【A.T. カーニー 2023 年グローバル都市調査】
世界の都市指標ランキング1 位は今年もニューヨーク。 東京は同指標で11年連続4 位、将来有望な都市ランキングでは昨年より若干順位を上げ今年は23位に
本プレスリリースは、2023 年10 月26 日に英語で配信されたプレスリリースの抄訳です
「2023 Global Cities Report(グローバル都市調査)」では、社会的、地政学的、そして技術的変革により、従来の都市の階層構造が破壊され、より広範囲に分散した「機会の地理」※ が生み出されていること、そしてこれまで世界をリードしてきた都市が新興ハブ都市とのこれまで以上の競争に直面しており、再生的なアプローチをとることで人材、イノベーション、投資の誘致において主導権を握る態勢を整えていると指摘しています。
※ 「機会の地理」 個人の特性を超えて人生のチャンスに影響を与える地域に根ざした社会、経済、環境、文化などの構造的属性
本調査は、都市の現在のパフォーマンスを評価する「グローバル都市指標(Global Cities Index)」と、将来の有望性を分析する「グローバル都市展望(Global Cities Outlook)」の2つで構成されています。
グローバル都市指標(Global Cities Index: GCI)は、
2008年に始まり、今回で13回目の発行となります。全世界156の都市を「ビジネス活動」「人的資源」「情報流通」「文化的経験」「政治的関与」の5つの観点から29の評価基準をもとに総合的にランクづけしたものです。同調査の結果は、都市の国際度、パフォーマンス、発展水準の指標となるでしょう。
上位を占める5都市(ニューヨーク、ロンドン、パリ、東京、北京)は前回と同じ顔触れでした。
東京は、2022年に比べて「ビジネス活動」と「情報流通」の評価が芳しくなかったものの、海外からの旅行者から絶大な支持を受けている ”食” の分野での豊かな「文化的経験」と、在京のシンクタンクや国際機関が存在感を高めたことで「政治的関与」が評価され、今年も4位の座をキープしました。
もうひとつの指標、グローバル都市展望 (Global Cities Outlook: GCO)は、
都市の将来的な有望性を評価したもので、今回で9回目の発行となります。全世界156の都市を 「個人のウェルビーイング」「経済」「イノベーション」「ガバナンス」の4つの観点にまたがる13の主要な評価基準の変動率をもとに、各都市の将来的有望性を評価しています。
首位は前回より順位を大きく上げたサンフランシスコ。2~9位はヨーロッパが独占し、シンガポールがトップ10入りを果たしました。
アジア地域で上位常連のシンガポール、台北、東京以外では、前回よりランキングを大きく上げたソウル(36→14位)の他、大阪(41→28位)、チェンナイ(112→104位)が今後アジア地域のハブ都市としての躍進が期待されます。
本調査報告書の筆頭著者で、A.T. カーニー パートナー Rudolph Lohmeyerのコメント
「今回の調査でわかったことは、世界はよりネットワーク化され、一様性が低い新たなグローバリゼーションの段階に入ったということです。今年は特に、地政学的・地経学的な状況により、新興のハブ都市が、ますます分断されつつある世界全体からの資本、貿易、人々にとってますます魅力的な存在となり、すでに確立されたグローバル都市のリーダー との差を縮めていることがわかります。」
本調査報告書の共著者で、A.T. カーニー マネージャー Brenna Buckstaffのコメント
「機会が分散して移り変わる世界情勢の中で、これまで世界をリードしてきたいわゆるトップティアの都市がいつまでもその座にいることが当然という考え方も変わりました。AIによるイノベーションの波が押し寄せる中、成長と生産性の機会がより集中しなくなるため、主要都市の従来の階層な構造は将来的により流動的になるでしょう。回復力を備え、積極的に再生的なアプローチを採用する都市が競争優位性を持つことになります。」
本調査報告書全文(英語)はこちらから
https://www.kearney.com/service/global-business-policy-council/gcr
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