The Quantum Challenge Fall 2020 結果発表
そう遠くない量子の未来のためのプログラミングとは?
11月9日から11月30日まで、85カ国から3,320人以上の人が、その答えを知るためにIBM Quantum Challengeの2,000席に応募しました。
11月9日から11月30日まで、85カ国から3,320人以上の人が、その答えを知るためにIBM Quantum Challengeの2,000席に応募しました。
クラウドからアクセス可能な量子システムは、今後もより多くの量子ビット数で構成された優れた量子プロセッサとシステム全体の技術革新によって拡張を続けていきます。こうした近い将来のより性能が向上した量子システムの可能性を引き出すためには、複雑なデータ構造を実装する方法を理解することが重要になります。
この度の3週間のIBM Quantum Challengeでは、参加者はqRAM (https://arxiv.org/abs/0708.1879) を使って近未来の量子データ構造を実装し、Groverのアルゴリズムを使って量子ゲームソルバーを設計する方法を学びました。qRAMとGroverのアルゴリズムの組み合わせは、将来の量子システムをつかった量子機械学習や複雑な意思決定問題の分野で、実生活の問題を解決するために数多くの応用が見込まれます。
Challengeの参加者は、毎週新しい課題を与えられ、その難易度は週を追うごとに上がっていきました。2,000人の参加者のうち、第1週目の演習課題をすべて解くことが出来た人が1091人、第2週目の演習課題をすべて解けた人が576人でした。最後の最も難しい本戦課題を含むすべての演習課題を解ける人がどれくらい出てくるのか。出題者の見積もりでは二桁に落ちるのではと思っていたところ、なんと227人もの人が全問正解に成功しました。 これは出題者の想像をはるかに超えるものでした。
当チャレンジの最終週の本戦問題の作成者であるIBM Quantumの松尾惇士氏が執筆した解答例 (https://github.com/qiskit-community/IBMQuantumChallenge2020/tree/main/solutions/week-3/ex_3_solution_ja.ipynb) をぜひご確認ください。
Quantum Challengeのトップ10位をご紹介します
227人中、全問クリアしただけでなく、最後の問題を解く際に最も低い量子コストを達成したのは、東京大学工学部物理工学科の長吉博成さんです。長吉さんは問題の制約条件のユニークな特徴を利用した戦略を適用することで、最も少ない量子コストで解を得ることに成功しました。長吉さんの解法と解説はこちら (https://github.com/qiskit-community/IBMQuantumChallenge2020/tree/main/submissions) からご覧になれます。長吉さん、おめでとうございます!
トップチームの解法解説 (https://github.com/qiskit-community/IBMQuantumChallenge2020/tree/main/submissions) :トップチームの皆さんが今回の問題にどう挑んだのか。アプローチ、駆使したテクニックなどを各チームが公開しています。
3週間で初心者から上級者まで
IBM Quantum Challengeの最も大きな成果は、人々が経験する学習体験です。
IBM Quantum Challenge では、限られた時間のなかで多くの人が新しいことを一から学び、成長していきます。以下のグラフは参加者の事前と事後アンケートの結果を比較しています。1〜10のスケールでそれぞれ、量子コンピューティングとQiskitの知識とスキルレベルを申告してもらいました。結果が示すように、多くの人が初心者としてこのチャレンジに参加しましたが、演習課題に取り組んだり、参加者同士が互いに学びあったりすることで、より高いレベルの経験とスキルを身につけた様子がうかがえます
最後に、今回は競技としてこそは参加しなかったものの、量子計算の基礎や新しいテクニックを習得するために参加された方も数多くいらっしゃったとお聞きしています。このチャレンジをきっかけに、これからも皆さんが量子コンピューティングに親しみつづけてくだされば本望です。
この度の3週間のIBM Quantum Challengeでは、参加者はqRAM (https://arxiv.org/abs/0708.1879) を使って近未来の量子データ構造を実装し、Groverのアルゴリズムを使って量子ゲームソルバーを設計する方法を学びました。qRAMとGroverのアルゴリズムの組み合わせは、将来の量子システムをつかった量子機械学習や複雑な意思決定問題の分野で、実生活の問題を解決するために数多くの応用が見込まれます。
Challengeの参加者は、毎週新しい課題を与えられ、その難易度は週を追うごとに上がっていきました。2,000人の参加者のうち、第1週目の演習課題をすべて解くことが出来た人が1091人、第2週目の演習課題をすべて解けた人が576人でした。最後の最も難しい本戦課題を含むすべての演習課題を解ける人がどれくらい出てくるのか。出題者の見積もりでは二桁に落ちるのではと思っていたところ、なんと227人もの人が全問正解に成功しました。 これは出題者の想像をはるかに超えるものでした。
当チャレンジの最終週の本戦問題の作成者であるIBM Quantumの松尾惇士氏が執筆した解答例 (https://github.com/qiskit-community/IBMQuantumChallenge2020/tree/main/solutions/week-3/ex_3_solution_ja.ipynb) をぜひご確認ください。
Quantum Challengeのトップ10位をご紹介します
227人中、全問クリアしただけでなく、最後の問題を解く際に最も低い量子コストを達成したのは、東京大学工学部物理工学科の長吉博成さんです。長吉さんは問題の制約条件のユニークな特徴を利用した戦略を適用することで、最も少ない量子コストで解を得ることに成功しました。長吉さんの解法と解説はこちら (https://github.com/qiskit-community/IBMQuantumChallenge2020/tree/main/submissions) からご覧になれます。長吉さん、おめでとうございます!
スコアは、コスト = S + 10Cという式に基づいて、回路の実装コストを測定することで決定されました。(Sは1量子ビットゲートの数、CはCNOT(CX)ゲートの数で) 任意の量子回路は、1量子ビットゲートと2量子ビットゲートに分解することができます。現在のNoisy Intermediate-Scale Quantum(NISQ)デバイスでは、CNOTのエラーレートは一般的に1量子ビットゲートのそれと比較して10倍です。そのため、回路の実装コストを評価するために、CNOTゲートを1量子ビットゲートの10倍に設定しています。今回のチャレンジでは少ないゲートコストで正解にたどり着くことがゴールです。
トップチームの解法解説 (https://github.com/qiskit-community/IBMQuantumChallenge2020/tree/main/submissions) :トップチームの皆さんが今回の問題にどう挑んだのか。アプローチ、駆使したテクニックなどを各チームが公開しています。
3週間で初心者から上級者まで
IBM Quantum Challengeの最も大きな成果は、人々が経験する学習体験です。
IBM Quantum Challenge では、限られた時間のなかで多くの人が新しいことを一から学び、成長していきます。以下のグラフは参加者の事前と事後アンケートの結果を比較しています。1〜10のスケールでそれぞれ、量子コンピューティングとQiskitの知識とスキルレベルを申告してもらいました。結果が示すように、多くの人が初心者としてこのチャレンジに参加しましたが、演習課題に取り組んだり、参加者同士が互いに学びあったりすることで、より高いレベルの経験とスキルを身につけた様子がうかがえます
今回の成果は、チャレンジに参加された方々の多くのコメントやツイートに反映されており、学習経験や量子コンピューティングについて学ぶ意図を共有できたことを大変嬉しく思っています。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
最後に、今回は競技としてこそは参加しなかったものの、量子計算の基礎や新しいテクニックを習得するために参加された方も数多くいらっしゃったとお聞きしています。このチャレンジをきっかけに、これからも皆さんが量子コンピューティングに親しみつづけてくだされば本望です。
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