着用により約3割の保育士が「子どもたちと十分なコミュニケーションが取れていない」と回答
〜一方で、「喜怒哀楽に合わせて声を使い分けている」、「ボディーランゲージを多用することで感情を伝えている」など現場で行われる様々な工夫も〜
子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」を運営する株式会社明日香(本社: 東京都文京区、代表取締役:萩野吉俗)は、現役保育士97人を対象に、「マスク着用による保育の変化にまつわる調査」を実施しましたので、お知らせいたします。
- サマリー
- 調査概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年8月18日~2021年8月25日
有効回答:現役保育士97人
- 97.9%の保育士が、保育園でマスクを着用
・している:97.9%
・していない:2.1%
- マスク着用による問題や懸念、「表情が見えない」「声が通りにくい」など
・表情が伝わらないため子どもが表情から感情を学びとることができない:61.1%
・読み聞かせなどの際に声が通りにくく、子どもたちが上手く聞き取れていない:58.9%
・口の動きがわからないことで言語面での成長に影響がありそう:53.7%
・昼食時に咀嚼方法を学ぶことができない:29.5%
・その他:8.4%
・特にない:8.4%
- 「スポーツをするときに息苦しい」や「顔を覚えてもらえない」などのマスク着用による懸念の声も
<自由回答・一部抜粋>
・28歳:スポーツする時の息苦しさ
・47歳:小さい子だと、抱っこしたときなどに、マスクに手を伸ばし、外そうとすることがある。
・40歳:息苦しいので保育するのも大変
・37歳:乳児はマスクをとった顔が見慣れないため、泣き出してしまう子もいる。
・34歳:表情が伝わらない、顔を覚えてもらえない。
・32歳:顔のパーツを伝えるのが難しかったり、絵本の読み聞かせで表情を見せることが難しいので伝わりにくい
・49歳:目しか出ていないなりの表現の仕方を工夫している
・48歳:乳児の場合は,様々な人の表情を見せることで,興味関心を抱けるようにしていくため,非常に苦労しています
- マスクを着用したうえでは、「子どもたちと十分なコミュニケーションが取れていない」と約3割の保育士が回答
・とても思う:16.8%
・やや思う:54.7%
・やや思わない:25.3%
・全く思わない:3.2%
- コロナ禍におけるコミュニケーション上の工夫、「喜怒哀楽に合わせて声を使い分けている」が52.6%、「ボディーランゲージを多用することで感情を伝えている」が40.2%
・喜怒哀楽に合わせて声を使い分けている:52.6%
・ボディーランゲージを多用することで感情を伝えている:40.2%
・表情が見えるようにマスクではなく終日透明なフェイスシールドを使っている:11.3%
・昼食時にマスクではなく透明なフェイスシールドに変え、咀嚼方法を見せている:9.3%
・その他:2.1%
・特にない:25.8%
- その他、「ピアノの音などを活用している」や「手遊びを多くした」などの回答も
<自由回答・一部抜粋>
・47歳:いつもより、ハキハキした口調で話すようにしている。
・51歳:表情など大袈裟にする。だっこやひざに座らせたりスキンシップをする。
・52歳:ピアノなどの音を活用している。
・31歳:幼い頃から問題を身近に感じることが大事だから。
・52歳:手遊びを多くした。
・32歳:見えてる部分(目や眉)の使い方を意識して表情を使っている。
・49歳:目を見てもらうように一人一人のそばに行き目を見て話せるようになるべくしている。
- マスクで表情が伝わらないことで、「発語が少ない気がする」や「感情が伝わりにくい」エピソードも
<自由回答・一部抜粋>
・28歳:怒っていると思われたり、その時の気持ちを話さないといけない
・34歳:一歳児の担任をしているが、心なしか子どもたちの発語が少ない気がするし、表情が知りたくてマスクをめくろうとする子もいる
・51歳:自分自身も子どもの声が聞こえにくい
・51歳:はじめましての子は不安になる
・31歳:感情が伝わりにくい。子どもの集中がしづらい
・26歳:危ない事、いけない事を伝えても表情わからないせいか、うまく伝わっているのかがわからない
・32歳:目、口、鼻が分からない園児がいる
- まとめ
結果からわかるように、ほぼ全ての保育士の方が、マスクをしながら保育を行っていることがわかりました。一方で、マスク着用による問題や懸念点として、「表情が伝わらないため子どもが表情から感情を学びとることができない」や「読み聞かせなどの際に声が通りにくく、子どもたちが上手く聞き取れていない」などの課題も感じているようです。
また、コロナ禍でのマスクを着用した状態での保育について、約3割の保育士が「十分なコミュニケーションが取れていない」と回答しています。実際に、「発語が少ない気がする」や「感情が伝わりにくい」などのエピソードも挙げられました。
そんな中、コロナ禍におけるコミュニケーション上の工夫についてお聞きすると、「喜怒哀楽に合わせて声を使い分けている」(52.6%)や、「ボディーランゲージを多用することで感情を伝えている」(40.2%)などが挙げられ、保育士の方の試行錯誤の様子が伺えました。
令和元年以降、保育士の有効求人倍率に減少の兆しが見えています。これは少子化の加速や定員充足率の減少も一因と考えられますが、コロナ禍が大きな要因でしょう。そんな中、マスク着用を余儀なくされている状況下でも、なんとか保育における打開策を見つけようとする保育士は、保育における持続可能性と向き合う、「質の高い人材」として今後評価対象になってくるかもしれません。
- 会社概要
所在地 :東京都文京区小石川5丁目2番2号 わかさビル3F
代表者 :代表取締役 萩野 吉俗
事業内容:・保育室の設置・運営(院内保育室、企業内保育室、認可保育所)
・自治体と連携した子育て支援事業
(児童館、放課後児童クラブ、子育て支援拠点、こども広場等の運営)
・保育に関わる人材の派遣・紹介(保育士・幼稚園教諭・看護師・栄養士など)
・居宅訪問型子育て支援
(ベビー・キッズシッターサービス、家事代行サービス、自治体の委託業務)
・臨時保育室の設置・運営(イベント時保育サービス)
・保育に関わる人材の教育(研修会、講演会、各種セミナーの開催)
・新規保育事業の開発及びコンサルティング
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